新車情報 新型ポルシェ911ターボ登場 エントリー992ターボの詳細
2020年7月18日
ポルシェ911ターボ(2020): 価格、馬力、コンバーチブル、0-100km/h加速
新型ポルシェ911ターボ。911ターボSに迫る走行性能。580馬力の新型ポルシェ911ターボは、ポルシェの最上級クラスへのエントリーモデルだ。しかし、その走行性能はターボSに迫るものがある。
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911ターボSに続き、ポルシェはエントリーモデル、911ターボも後継モデルを発表した。
911ターボの弱いバージョンとはいえ、技術的なデータは相変わらず印象的なものだ。
3745ccの6気筒ボクサーエンジンから、2つのVTGチャージャーは580馬力を引き出す。先代911ターボより40馬力多く、992ターボSよりも70馬力少ない。
しかし、より少ない馬力はまた、より少ない価格をも意味する。
なぜなら、新型911ターボSと比較して、911ロイヤルクラスへのエントリーモデルは、32,000ユーロ(約400万円)、低い価格であるからだ。
つまり、ターボは180,811ユーロ(約2260万円)、ターボSは212,711ユーロ(約2658万円)ということだ。
同じ価格差は、コンバーチブルバージョンにも適用される。
オープン911ターボは194,035ユーロ(約2425万円)、ターボSカブリオは225,035ユーロ(約2812万円)からとなっている。
911ターボは今すぐにでも注文することができる。
たったの0.1秒差で32,000ユーロ(約400万円)の節約
お金を節約するために、911ターボの顧客は、走行性能上の落差に耐える必要がある。
しかし、それはほんの小さな落差だ。
580馬力という最高出力と750Nmの最大トルクによって、0から100km/hまでのスプリントタイムを2.8秒と ポルシェは発表している。
これは、650馬力のターボSに比べて、わずか0.1秒遅いだけだ。
最高速度は、ターボは320km/h、ターボSは330km/hまでとなっており、その差はたったの10Kmだけだ。
それ以外は、2つのバリアントは同じ技術を共有している。
8速PDKと四輪駆動は、911ターボにも標準装備されている。
また、ターボS同様、フロントに20インチホイール(255/35)とリアに21インチホイール(315/30)のサイズ違いのタイヤも装着されている。
911ターボは追加料金でより軽量化できる
911ターボは、よりパワフルなターボSモデルと同様に、オプションのスポーツ&ライトウェイトパッケージ(マイナス30kg、フルボディシート、リアシートなし、断熱材なし)、10mmローダウンのスポーツサスペンション、スポーツエキゾーストシステムを装着することができるようになっている。
また、911ターボは、スチール製ブレーキシステム(ディスク径408mmフロント/380mmリア)が標準装備されているが、オプションの10ピストン固定キャリパーを備えた大型セラミックブレーキシステムは、「911ターボ」にもオプションで装着可能だ。
どうも私のような凡人には、2000万円以上する車のことを、「普通のターボ」とか、「エントリーモデル」と言われてもピンとこないのだが、とにかく今までのポルシェの慣例にのっとって、今回も「普通の」と「Sがつく」モデルが用意されるということである。
まあSの上には、さらに限定のGTナントカとか、たまに用意されるエクスクルーシブなエディションもこれから続々と登場するのだろうが、とにかく今回発表されたエントリーモデルは、ターボで一番安いモデル、なのである。
もちろん安いからと言ってもいくつかのオプションを付けて、好きな色を選んだすると、あっという間に2500万円くらいになっているし、それぐらいの価格のクルマを購入する人にとってみればちょっとした価格差などはないも等しいはずだし、いっそのことSを買ってしまったほうが良いのではないかと余計なおせっかいも言いたくなるが、わざわざ普通のターボを買うほうがコニサーズチョイス、みたいな考えもあるのかもしれない。
いずれにしろ、凡人が一般の路上で運転する限り、普通とSの性能の差などは分かろうはずもなく、ターボでも同乗者が気持ち悪くなってしまうほどの高性能であることは言うまでもない。ターボとSの差が分かる人とはいったいどのような人なのか、ポール フレールさんとか、アイルトン セナといった伝説の人物以外は思い浮かばない。そういう天上界のレベルの人でなければ、極限における性能の違いなどわかろうはずもない、そういうレベルの高性能車が現代のポルシェ ターボなのである。
そう考えると、ターボとSの差はいったいどこにあるのだろう?
それはリアに、「S」というエンブレムがついているかいないか、が一番の違いなのではないだろうか、というのが所詮ポルシェ ターボなど購入できないへそ曲がりの意見である(笑)。
Text: Peter R. Fischer
加筆:大林晃平