BMW新時代の幕を開けると期待されるスタディモデル「BMW ヴィジョン ニュークラス(ノイエ クラッセ)」発表 その斬新なコンセプトとは?
2023年9月8日
BMW ヴィジョン ニュークラス:BMWのE-volution。新時代の幕開け: ヴィジョン ノイエ クラッセは期待を打ち破り、それでいて純粋にBMWである。そのスタディモデルに迫る。
鋳鉄のBMWファンの皆さん、しっかりつかまっていてください: BMWブランドの未来を体現するスタディモデル、「ヴィジョン ノイエ クラッセ(Neue Klasse=ニュークラス)」の登場だ。少なくとも「ノイエ クラッセ(Neue Klasse=ニュークラス)」という言葉は、ミュンヘンの企業にとって歴史的に重要な意味を持つ!
1962年に登場した「ノイエ クラッセ(以下、ニュークラス)」は、メーカーの新たな方向性を打ち出し、その後数十年にわたり、BMWのモデルだけでなく、ブランドのイメージを形作ってきた。そして今、この楽観主義の精神は、「ヴィジョン ニュークラス」によって再び呼び起こされようとしている。
電気自動車のスタディモデル
電動サルーンの基本デザインは、CES(ラスベガスで毎年開催されるコンシューマーエレクトロニクスショー)で公表されたスタディモデル「i Vision Dee」でお馴染みだが、この新しいコンセプトカーは、それをより量産車に近づけたものだ。そのサイズ(全長4.70メートル、全高1.41メートル、ホイールベース2.88メートル)は、電動ミッドサイズカーである。2メートルを超える巨大な全幅(2.07メートル)だけが、依然としてコンセプトカーを彷彿とさせる。
ショートオーバーハング、クリーンでビードのないデザイン、ラジエーターグリルと一体化したヘッドライトに、進化したキドニーグリルを備えたシャークノーズフロント – 望むなら、60年代と70年代のデザイン言語を近未来に変換したものを見ることができる。印象的なのは、タッチドアハンドルを備えたダブルウィンドウのラインだ。典型的な習作と言える。
リアも縮小されたデザイン言語
リア: 「ニュークラス」を前方に向かわせるトランク。高い位置に配置されたリアライト。フロント同様、ここでもデザイン言語は縮小され、明確で、ある種のレトロな魅力を備えている。
インテリアにも新しいアイデアが満載
コックピットでまず目につくのは(我々は中には入ることができなかった!)、バケットシートのイエローコード張りだ。まるで1970年代のような雰囲気だ。ダッシュボードからは、数年後のインフォテインメントを垣間見ることができる。将来、インフォテインメントは4つの要素で構成される: まず、運転席側に傾いて手の届く位置にあるセンターモニター。
iDriveコントローラーの次の拡張段階は、マルチファンクションステアリングホイールで操作することだ。最も重要な運転情報は、ドライバー用の3Dヘッドアップディスプレイに表示され、さらなる情報はフロントガラスの下端にある特別な面に投影される、いわゆるパノラマヴィジョンディスプレイである。BMWの量産車にも、わずか2年後には同様のシステムが搭載される予定である。
効率を高める新技術
しかし、最も永続的な変化はアンダーボディにもたらされる: 「ヴィジョン ニュークラス」は、BMWにおける第6世代のe-ドライブを発表するもので、2025年から量産が開始される予定である。コンパクトなe-マシンは効率を40%向上させることになっており、その結果、市販モデルの消費電力は現行の「BMW i4 eDrive40」よりも20%少なくなる予定である。さらに、バッテリーのセル密度を20%向上させ、重量を4分の1(!)に減らし、800ボルト技術によって充電時間を短縮する予定である。
理想的には、「ニュークラス」は航続距離300km分を10分で充電できるはずだ。それだけでは十分でないかのように、新しいバッテリー技術によってコストも削減されるはずだ。エアロダイナミクスの微調整や、特に消費に最適化されたタイヤによる転がり抵抗の低減は言うまでもない。
これらすべての新技術は、2025年の「ニュークラスSUV」の前に、スポーティな電動セダンに搭載&実現される可能性が高い。というのも、BMWの原型こそがここにあるからだ。
結論:
「ヴィジョン ニュークラス」によって、BMWは新たな時代に突入する。この出発は間違いなく勇気あるものだ。それが古くからのBMWファンをも魅了するかどうかは、まだわからない。
Text: Peter R. Fischer
Photo: BMW Group