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単なる噂かそれとも事実か 新型スープラのトップモデルにBMW M3エンジン

2020年7月21日

トヨタ スープラ: BMW M3、M4、エンジン、S58、噂

トヨタは新型スープラ(A90)にBMW M3用エンジンを採用するだろうか? 噂によれば、スープラは、近い将来デビューするトップモデルにM3用エンジンを採用する計画だとのこと。それは、スープラが510馬力と600Nmのトルクを持つことを意味する。

トヨタがBMW M3エンジンを搭載したスープラを開発中という噂は本当なのか?日本のメディアで採り上げられているこの噂がドイツでもちょっとした話題になっている。専門家の間でも、日本メーカーが「スープラGRMN」と呼ばれるスポーツカーの特別モデルに取り組んでいることが取りざたされていると聞いたことがある。噂の最大のポイントは、新しいスープラのトップモデルが、バイエルン製S58 エンジン、つまりはM3のエンジンを装備する計画だという点だ。将来的に、この3リッター直列6気筒エンジンは、BMW M3セダンやM4クーペ/カブリオにも搭載されることになる。現在、このエンジンは、すでに2台のパフォーマンスSUVであるBMW X3MとX4Mのボンネットの下で活躍している。現時点でのこのエンジンの性能は510馬力の最高出力と600Nmの最大トルクというものだ。それは、潜在的なトップスーパーカーのための現実的なパフォーマンスの数字と言える。

トップスープラ用ダブルクラッチ

もしトヨタが、S 58 エンジンを搭載した GRMN バージョンのスープラを本当に開発発売するとしたら、以前のトップモデルの 8 速オートマチックの代わりに、7 速デュアルクラッチトランスミッションが可能となる。これは明らかにBMWと日本車をトヨタのスープラには全輪駆動モデルは採用されず、古典的な後輪駆動のみであろう。

S58エンジンは、次期BMW M3でもその仕事をすることになる。

おそらく限定特別モデル

新型トヨタ スープラは、BMW とトヨタの共同開発による産物だ。ミュンヘン側の姉妹モデルはBMW Z4だ。

しかし、BMWが新モデルとしてのZ4 Mを考えている可能性は低い。よりパワーのあるスープラはファンには受け入れられるかもしれないが、おそらく多くの人の手には渡らないだろう。もしトヨタがBMWからスープラのスペシャルモデル用のエンジンを受け取るとしたら、おそらくそれは厳密に限定されたモデルになるからだ。200台というのが現実的な数字だと考える。これによって、日本メーカーはトップモデルスープラを、コレクターズアイテムにしようとしているようにも思われる。希少価値が高いほうが、この手のモデルは人気を博すことが多いし、価格も高価にならざるを得ないので台数は少なく、という考え方は正解だと思う。

さらに考えてみれば、スープラにM3のエンジンが乗ることは不思議でもなんでもない。言うまでもなくスープラの中身はBMW Z4だし(それとも、スープラのオープンモデルがZ4 というほうがいいのだろうか??)、すでにエンジンもサスペンションもBMWなのだから、そこにMシリーズのエンジンが乗ることは実に自然なことなのではないだろうか。おそらくマグナシュタイアで作られたフロアとボディに、Mから運び込まれたエンジンが乗る日も遠くはないと思うし、スープラの高性能版という位置づけのクルマは遠からずデビューするのではないだろうか。そしてその場合、本家たる?BMW Z4よりも、スープラのほうがずっとスポーツカーなのではないだろうか、という予想もできる。なぜならばBMW Z4はオープンモデルだからで、その点ではクローズドのボディを持つスープラのほうが絶対的にスポーツカーとしての要素を満たしやすい。いくらZ4が雑誌で使い古された、「クローズドボディと変わらない剛性を持つ」という表現を使われてその優秀さをアピールしても、オープンモデルであるという事実だけは変わらないし、オープンモデルである限り、クローズドのクーペボディであるスープラの剛性をしのぐことは本来あり得ないからである。より本格的なスポーツカーが欲しいのならば、BMWZ4よりも、トヨタ スープラを選ぶべき…。そんな時代が来たのかと思うと同時に、昨今のトヨタの本気度と隙間のない構成には驚くしかない。

Text: Andreas Huber
加筆:大林晃平