長くて広~い「フォルクスワーゲン ID.Buzz」のロングホイールベースバージョン登場
2023年6月20日
「ID.Buzz」のストレッチを実施。発売から1年余り、フォルクスワーゲンはID.Buzzにロングホイールベースバージョンを追加し、同時に電気自動車ブリの米国デビューを祝う。
発売からちょうど1年、VWは「ID.Buzz」にロングバージョンを追加した。「ID.Buzz」のロングバージョンは、全長4.96メートルとなった。ホイールベースも25cm長くなり(3.24m)、オプションの3列目シートのためのスペースが確保されている。
さらに、欧州でのみ販売されるショートバージョンでは、リアウィンドウにアームレストとカップホルダーを装備しており、将来的にはサードシートも用意される予定だ。
一番後ろには2人分のスペースがあるが、2列目は3人掛けのスライド式折りたたみベンチシートか、2つのキャプテンシートのどちらかを選ぶことができる。3列目は使用しないときは、折り畳んだり、完全に取り外したりすることができるようになっている。
最大2,469リットルのトランクルームを持つVW ID.Buzzロングバージョン
トランク容量は、シート構成によって306~2,469リットルの間で変化する。標準の「ID.Buzz」よりも19cmほど広いスライドドアも、乗り降りを容易にしている。
ホイールベースの延長は、ゲストや荷物のためのスペースだけでなく、2つ目の大きなバッテリーを搭載するためのスペースにもなっている。
パワーアップした全輪駆動を初めて実現
同時に、「ID.Buzzロングバージョン」はよりパワフルなエンジンも搭載している。「E-パサートID.7」に搭載された「APP550」は、後輪駆動で286馬力を発揮し、電動ブリにも搭載された。欧州ではこれまで204馬力が最高だった。よりパワフルな電動エンジンにより、「ID.Buzz」の0から時速100kmまでの加速は7.9秒となった。
また、ロングホイールベース仕様には、全輪駆動も用意されている。「ID.4 GTX」や「アウディQ4 e-tron」のような299馬力ではなく、339馬力が推進力を発揮する(0-100km/h加速は6.4秒)。
最高速度は145km/hから160km/hに向上
VWは、より長く、よりパワフルなバズの航続距離をまだ発表していないが、400kmから500kmになると予想されている。寒い時期には、新しいヒートポンプがより高いエネルギー効率を確保する。
重要: 将来的には、充電は200kWで行われ、10%から80%になるまでに25分かかるようになる予定だ。また、最高速度は従来の145km/hから160km/hに引き上げられる予定だ。
さらにヴォルフスブルク社は、154cmという印象的な数字も挙げている。これは3列シートのパノラマルーフの長さであり、グループ全体で最も大きい。ルーフウィンドウは、ボタンひとつでエレクトロクロマチックに暗くすることができるようになっている。
ID.Buzzは将来的にはヘッドアップディスプレイも搭載する
ダッシュボードの中央には12.9インチのインフォテインメントタッチスクリーンがあり、ドライバーは5.3インチのデジタルメーターパネルに目を向ける。ヘッドアップディスプレイは、新たに追加されたものだ。
さらに、「ID.Buzz」は「ID.7」で導入されたハードウェアと、ソフトウェアの改良をすでに受けている。特に、温度と音量の照明付きスライダーと、ディスプレイ上で直接選択できる空調コントロールのボタンが特徴だ。
外からでもボタンひとつで駐車可能
アシスト機能には、さらなる革新がある: 将来的には、「ID.Buzz」は、最大50メートル離れた駐車場まで、自動的に移動することができるようになり、車庫入れも行うことができるようになる。
「ID.Buzzロングバージョン」は、2024年にアメリカでロングホイールベース仕様として限定発売される予定だ。ハノーバーで生産される3列シート車は、いつ(おそらく2023年内)、いくらで発売されるかは、今のところ未定だ。ショートバージョンは、ドイツでは約65,000ユーロ(約975万円)からとなっている。ロングバージョンとなり、電力とエネルギー貯蔵がプラスされれば、価格は70,000ユーロ(約1,050万円)以上になる可能性もあるかもしれない。
電動カリフォルニアのベースとなるID.Buzzロングバージョン
そして。後日、ロングバージョンの価格表には、ショートバージョンにはない、数々の装備が含まれることになる。キーワードは、キャンプだ。
スタンダードなバズが貨物輸送車として並行して活躍する一方で、ロングバージョンは「ID.Buzzカリフォルニア」のベースとなる予定だ。その時、電気自動車であるVWブリは、先代と同じようにクールになっていることだろう。
Text: Michael Gebhardt
Photo: Volkswagen AG