アウトー! そのフェラーリF355ニセモノです! 中身はトヨタMR2
2020年6月16日
真っ赤な「フェラーリ」がドイツのエッセンの西、ライン川沿いの都市デュイスブルクの警察に検挙された。なぜオーナーは告発されてしまったのであろうか?
うわー、美しいフェラーリだ! おそらく多くのデュイスブルク人は、このフェラーリF355を見たときに、そう思ったのではないだろうか。本物のF355 は、V8ミッドエンジン(381馬力、363Nm、297km/h)を搭載し、多くの技術革新(電子調整可能なシャシー、5バルブ技術、F1ギアボックス)と348の後継として1990年代半ばに多くのファンを魅了した、手作りされた最後のフェラーリとして広く知られている。
しかし、この F355 は、デュイスブルクの警察が発見したように、実は、「フェラーリ」を装った、トヨタ MR2(中古車価格約1万ユーロ=約125万円で、実物のF355の約 10分の1の価格)だったことが判明した。この車にはラジエーターグリルとフェラーリのロゴの付いたボンネット、フェンダー、ホイールとインテリアにたくさんの小さな跳ね馬が装備されていた。警察官は、労働者街で駐車されていたこの車を発見し、商標法違反の疑いで所有者のデュイスブルク市民(45歳)を告訴した。
疑惑はまず税関で調査される
しかし、デュイスブルク警察の広報担当者は、この男はまだ罰金と車の解体を回避できるかもしれないと述べ、以下のように説明した。「フェラーリの部品(つまりロゴの入ったパーツなど)に関する正確な書類がなかったので、まず報告書を書かなければなりませんでした。現在、税関が、違反があったかどうかを調査しているところですが、もしかしたら合法的なキットカーかもしれません」。もしすべての問題が解決して、無事に解放されたなら、『安全な旅を!』と声をかけよう。まあ違法コピー商品だしパクリには違いないが、売ってお金儲けをしているわけでもないし、他の市民に迷惑をかけているかと言えば、それほどでもないのだから…。
Text: Christian Jeß
Photo: Duisburg Police