新車情報 メルセデスAMG GLAにエントリーモデル GLA 35誕生 その全容
2020年7月25日
メルセデスAMG GLA 45S/GLA 35(2020): 価格、画像、テクニカルデータ、エンジン
AMGがエントリーレベルのGLAをローンチする。306馬力の新型メルセデスAMG GLA 35はスポーティに仕上がっている。GLA初となるエントリーレベルAMGバージョンの全情報。
メルセデス-AMGが「GLA」のニューエディションを公表し、新たなエントリーモデルをもたらした。
SUVはGLA 45としてだけでなく、他に35シリーズモデルの306馬力と400Nmの強力な2リッターエンジンを搭載したGLA 35としても提供されることになった。
また、その兄貴分GLB 35から転用した四輪駆動と8速オートマチックを搭載し、0から100km/hまでのスプリントタイムも、5.2秒で同じだ。
45系モデルは当然ながら、もう少しパワフルになっている。
ベーシックモデルとSバージョンがあり、どちらもA45の2リッターガソリンエンジンを搭載している。
GLA 45では397馬力と480 Nm、Sでは421馬力と500 Nmを発揮する。
完全可変四輪駆動の「AMGパフォーマンス4MATIC+」と8速デュアルクラッチトランスミッションを組み合わせることで、SUVは4.4秒で0から100km/hまで加速し、Sバージョンはそれよりも0.1秒速い4.3秒だ。
GLA 45Sは270km/hを達成
より強力なGLA 45も最高速度は制御されている。
ベースモデルは250km/hでブレーキがかかるが、Sモデルにはさらに20km/hが追加される。
「GLA 35」と「GLA 45」の両モデルともに、より剛性の高いボディ、AMGシャシー、フラップエキゾースト、パラメーターステアリングを採用している。
外観: 最もアグレッシブなGLA 45 S
メルセデスAMG GLA 35は、AMGラインをベースにしながらも、縦型のクロームストラットを備えたAMGグリルや、フロントエプロンとリアのティアオフエッジを大幅に拡大した特別なディテール、丸みを帯びたクロームテールパイプを備えた別のエプロンなどで補われている。
45シリーズモデルは、ややアグレッシブなデザインとなっており、装備も充実している。
AMGグリルに加え、高性能LEDヘッドライトを標準装備。
フロントエプロンには大きめのエアインテークが装着され、フロントのホイールアーチはややワイドになっている。
ベーシックモデルの45とSの違いは、リアで明らかになる。
ベーシックモデルでは、4本のテールパイプが丸みを帯び、ルーフのティアオフエッジはGLA 35よりもわずかに大きくなっているが、それでもそれほど目立たない感じである。
一方、45 Sはリアウィンドウの上に小さなウイングが装着されている。
テールパイプはさらに大きく、楕円形で内側は波型になっており、AMGのレタリングがその部分に施されている。
AMGの特別ディスプレイが施されたMBUX
メルセデス最新鋭のMBUX(Mercedes Benz User eXperience)インフォテインメントを備えたインテリアは、ほとんど標準型のメルセデスGLAと同じようなものが採用されている。
GLA 35とGLA 45には、人工皮革を使用したブラックのスポーツシートに加え、赤い装飾の縫い目とベルト、カーボントリムエレメント、赤いリング付きのエアベント、ナッパレザーカバーと亜鉛メッキのシフトパドルを備えたスポーツステアリングホイールが装備されている。
センターコンソールには、ESP、マニュアルトランスミッションモード、シャシー、そしてGLA 45のみに搭載されているエキゾーストサウンド用のボタンが装備されている。
GLA 45 Sは、イエローのアクセントと12時位置のマーカーとAMGボタンを備えたパフォーマンスステアリングホイールが際立っている。
インフォテインメントシステムのレイアウトは常に同じで、3つのAMG特別ディスプレイから選択でき、そのうち最もスポーティなものは「スーパースポーツ」と呼ばれ、レヴカウンターに焦点を当てている。
AMGメニューは、例えばGフォースやエンジンのデータを表示するために使用することができる。
価格とマーケットローンチ
GLAの最もスポーティなバージョンはすでに注文可能で、価格も公表されている。GLA 35の場合、メルセデスAMGは少なくとも52,838ユーロ(約660万円)を請求し、GLA 45は61,190ユーロ(約764万円)から利用でき、GLA 45Sは、66,642ユーロ(約833万円)の基本価格を求める。
スポーツGLAは、2020年内にディーラーショールームに並ぶ予定だ。
現在のメルセデスベンツのラインナップとAMGは、普通のモデルとスポーツモデルという住みわけだから、このGLAをベースにしたGLA 35とか45というモデルが出ることはまったく不自然なことではない。
AMGがスポーツモデルということで考えれば、ラグジュアリーブランドとしてはマイバッハが用意されているわけだが、いずれにしろ普通のメルセデスベンツのラインナップでは満足できない、あるいはほかの人とはちょっと違うメルセデスベンツが欲しい、という人のための車種、である。
実際に東京で言えば目黒通りとか外苑西通りに行くと、そういう目的で購入されたAMGやアルピナが、小学校の送迎とか高級スーパーマーケットの買い物に使われている姿を見かけるが、海外の都心でも似たような状況で、洋服を買うように車を選ぶ階層の多さに驚くと同時に、今や自動車とはそういう存在なんだなぁ、ということを実感してしまう。
こういうより高性能で、高価なブランド展開をいかに行うかは、より儲けの利幅が大きく設定するかというメーカーにとっての大切な課題とつながっているし、メーカーとユーザー双方が幸せだったらいいじゃないか、と言ってしまえばそれまでである。間違いなく開発の最初の段階から、普通のモデルとAMGモデルの両方のことを考えて作っているから、信頼性だってメンテナンスだってなんら問題ないし、ライフスタイルを表現するためにAMGを買う人の気持ちもなんとなくわかる。
普通のGLAだって十分に快適で速いし、AMGである必要性などは(少なくとも日本では)ない。だがAMGを選ぶ人がこれからも減ることはないのではないだろうか。覚えきれないほどのAMGのラインナップを見ながら、まだまだこれからも様々な車種が追加されるのだろうから、その分整備マニュアルを準備し、メンテナンスしたり、補修部品を用意したりしておく側は大変だろうなと、つい考えてしまうのは、余計なお節介に違いない。
【フォトギャラリー】
Text: Katharina Berndt
加筆: 大林晃平
Photo: Daimler AG