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【ランキング】ガソリンを大量に消費する車トップ10 リッターあたり5km以下?それが何か?ノープロブレム!!!

2023年7月10日

これらの人気車はガソリンを大量に消費する。現在の燃料価格では、どの車をガレージから出すか慎重に検討する必要がある。ガソリンを大量に消費する車トップ10を紹介しよう!

経済性は美徳だが、経済性などないほうがいい。お気に入りのクルマの燃費を気にしないクルマ好きはそう言うだろう。たしかに、かつてはそういうクルマ好きもいた。特にアメリカでは、100kmあたり40リットル(リッターあたり2.5km!)の燃費はまったく問題ないと考えるドライバーはたくさんいた。

1970年代初頭のガソリン価格(1リットルあたり35セント!)であれば燃費を気にしないというのもわからないでもない。しかし、現在の燃料価格を考慮するとガレージから引っ張り出す車を慎重に選ばざるを得ない。

AUTO BILDのランキングでは、財布やクレジットカードをしっかり握りしめておく必要があるクラシックモデルを紹介する。

ダッジ バイパー:毒蛇は、1992年から2017年まで道路に放たれていた。全モデル中最大のエンジンは、排気量8.4リッター、649馬力のV10エンジンは100kmあたり21.2リットル (リッターあたり4.7km)の燃料を消費する。(Photo:AUTO BILD)
大林晃平: 8.4リッター(現在のメルセデス・ベンツEクラス、E200の5台分(!!)に、「フォルクスワーゲン ゴルフe-TSI」を1台加えると、約8.4リッターの排気量(そう考えると、特にヨーロッパでは小排気量がいつのまにか主流になりましたねぇ)もある、バイパーが5km近い優秀な燃費(?)、というのはたぶんSUVのように重い車重ではなく(初期のバイパーの車重は意外と軽く、1.6トン程度である。エンジンそのものは思い切り重そうだけれど・・・)、空力が良いからだと思う。ただし、アクセルを踏めば当然そんな甘い数値ではなくなるけれど、それはどんな車でも同じこと、である。
ダッジ チャレンジャー: 典型的なアメリカンマッスルカー。排気量7リッターオーバーのV8エンジンは、100kmあたり23.5リットル(リッターあたり4.2km)の燃料を消費する。(Photo: Stellantis)
大林晃平: 最近のダッジ チャレンジャーは燃費がいいですねぇ。リッター4km以上走るんですから。後述する昔のマッスルカーなんて、この数値の半分以下ですよ。2kmとか、そういうのが往時のマッスルカー達の燃費です。でも7リッターもあるんでしょう?現在のフォルクスワーゲン ポロ(999cc)の7台分の排気量でしょう?だったら十分に納得いくでしょう??
ブガッティ ヴェイロン:1200馬力の出力を持つフランス製のハイパーカーは、8リッターエンジンで、100kmあたり、平均24.1リットル(リッターあたり4.1km)の燃料を消費する。街中では?メーカーによれば、市街地では37リットル以上(リッターあたり2.7km)消費される。(Photo:Bugatti)
大林晃平: ヴェイロンの燃費については、乗った人(もちろん所有者ではなく試乗した人)から聞かされたことがあるが、400キロモード(最高速度モード)で走行した場合、リッターあたり1キロを切り、700m程度になるのだそうで、つまりそれは400kmという最高速度の世界は風などの抵抗との戦いで、エネルギーの大半は熱として捨てなくてはいけない、と。時速400kmの世界とはそういうものなのだそうだ。以上、ブガッティ ワンポイント豆知識でした。友人との飲み会の話題にでもお使いください。
ベントレー アルナージ:イギリス車の重量は2.6トン。507馬力のV8が100kmあたり24.2リットル(リッターあたり4.1km)を消費するのも不思議ではない。2010年に最後の1台が製造された。(Photo: CarPlus Automobil GmbH)
大林晃平: 10年前のベントレーが4.1kmは頑張りましたね。でも今のベントレーもそんなもんですよ。街で見かけるようになったベンティガだって都内の渋滞では劣悪な数値だし、もしもベントレーが10km超えたら、すごい!!と驚く数値です。そんなベントレーも12気筒エンジンは来年の4月で生産終了。ベントレーボーイズたちよ、美味しいいものを食べるのは今のうちだ。糖尿病や痛風を気にしている場合じゃありません。12気筒ですよ、12気筒。虎の子のロマネコンティ飲むのなら、今しかないでしょう。美空ひばりなんて、マスクメロン半分に切ってそこにクルバジェ ナポレオンどぼどぼ注いで堪能してたっていうんですから(って、それはなんだか、今回の話題と趣旨が違うが・・・)。
ハマー: H1は最も喉が渇くハマーだ。V8エンジンは100km走行あたり平均24.5リットル(リッターあたり4km)を消費する。(Photo: Wolfgang Blaube)
