新車情報 アップデート&リフレッシュ VWティグアンはどこがどう変わったか
2020年7月3日
VWティグアン フェイスリフト(2020): ルックス、エンジン、市場ローンチ時期、価格
VWティグアン、アップデート。VWはティグアンをリフレッシュさせるとともに、プラグインハイブリッドバージョンと高性能なRモデルも投入する。そのフェイスリフト全情報。
➤ 外観
➤ インテリア
➤ イクイップメント
➤ コネクティビティ
➤ ティグアンR
➤ エンジン
現在、最も成功をおさめているVWモデルがフェイスリフトを受けた。
2019年だけでも、世界で90万台以上も製造された「ティグアン」だ。
長年にわたり、ヴォルフスブルクの最重要モデルとして君臨してきたゴルフの王冠を奪ったほど成功したモデルだ。
今回VWはティグアンをリフレッシュさせ、独立したスポーツモデルとしてアピールする。
加えて、将来的には、ティグアンにRモデルも用意される予定だ。
同時に、フォルクスワーゲンは一般消費者のことも忘れることなく、SUVの電動化も進めていて、トップバージョンの新型ティグアンに加え、プラグインハイブリッドバージョンも用意される予定である。
人気のティグアンのフェイスリフトを紹介する。
外観: ティグアンは新しいブランドの顔を取得する
ティグアンのフェイスリフトは、主にその外観によって確認できる。デザイナーは特にフロントを変更しているからだ。
マイナーチェンジのキーワードは「新しいブランドフェイス」だ。新しいヘッドライトは特に印象的なものとなっている。
ゴルフ8のそれをベースにしたデイタイムランニングライトの独自のシェイプをその得ており、その「まぶた」はフェンダーの中にまで伸びている。さらにマトリックスLEDライトはオプションで利用可能になっている。
ラジエターグリルは、Tクロスを彷彿とさせるもので、ティグアンの印象が一新されている。
アップデートに相応しく、グリルの下には新しいスカートが見られる。
サイドでは、シルとフェンダー部分の新しい装飾のみが目立つが、それ以外はVWのSUVらしさを忠実に再現している。
リアでは、新しいLEDテールライトが採用されている。
最新のVW方式で、モデルのレタリングがブランドロゴの下に配置されるようになっている。
インテリア: タッチ操作による未来の空調制御
フェイスリフトの一環として、ティグアンはもちろんインテリアも一新されている。フォルクスワーゲンはゴルフ8の部品棚に手を伸ばし、コンパクトSUVの新しい多機能式ステアリングホイールを採用した。
その後ろには、10インチの対角線を持つオプションの完全デジタルインストルメントクラスターが設置されている。
温度調節でさえも、今回からはタッチスイッチで調整される。
人間工学の面では、ティグアンはモデルアップグレードしても、整然とした実用的なデザインを維持している。
タッチ面はすぐに慣れて使いやすくできていて、快適な日常的な使用や操作性を提供するだろう。
スペースに関しても、ティグアンはいつものように広々としている。
イクイップメント: ティグアンにもトラベルアシストが登場
VWはティグアンを特に安全性の面でアップグレードしている。
LEDヘッドライトは常に標準装備されているが、新しいマトリックスLEDライト「IQライト」もオプションで用意されている。そのマトリックスLEDは、ヘッドライトごとに24個のLEDプロジェクターが、道路をインテリジェントに照らす。
アシスタントシステムに関しては、ティグアンはアルテオンなどでおなじみの「トラベルアシスト」を採用している。様々な運転支援機能を一部自律走行システムに統合したものだ。
ドライバーにとっては嬉しい機能だ。多機能式ステアリングに備わったボタンで起動する。それ以降は、ティグアンが単独で作動する。
VWはティグアンのラインナップも再編成した。
基本モデルはティグアンと呼ばれるようになり、それに続くのがライフライン。
エレガンスやRラインは、新型ティグアンの最上位バージョンとなる。
