【F1】ホンダ、アストンマーティンからメルセデスを追い出す その実情(裏の事情)とは? でもなにはともあれホンダ、F1復帰おめでとう!
2023年6月7日
ホンダ、アストンマーティンからメルセデスを追い出す。HondaのF1からの撤退宣言の撤回、ならびに2026年からのF1再参戦におけるアストンマーティンへのパワーユニット開発と供給開始。ホンダは2026年にエンジンビルダーとしてF1に復帰し、アストンマーティンのメルセデスに代わって参戦することになる。
朗報。アウディと並んで、ホンダも2026年にF1に復帰することになった。日本勢はすでに新しいエンジンレギュレーションに正式にサインしている。現在、彼らはまだドライブユニットの名付け親としてレッドブルと契約しているが、正式には、エンジンはミルトンキーンズのレッドブル・ハイパフォーマンス・パワートレインズが製造することになる。
そのため、ホンダが2026年からどのチームでモーターレースのトップクラスに復帰するかは明確になっていなかったが、先ごろ、日本勢はアストンマーティンとの今後の協力関係を発表した。
ホンダのCEOである三部俊宏氏は、「私たちが新しい挑戦を受け入れることを決めた主な理由のひとつは、F1が持続可能なレースシリーズになるという願望です」と述べた。これは、CO2(カーボン)ニュートラル達成を目指す同社の計画に沿ったものだ。
不思議なことに、実はホンダは2021年末にF1を去っただけで、すでに2022年の日本GPからネームスポンサーとしてレッドブルに復帰していた。2026年に最高峰クラスが電気含有率50%の新エンジン、e-Fuelsにアップグレードしたとき、日本人は公式エンジンメーカーとして再びフルスロットルで走りたいのだ。
ホンダは2026年にエンジンビルダーとしてF1に復帰する
そして、アストンマーティンもチームオーナーのローレンス・ストロールの本気度を示している。そうなると、シルバーストーンのチームは、ファクトリーチームのステータスを持つことになる。つまり、シャシーとドライブユニットが密接に連携してコーディネートされることになる。それが2014年から2020年までメルセデスを強くし、現在はレッドブルにも適用されている。一方、アストンマーティンは現在、メルセデスの二の舞を演じている – たとえチャンピオンシップの順位が違って見えても、だ。モナコGPを前にして、アストンマーティンはメルセデスを抑えて2位につけている。
そんな中で、フェルナンド・アロンソは物議を醸しそうだ。現在はアストンマーティンに所属するスペイン人だが、かつてマクラーレンのホンダ製パワーユニットをGP2エンジンと呼んだことがある。しかし、このダブルチャンピオンが2026年にまだ在籍しているかどうかは疑問である。その時、彼は45歳になっているからだ。
なお、メルセデス・ベンツがスポーツカーメーカーであるアストンマーティンの少数株を保有しているという事実は、今回の、新しいF1パートナー(Hondaのこと)と組むことに関して、なんら影響を及ぼすことはない。アストンのF1チームは伝統的な自動車メーカーのライセンス名でレースをしているが、カナダ人のローレンス・ストロール(アストンマーティンの大株主でもある)を中心とするコンソーシアム(共同事業体)に独占的に属しているからだ。
レッドブルは?マックス・フェルスタッペンを中心とするワールドチャンピオンチームは、将来的に欧米に狙いを定めている。2026年からは、米国の自動車メーカーであるフォードと組むことになる。ただし、パワーユニットは引き続きミルトン・ケインズで製造される予定だ。
Text: Bianca Garloff
Photo: Aston Martin