大林晃平: ハマーの燃費が4km、当たり前だのクラッカーじゃないの?だって軍用車両ですよ。私の記憶では戦車の燃費は2km以下、1kmってものだったはずです。でも国防と燃費が両立すると思います? だからねぇ、カーボンニュートラルだとかSDGsって言葉、インチキで胡散臭い、って思うんですよ、あっしは。うちの戦車はEVだからちょっと手加減してとか、戦力を弱めてまでカーボンニュートラル進めると思います??二枚舌っていうのは、こういうとき使う形容詞なんでしょうかねぇ。
アストンマーティン ラゴンダ: 確かに、アストンマーティンにはもっと美しいモデルがある。ラゴンダはアクセルを踏み込むと100kmあたり26.1リットル(リッターあたり3.8km)を消費する。(Photo: Goetz von Sternenfels)
大林晃平: 個人的に大好きで、ため息の出る存在がこのアストンマーティン ラゴンダ。未来的で街で見かける(と言っても1年に1回もなかったけれど)度に、金縛りにあうような衝撃を覚えた。誰が何と言おうが僕の永遠の憧れの一台。おそらく一生乗ることもないし、座ることもないけれど、あこがれの銀幕の大スターと一夜を共にできないのと同じで、そんなことをああだこうだ言うのは野暮。そしてそんな銀幕の大スターが、水代わりにドンペリニヨンを飲むと聞いたら、かえって嬉しくなってしまう。これはつまりそういうこと。
ダッジ チャージャー:もう1台、ガソリンを浪費する性質を持つ米国の名車。チャージャーの7リッターV8は100km走行あたり27リットル(リッターあたり3.7km)を消費する。(Photo: Dodge)
大林晃平: どのころのチャージャーかがちょっと不明だが、マッスルカー時代であったとしたら、そんなもんだろう。というか、あまりアクセル踏まないで走った結果の数値かもしれない。その頃のマッスルカーはそれこそガソリンタンクに穴が開いているかと思うほどの燃費で、思い切りアクセル踏むとガソリンメーターが下がるのが見えた(本当かよ・・・)と言われたものだ。眉唾ですけどね。
ロールス・ロイス コーニッシュ:重量3トン、排気量7リッター、329馬力のV8が100kmあたり約29リットル(リッターあたり3.4km)の燃料を要求するのも不思議ではない。(Photo: Bonhams)
大林晃平: このころのロールス・ロイスはまあこんなものだろうし、私の記憶ではこの後のシルバースピリットや、そのベントレー版でターボのついたターボRなどはこれ以下だった記憶がある。でもロールス・ロイスを所有している人が燃費なんか気にするだろうか?かつて小林彰太郎氏が、“Richman likes to feel that he is saving money”と、ロールス・ロイス シルバースピリットで軽井沢まで往復しながら記していましたし、実際にはそうなのかもしれないけれど、コーニッシュ乗っている人がガソリン入れ終わったあと、レシートをしみじみ見ながら、今回は燃費悪かったなぁ、なんて言うとはやはり思えないンすけど・・・。蛇足ながら現代のファントムだって、都内で乗れば5km以下は日常数値だろう。
ランボルギーニ カウンタック:70年代に登場したこの軽快なイタリア車は、100km走行あたり33.5リットル(リッターあたり2.9km)の燃料を消費すると言われている。排気量5リッターのV型12気筒エンジンで455馬力を発揮するのだから。(Photo: AUTO BILD)
大林晃平: ランボルギーニ カウンタックがリッター3km以下って、そんなの当たり前じゃん。スーパーカーですよ、スーパーカーの中のスーパーカーですよ、これって。ライバルのBBだって、デトマソ パンテーラだってそんなもんでしょうよ。逆に、3km近くも走るんだなぁ、ランボルギーニって……と妙に感心してしまうし、ランボルギーニ同門の中では、ミウラとかLM002のほうがよっぽど悪そうに思えますけど・・・。
シボレー カマロ:フォード マスタングの対抗モデル。オーナーからの様々な報告によると、排気量7リッターのV8エンジンは、100kmあたり43.5リットル(リッターあたり2.2km!!!)を消費した。遂に生産終了が宣告されてしまったカマロ(一番上の写真は1976年のもの)は、100kmあたり13リットル(リッターあたり7.7km)と、現代版は比較的経済的である。(Photo:GM)
大林晃平: ここではカマロだけがやり玉に挙げられていますが、ファイアーバード トランザムだって、スティーブ マックイーンがサンフランシスコで無茶な運転をしていたマスタングだって、そんなもんだったでしょう?でもそれがどうした?何がいけない?そんなの普通だったし、だれも気にせず毎日ガスステーション詣でしていた時代だろう?で、ガソリン入れ終わったら、ベンチシートに4人で乗って(男子2人、女子2人)ご飯食べに行ったり、モーテル行ったりしていたでしょう?それが楽しい人生ってもんです。ハイブリッド?電気自動車?それがどうした?転がして、上に乗って楽しいのか、それ?

