【SUPER GT 第8 戦 /モビリティリゾートもてぎ】ADVANユーザーのJLOC ランボルギーニ GT3が勝利!
2023年11月12日
2023年のSUPER GT最終戦となるもてぎ大会が、栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催された。最終戦は全車がサクセスウェイトを降ろし、開幕戦以来のガチンコ勝負だ。ヨコハマタイヤ勢のGT300クラス「JLOC ランボルギーニ GT3」が見事に勝利を勝ち取り最終戦を飾った。
好天に恵まれ、昼間は11月らしからぬ温かさとなったもてぎだが、公式予選が行われた11月4日(土)の朝は濃霧に包まれ、気温15度、路面温度は20度とややひんやりとした空気の中で公式練習がスタートした。ただ、時間が進むにつれて上空も明るくなりGT300クラスの専有走行が始まる頃には気温は20 度、路面温度は30 度まで上昇。日向で観戦するGT ファンには汗ばむほどの陽気となった。
一夜明けた5 日(日)、決勝レースを前に20分間行われるウォームアップ走行は気温21度、路面温度28度というコンディション。上空には少し雲も見え、想定していたよりは涼しい状況だ。スタート開始時刻が近づくにつれ、上空にはやや暗い雲が広がり始める。予報では雨のマークがちらつく時間帯もあったが、気温22度、路面温度27度というコンディションでパレードランがスタート。さらにフォーメーションラップを経て、いよいよ63 周の決勝レースがスタートした。
GT500クラスでは「リアライズコーポレーション ADVAN Z」が5番手で序盤を周回。スタートから5 周を過ぎたところで、ピットで雨粒が確認される。走行している車両も数台はワイパーを動かし、やはり雨が降っている様子。後半にフルコースイエロー(FCY)が掲示されるアクシデントがある中、激しいバトルが繰り広げられた。残り10 周を切る頃になると再び雨が降り始めるが、今度は雨脚が強く周囲ではウェットタイヤに交換する車両も現れた。
最終的にはドライタイヤのままでレースを続行する戦略をとった「WedsSport ADVAN GR Supra」が63周を無事に走破し、8位でチェッカー。「リアライズコーポレーション ADVAN Z」は、終盤に雨が降ってきたところでウェットタイヤへの交換を選択。14位でチェッカーを受けた。
GT300 クラスは、クラス2 番グリッドからスタートした「JLOC ランボルギーニ GT3」が序盤にトップに躍り出た。後半のピットインでは、リヤタイヤ2本のみの交換で、さらにロスタイムを削る作戦をとる。雨の中、一時は2位の車両に並ばれるなど危ない場面もあったが、路面コンディションが回復し、それに合わせてまた2位とのギャップを広げて、2位に7.1 秒のマージンを築いてチェッカー。JLOCとしてはSUPER GT参戦30年目という節目の年の最終戦で嬉しい勝利を飾った。3位には予選13位からスタートした「DOBOT Audi R8 LMS」が今季3回目の表彰台獲得。そしてタイヤ無交換作戦で驚異の18ポジションアップを遂げた「リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R」が6位入賞を果たした。
■白石貴之 [横浜ゴム タイヤ製品開発本部 MST 開発部 技術開発1 グループ・リーダー]
GT500クラスは、状況的には前戦オートポリス大会と同様で想定よりも相当温度が低く、さらにレース中に雨が降ってくるというようなコンディションでは、高温側が作動しませんでした。もう少し低温側でも対応できていなければいけなかったというのが反省点です。GT300クラスでは「JLOC ランボルギーニ GT3」が勝利しましたが、JLOCとは⾧く一緒に開発をしてきていました。今年はその中でミッドシップ向けの新しい構造でいいものが見つかり、それが「UPGARAGE NSX GT3」のパフォーマンスにも貢献したりしていました。さらにコンパウンドの面でも9月のもてぎテストの結果をベースに新しいものを持ち込みましたが、来年に向けて構造、コンパウンドの両面でいいものが見つかったと思っています。GT500クラスも今年見つかった課題を、新しいアイテムを投入しながらオフシーズンの間にしっかりと改善していきたいです。
Text:アウトビルトジャパン
Photo:横浜ゴム