コネクティビティ: SUVはMIB 3を取得する
フォルクスワーゲンは今回のフェイスリフトで、ティグアンのインフォテイメントを新たなレベルに引き上げました。
このコンパクトSUVには、第3世代のモジュール式インフォテイメントキット(MIB 3)が標準装備されている。E-SIMカードのおかげで、ティグアンは常にオンライン状態だ。
より多くのネットワークを重視する人は、VWの次の上位レベルのインフォテインメントシステムを選択することができ、ケーブルを介してワイヤレスのApple CarplayとAndroid Autoを受け取ることができる。そのように設定すると、SUVにはゴルフ8からのインテリジェントな音声アシスタントも装備される。
ただし、ゴルフとは異なり、ここでは車両の機能を制御することはできず、この機能は次世代のティグアンまで利用できない。おそらく車両の制御を行うには、基本的な設計や構造から考えなくてはいけないところがあるのだろう。
基本的なタッチスクリーンの寸法は6.5インチだが、一番上のバージョンは9.2インチだ。新しいUSBポートは、温度調節モジュールの下に配置されている。
ティグアンR: スポーツモデルは320馬力を搭載
さて、多くの人が関心を持つであろう、Rバージョンについて語ろう。
ティグアンRは、フロントに巨大なエアインテーク、リアにディフューザーを備えた特別なエプロンを兼ね備えている。ホイールは、VWがティグアンR専用に21インチホイールを用意し、ホイールフランジにはRのロゴが入っている。
その後ろには、18インチのスポーツブレーキと穴あきディスクが装着されている。
Rの車内には、カラーコントラストシームを施したヘッドレスト一体型のスポーツシートを装備。トップモデルの本革張りスポーツステアリングホイールも特に厚みがあり、手にしっくりと馴染む。
ボンネット下では320馬力、最大トルク420Nmの2リッター4気筒エンジンが稼働する。これはすでに実績のあるEA888エンジンの第4世代で、ヴォルフスブルクのスポーツモデルでは長年にわたり万能兵器としての役割を果たしてきた。
エンジンに加えて、VWはRに新開発の全輪駆動システムを与えている。トルクベクタリングを搭載し、駆動トルクを車輪に可変的に配分する。
これは、ティグアンが高速コーナリング時に特に俊敏になるようにとの意図の下に採用されたものだ。
強烈なエンジンサウンドを味わいたい人は、ティグアンR用にあつらえられたアクラポヴィッチ社製のチタン製エキゾーストシステムを注文することができる。
エンジンと市場投入:2020年半ばにVWはディーラーで利用可能になる
古典的な、すでにおなじみのガソリンとディーゼルバージョンに加えて、ティグアンは、初めてプラグインハイブリッドドライブを備えたバージョンも投入する。
そのプラグインハイブリッドSUV は、245 馬力のシステム出力で、完全に電気だけで50 キロまで走行できるようになっている。VW はこのドライブを「eハイブリッド(eHybrid)」と呼んでいる。
VW はディーゼルエンジンに排ガス浄化システムを追加装備。2 つの SCR触媒コンバーターのおかげで、ティグアンは、来るべき排出ガス基準をクリアするための準備が整っている。
自動点火装置は122馬力からスタートし、トップディーゼルは200馬力を発揮する。
ガソリンモデルは130馬力からスタートし、トップモデルは320馬力のRモデルとなる。Rモデルはもちろん4輪駆動システムであるシンクロシステムを持つ。
モデルによって、VWは市場投入に向けて異なるコメントを出している。ティグアンのプラグインハイブリッドと通常バージョンは、2020年半ばからディーラーで販売開始されるはずだ。しかし、ティグアンRに興味を持つ人は、もう少し待たなければならないだろう。それでも2020年末には発売されるはずだ。
【フォトギャラリー】
Text: Andreas Huber
Photo: Volkswagen AG