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【クルマライフの楽しみ方】クラシックメルセデスの愛好家が集う名門自動車クラブ「MVCJ」春のミーティング

2023年5月21日

MVCJ(Mercedes-Benz Veteranen Club Deutschland,section japan)の春のミーティングが静岡県の葛城北の丸にて行われた。

今回我々はMVCJの八木原名誉会長に同行をお願いして、ミーティングに参加させていただいた。また、八木原名誉会長は現在、車椅子をご利用なので、ヤナセオートシステムズのご協力を仰ぎ、メルセデス・ベンツVクラスをベースにアダプテーション ヴィークル(福祉車両)に仕立てたV220d スポーツ ロングをお借りして、会場に向かった。

クラシックメルセデスに見惚れる

会場の葛城北の丸の駐車場は様々な「タテ目」が集合して、さながらクラシックメルセデスの博物館になっていた。当日は雨模様であったこともあり、セカンドカーで参加したメンバーもいたようで少々残念だったが、パゴダ(W113)をはじめ元祖Sクラスクーペ、W111、W108、W107などなど荘厳な雰囲気に見惚れるばかり。やはりタテ目はいい。

気心知れた仲間たち

春のミーティングはMVCJメンバー半数ほどの参加であったが、山口会長はじめ和気あいあいとした和やかな雰囲気が印象的だった。新入会メンバーの紹介もあり。これからもクラシックメルセデスのエキスパートの集まりとして盛り上がっていくことだろう。そのMVCJは来年設立45周年を迎える。

MVCJは、1972年(W114,115は1976年)までに製造されたメルセデス・ベンツのオーナーズクラブで、八木原名誉会長がドイツのメルセデス・ベンツ本社、メルセデス・ベンツ・ベテラン・クラブ・ドイツ(MVC)を訪れて親交を重ねて、1980年に設立された。来年45周年を迎える伝統あるクラブで、メルセデス・ベンツ公認クラッシックカークラブで最も権威のある、メルセデス・ベンツ・ベテラン・クラブ・ドイツ(MVC)の日本支部である。

ヤナセのアダプテーション ヴィークル(福祉車両)

お借りしたアダプテーション ヴィークル(福祉車両)には、車椅子に乗ったまま乗車できるイタリア製のリフトが装備されていた。最後部に備わるリフトは、大型のスーツケースを横した程度の大きさで、非常にコンパクトだ。パネルを下げると地面とほぼ同じレベルになるため、段差がなく乗り上げも楽。名誉会長は電動車椅子をご利用なので、100キロを超える重量になるが、ぐらついたりすることなく、とても滑らかにリフトアップできたのには正直驚いた。有線リモコンがあるので、一人でリフトを操作して乗り込むこともできる。

ボディ最後部に備わるリフトはイタリアのフィオレラ製。コンパクトだが力強く一切の不安はない。

電動車椅子は仕様によって、公共交通機関を利用できないことがあるため、行動範囲が限られてしまう。八木原名誉会長のようにアクティブな紳士にとっては、もどかしさをお感じのようであったが、Vクラス福祉車両の便利さには感心なさっていた。筆者もVクラスでのロングドライブは初めてであったが、その走行性能の高さには正直驚いた。商用車仕様が基本のVクラスだが、よくよく考えてみれば、相当な重さの荷物を積んで長距離輸送するような使い方をするヨーロッパでは、やわな造りでは通用しないわけで、開口部の大きいボディは明らかに頑丈で、ステアリングの剛性も過剰なくらい高い。リフトを積んでいるのがかえって安定感をもたらすようで、ドライバー、パッセンジャー全員が至極快適なドライブを楽しむことができた。メルセデスにはうるさい八木原名誉会長はVクラスはメルセデスとは言え「コマーシャルバンでしょ?」と皮肉っていらしたが、乗ってすぐに乗り心地の良さに感心なさって「これはおいくらですか?」と興味津々だった。メンバーの皆さんもメルセデスの福祉車両ならお世話になりたいとおっしゃっていた。

非常に滑らかに車椅子を乗車したまま車内に入れることができる。

今回お借りした福祉車両メルセデス・ベンツ V220d スポーツロングは、車両代とリフト、改造費を合わせておおよそ1000万円とのことだが、ヤナセオートシステムズが取り扱う福祉車両は、すべて使用状況などを相談の上、カスタマイズ(改造)するため、商品化されたモデルはない。
ヤナセの福祉車両:https://www.yanase.co.jp/service/adaptation_vehicles/

アダプテーション ヴィークル(福祉車両)仕様のメルセデス・ベンツV220d スポーツロング。

クルマに乗る楽しさは誰もが享受するべきで、クルマはあらゆる条件に対応するべきだ。まずは、このアダプテーション ヴィークル(福祉車両)という便利なクルマがあるということをもっと多くの人に知っていただきたい。

Text&Photo:アウトビルトジャパン