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一気呵成 ロータス初の4ドアグランドツアラー「ロータス エメヤ(LOTUS EMEYA)」登場!

2023年9月10日

ロータスは「エレトレ(ELETRE)」に続く電動ハイパーGT「EMEYA(エメヤ)」を発表。エメヤは、2028年までにグローバル・パフォーマンス・ブランドになるというロータスのビジョンの一部であり、ラグジュアリー・ライフスタイルの電気自動車ラインナップのフラッグシップモデルとなる。

エメヤは、ロータスの75年に渡る歴史で培ってきたエンジニアリングを活用して、ロータスの走りとフィーリングの新たなベンチマークになるとしている。それは、ロータス独自のアクティブフロントグリル、リアディフューザー、リアスポイラーなどの先進的でアクティブな空力特性と、ロータスが「ハイパースタンス」と呼ぶ低重心と合わせて、走行時の安定性を高め、卓越した乗り心地とハンドリングが実現される。5分の充電で150km走れる電池が利便性を高めるなど、ハイパフォーマンスだけが売りではないグランドツアラーは2024年に生産開始予定だ。

格納式のアクティブリアスポイラーとアクティブリアディフューザーが見える。

これは、これまで見たことのないようなロータスです。
私たちはロータスがこれまでに達成してきたすべてを基にして、
ドライバーに自信を与え、ありのままの感情と純粋な喜びで高揚するよう
デザインされた高級パフォーマンスカーをつくりました。
ロータスグループ デザイン担当副社長 ベン・ペイン

ハイパフォーマンス

エメヤの動力性能はエレトレのそれとほぼ同等を思っていいだろう。前後永久磁石デュアルモーターを搭載して、フルタイム全輪駆動となる。最高出力は905馬力、最大トルク985Nm、最高速度は256km/h、航続距離もエレトレと同等に490km~600kmを目標値としている。その結果0-100km/hを2.8秒未満で走行する、世界で最もパワフルな4ドアGT のひとつとなる。

デザインとエンジニアリング

フロントには、「エレトレ」で初めて採用されたアクティブフロントグリルとアクティブエアリップを装備。アクティブフロントグリルは、ドラッグを減らしてクルマの空力効率を高め(クローズ時)、バッテリーとブレーキシステムを冷却する(オープン時)という2つの役割を担っている。

アクティブエアリップは、高速走行時のダウンフォースを増加させ、ハンドリングと安定性を向上させる。リアには、アクティブリアディフューザーとアクティブリアスポイラーが装備されており、この2つの機能は、リアの安定性を向上させ、”For The Drivers “のハンドリングと安定性を高めている。

エレトレのものよりも100mm 広く、215kg以上のネットダウンフォースを発生するアクティブリアスポイラー。

そのアクティブリアディフューザーはモータースポーツから着想を得たもので、車体下部の空気の流れをスムーズにする効果があり、クルマの空力効率だけでなく、安定性とハンドリングの向上に寄与する。

アクティブデュアルレイヤーリアスポイラーの幅は280mmで、エレトレのものよりも100mm 広く、215kg以上のネットダウンフォースを発生。アクティブリアディフューザーと組み合わされることで、エメヤのドライバーは高速域でも非常に安定したハンドリングを楽しむことができる。

電子制御エアサスペンションシステムは、1 秒間に 1,000回、前方の道路状況を読み取ることで走行シーンに合わせた最適な乗り心地を提供する。

充電能力は、350kWのDC急速充電器に接続した場合、5分の充電で航続距離を150km分充電することができる。

サステナブルなラグジュアリーの新たなビジョンを提供する

エメヤのインテリアは、多くの高級素材で構成され、インテリジェントなコックピットと直感的なインフォテインメントシステムを特徴としている。

ロータスは、ファッションや衣服産業から出る綿くずを再利用した新しい高級糸を使用する世界初の自動車メーカーで、その先進的な繊維は、素材のカーボンフットプリントを削減しながらレザーと比較して軽量であり内張りに利用される。他にも、PVDアルミニウム、アルカンターラ、ウルトラファブリックスPU、ナッパレザーに加え、このような耐久性に優れた高級素材が多用されている。

ラグジュアリー・ライフスタイルが強く意識されていることがわかるインテリア。シートベルトがお洒落である。

エンターテイメントの中心は、世界的に有名なロータスのパートナーであるKEFの車載オーディオシステムで、KEFの受賞歴のある Uni-Q™スピーカーデザインと Uni-Core™省スペースサブウーファーエンクロージャー、さらにドルビー・アトモス対応 3D サラウンドサウンドシステムが組み合わされ、真に没入感のあるサウンドスケープを作り出す。

ついにロータスに「後ろのドア」と「立派なリアシート」がついた!

エメヤは、ロードノイズキャンセレーション(RNC)を内蔵しているため、外界の音に邪魔されることなく最良なサウンドを体験することが可能となっており、車体に設置された振動センサーがタイヤとサスペンションの動きを検知し、アルゴリズムがスピーカーを通して逆位相の音響信号を生成し、あらゆる干渉を打ち消す。その結果、ハイファイで最先端のオーディオ体験が実現する。

「エレトレ」と共通性のあるフロントマスク。

安全機能、運転支援システムは、リアルタイムの道路情報とナビゲーション、先進運転支援システム(ADAS)データを組み合わせ、障害物警告、車線逸脱、前方衝突警告などセーフティ機能を充実させている。

ロータス・エメヤ技術仕様(目標データのみ)

パワートレイン構成ロータス ICC インテリジェント・トルク配分によるフルタイム全輪駆動
電気モーター フロント / リアパーマネントマグネット / パーマネントマグネット
トランスミッション フロント/リアシングルスピード/デュアルスピード
パワー(kW / hp)最大 675kW/905hp
最大トルク(Nm)最大 985Nm
最高速度(mph/km/h)159mph/256km/h
0-62mph / 0-100km/h (秒)2.78
80-120 km/h (秒)< 2.0
バッテリー容量(kWh)102
存命であれば95歳のアンソニー・コーリン・ブルース・チャップマンは何というだろうか。

ロータスが、小型高性能スポーツカー少量生産メーカーから高級ラグジュアリーカーメーカーに変貌を遂げて、市販車第一弾となるSUVタイプの「エレトレ」を発表して世間を驚かせたかと思ったら、さらに今度は「エメヤ」というロータスが一度も手を付けなかった4ドアGTを出すという予想だにしないことをやってきた。多くはエヴァイヤに続く小型スポーツカーを期待していたであろうが、ここは新生ロータスの絶妙なマーケティングの妙で、結果的には正しい選択であったに違いない。高性能BEV市場の一角を早くも占めたと言えるのではないだろうか。

Text:アウトビルトジャパン
Photo:LCI