ちなみに、今回紹介した10台中、8台が英米車である。(笑)

大林晃平: 私がシトロエンBXやプジョー405に乗っていた1990年代、そこそこの都会に住んでいることもあってか、燃費は10km以下が普通で、12kmも走った日には、今回は燃費がいいねぇ、なんて思ったものだった。友人のアルファロメオ164もそんなものだったし、メルセデス・ベンツW124の、しかも4気筒モデルの230だって8kmくらいであった。

日本車だって似たり寄ったりで、当時のクラウンやセドリックの(特にターボ)はまあ6km程度もあたりまえだったし、日産がフルレスレストアしたことで有名な伊藤かずえのシーマなんて、5kmを切ることさえあったし、レガシィだって決して燃費は良くなかったものだ。そんな自動車の燃費が劇的に良くなり始めたのは、やはりプリウスの登場あたりからで、効率と燃費という言葉が最優先課題になり始めるのはやはり、ハイブリッドの登場(あるいはレクサスLS400の源流対策の時)以降の話のような気がする。

今のようにフォルクスワーゲン ゴルフがリッター20km走ったり、あまり自動車に乗らないアクアのオーナーのように数か月に1回しかガソリンスタンドに行かないという時代が来るとは、若いころには想像もしていなかった。

もちろん自動車の燃費は良いにこしたことはない。自分のお財布のためにも環境のためにも、ガソリンや軽油の消費が少ないほうがどちらも優しいことは言うまでもないことだ。でもねぇ・・・。極上のステーキを食べながら、「カロリーがねぇ」としみったれてつぶやく同席者がいるディナーや、これ食べちゃうとなぁなどと、カルビの肉を焼きながら、おなかの肉をつまんでぶつぶつ言い放つ友人との飲み会のひと時、あなたは楽しいですか?

たまに美味しいものを思い切り食べて、ああ美味しかった、ああ楽しいひと時だったなぁと満足するひと時の貴重な時間、それこそが人生じゃないですか。だからこそ、今回の10台は憎めないどころか、いつまでも魅力的に輝く10台なのである。

Text: Banca Garloff