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速報 初テスト 次期BMW M3 & M4プロトタイプ その評価は?

2020年7月2日

BMW M3/M4(2021): テスト、コンペティション、価格、市場ローンチ時期

次期型M3とM4のプロトタイプがレースコースでどのように走るかをお届けしよう。2021年の初頭、BMW M3とM4は人々に再び刺激を与えたいと考えている。我々はザクセンリンクサーキットでプロトタイプを試してみた!

走り出した瞬間にニヤリ。これが、次期型BMW M3とM4のプロトタイプで走り出して最初の数メートルで得た実感だ。
確かに、過去5世代のM3でもそう感じた。
しかし、BMW M GmbHは、またしても、さらに進化したM3とM4の開発に成功している。それは非常に印象的なものだった。
新エンジン、新しいタイヤ、そして後にオプションで四輪駆動も可能となる最新のMの派生モデルは、2021年に発売される予定だ。
我々はM3とM4のプロトタイプを事前にサーキットで走らせテストした。

鍛造クランクシャフトにより、旋回性が向上

BMW-Mの開発責任者であるディルク ヘッカーは、試乗する前に、「クルマの準備(完成度)は約90パーセントできています」と認めた。
そして、彼はさらに多くのことを明らかにした。
3リッター6気筒ツインターボといえば、おなじみのS58エンジンのように一見すると聞こえるだろう。しかし、新しいM3とM4のエンジンは、根本的に新しい設計だという。
M特有の高回転特性、新しいターボチャージャー、レースコースでテストされた冷却とオイル供給のコンセプトが、新しいエンジンの礎となっている。
直列6本スポークのS58は、鍛造クランクシャフトを採用しており、軽量化と回転質量の低減により、より回転数をかせぐことにも貢献している。

すでにX3MやX4MでおなじみのS58エンジンは、M3とM4では480~510馬力を発揮する。

このため、ガソリンは従来の200バールから350バールでインジェクターから吹き出されるようになっている。
デュアルフロー排気システムは、M型ツインテールパイプを備えた新しいサイレンサーを備えて、そのサイレンサーのサイズは100mmになった。
それはどのようなサウンドを奏でるかは、のちほど述べたい。
ベーシックバージョンのM3とM4のパワーユニットは480馬力を備え、コンペティションバージョンは510馬力を発揮する。

技術的には、すべてに手を入れている。

ベーシックモデルには6速マニュアルギアボックスが標準装備され、コンペティションバージョンにはオートマチックが装備されている。
その通り。先代モデルのダブルクラッチから、「8速Mステップトロニック」と呼ばれる通常のトルクコンバーター式のオートマチックに切り替えられた。
それによりスポーティでなくなったのではないかと危惧される方もおられるかもしれないがご心配なく。
M部門はフロントアクスルの剛性を大幅にアップさせ、新たに電子制御式ダンパーを採用した。加えて、リアアクスルのロックシステムも再び改良されている。
ブレーキシステムではスチール製またはオプションのセラミックブレーキを使用する。
ホイールにもイノベーションがもたらされ、ポルシェやその他のライバル同様、軽量化されたホイールは、フロントとリアで異なるサイズのものが採用されている。
ベーシックバージョンではフロント18インチとリア19インチ、コンペティションバージョンには、それぞれ19インチと20インチが兼ね備わっている。
それらには特別に用意された275/35と285/30というサイズのミシュランパイロットスポーツ4 Sが装着されている。
全輪駆動バージョン?
「M xDrive」ももちろん用意されるが、やや遅れての投入となる。

カモフラージュにもかかわらず、ステアリングホイールの後ろにあるデジタルコックピットははっきりと見える。

フロントアクスルは巨大なグリップを持つ

もう取材ノートはたくさんの情報で溢れ、車はウォームアップが終わり、ザクセンリンクサーキットのピットランプについにグリーンシグナルが点灯した。
まずはマニュアルトランスミッションを搭載した480馬力のベースM4に乗り込んだ。
車内に乗り込むと、M4の批判の的であった高いシートポジションは、少し低くなっていることに気づく。
近代的なデジタルインスツルメントを前に、いつものように太いステアリングホイールはしっかりしたグリップ力を備えている。
我々は、ほとんどカモフラージュされていないセンターコンソールの表示で、「スポーツプラス」に選択し、スロットル機能を「オン」に設定する。

M4 は M3 より 100kg程度軽くなると想定される。全輪駆動仕様は両モデルとも後に投入される予定だ。

このようなM4がザクセンリンクサーキットでどのように走るのかは、これまでに実際に何度も経験してきた。
しかし、第1コーナーに入ると、下にスリック(滑り止め)が敷かれているのかと思うほど、フロントアクスルがグリップする。そのフロントアクスルのグリップは、先代モデルよりもさらに極端に向上している。
エンジンは軽快なタッチで、パワーは大晦日のロケット花火のように直線的に増加し、レブリミットまでフルパワーで回転していく。
そして、マニュアルギアボックスは、本当に快適なムードへと心身ともに導いてくれる。
リアアクスルは必要なところで優しく丁寧にオーバーステアする。
パッケージ全体が、以前よりもはるかに軽く、機敏になったように感じる。
今までは1500キロくらいあった重さも気にする必要はまったくない。
とても愉快だ。

オートマチックもスポーティな走り

M3はいつものようにMT仕様のM4よりも100キロくらい重くなっているはずだ。
そしてこの一台でもう一周テストさせてもらう。
フィーリングはクーペと全く同じで、余計な重さを感じさせない。
オートマチックはその名が示すように、トラクションを損なうことなく、素晴らしい猛烈な集中砲火でのシフト操作が可能だ。
排気システムは3リッターのサウンドを純粋に響かせるものの、テールパイプが大きくなったことを考えると、もう少し賑やかな音楽を期待していたので、やや残念だ。市場投入までに改良されることを望みたい。
はてさて、2021年春の市場投入までに、開発陣には、これ以上どんな課題が残っているのだろうか。

レーストラックでは、マニュアルギアシフトの方が楽しめる。

結論:
BMW M3とM4は、新世代も、ドライバーズカーとしてその優秀さを堅持している。
この2台のパフォーマンスカーは、深刻な迷惑を及ぼしたり、不快させたりすることなく、人々にそのテクノロジーでチャレンジする。
ブラボー、BMW!

テクニカルデータ: BMW M3 & M4コンペティション
● エンジン: 直接6気筒ツインターボ ● 排気量: 2993cc ● 最高出力: 510PS@6250rpm ● 最大トルク: 600Nm@2600~5950rpm ● 駆動方式: 後輪駆動 ● トランスミッション: 8速AT ● 全長×全幅×全高: 4713×1837×1430mm ● 乾燥重量: 現時点で情報なし • ラゲッジコンパートメント容量: 480リットル ● 0-100km/h加速: 約3.9秒 • 最高速度: 280km/h ● 燃費& CO2排出量: 現時点で情報なし ● 予想価格: 約85,000ユーロ(約1062万円)

Text: Guido Naumann