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ベリッシモ! フェラーリ ローマ スパイダー登場 正統派スパイダーの復活

2023年4月28日

フェラーリの中でも特に美しさを誇る「フェラーリ ローマ」にスパイダーが誕生した。フロントエンジン、4座のソフトトップ形式は1969年の365 GTS4以来の54年ぶりとなる。

マラネッロの最新モデル、Ferrari Roma Spider(フェラーリ ローマ スパイダー)が、モロッコのマラケシュのエル・バディ宮殿で行われたエクスクルーシブなイベントで発表された。

フェラーリ カリフォルニア、フェラーリ ポルトフィーノとメタルトップを採用してきたが、フェラーリ ローマではソフトトップが採用された。そのソフトトップは、ファブリックやアクセントのステッチを含め、パーソナライゼーションのオプションが豊富に用意されている。開閉は、他のメタルトップのモデルよりも速く、わずか13.5 秒で開閉し、最高60km/hで走行中にも稼働できる。さらに、極めてコンパクトなため、トランク容量を確保することができている。オープン走行時の快適性を高める、特許取得の新ウィンド・ディフレクターが、リアシートのバックレストに組み込まれており、積極的にオープン走行をしたくなるように設計された。

電動式ファブリック製ソフトトップは、現ラインアップの他のスパイダーモデルに搭載するリトラクタ
ブル・ハードトップと同等の快適性が保たれていて、大型のガラス製リアスクリーンは、ソフトトップのジオメトリーと完全に一体化して後方視界を確保。ファブリックは5層構造で、風切り音やロードノイズを抑え、高速走行時でも静粛性が高い。

最新の素材、技術でハードトップと変わらない性能を実現した。

クローズドボディのローマと変わらぬ走行性能を持つローマ スパイダーのシャシーはローマと共通だが、リア・セクションはフェラーリ ポルトフィーノ Mで採用されたもの、サイドシルはローマ スパイダー専用設計となっている。当然寝かされたフロントシールド、Aピラーは専用のものとなる。

オープン化に伴って、ロングノーズ、ショートキャビンが強調され、フェラーリのフロントエンジンGT の伝統を色濃く反映されている。そして、ローマの特徴であるシンプルなフロントエンドは、まるで1個の金属の塊から削り出されたような印象で、突き出したシャークノーズを形成している。

フェラーリ ローマ スパイダーも他のオープントップフェラーリ同様に優れた走りの興奮とハンドリングの正確性を追求し実現している。サイドスリップ・コントロール(SSC)システムはバージョン6.0 を搭載し、これが車両のビークル・ダイナミクス・システムをすべて統合する。その中でも特筆すべきなのがフェラーリ・ダイナミック・エンハンサー(FDA)で、マネッティーノの「Race」ポジションでのみ作動。FDA は、横方向のダイナミクス制御システムで、制御を必要とする動的状況に合わせて、4 輪すべてのブレーキキャリパーで油圧によるブレーキ圧を素早く調整する。これによって、コーナリングから立ち上がりまで、横方向のダイナミクスの変化が予測しやすくなるので、ドライバーはステアリングやスロットルをよりシンプルかつ直感的に操作できるのだ。マネッティーノはローマと同じく5ポジションで、「Race」モードの導入によって、ハンドリング性能とトラクション性能をいっそう引き出しやすくなっている。フェラーリ・ダイナミック・エンハンサーも稼働するこのモードは、ステアリングを握る楽しさが高まるよう設定されている。

ボディシェルに関しては、リアのデザインに重点的に手が入っている。ルーフを格納してもそのエレガンスが損なわれないよう、ラインを調和させることに成功している。ボディシェルとシャシーのねじり剛性とビーム剛性は、並外れた数値が実現しているが、重量の増加は84kgに留まり、パワーウェイトレシオは 2.5 kg/cv と、高性能 2+スパイダーカテゴリーの頂点を譲らぬ結果になった。オープン化により進歩をもたらした要素は2つ。第1の要素は、一体化したユニークなウィンド・ディフレクターで、これが乗員の快適性を大幅に引き上げている。第2の要素は、リアシートのヘッドレストをトノカバーのデザインと視覚的に一体化したこと。

スパイダーの美しさを手に入れただけでなく、クーペに引けを取らない走行性能、高いボディ剛性を実現したフェラーリ ローマ スパイダーは、究極のフロントエンジン、4座ソフトトップ フェラーリとなった。

Ferrari Roma Spider ‒ 技術諸元
エンジン
タイプ V8 – 90° ツインターボ
総排気量 3855 cc
ボア & ストローク 86.5 mm x 82 mm
最高出力 456 kW(620 cv)/ 5750 – 7500 rpm
最大トルク 760 Nm / 3000 – 5750 rpm
最高許容回転数 7500 rpm
圧縮比 9.45:1
比出力 161 cv/L
サイズ & 重量
全長 4656 mm
全幅 1974 mm
全高 1306 mm
ホイールベース 2670 mm
フロント・トレッド 1652 mm
リア・トレッド 1679 mm
乾燥重量 1556 kg
乾燥パワーウェイトレシオ 2.5 kg/cv
重量配分 48% フロント / 52% リア
燃料タンク容量 80 L
トランク容量 255 L
タイヤ
フロント 245/35 ZR 20 J8.0
リア 285/35 ZR 20 J10.0
ブレーキ
フロント 390 x 34 mm
リア 360 x 32 mm
ランスミッション & ギアボックス
8 速 F1 DCT
電子制御
EPS, VDC, ABS/EBD, F1-TCS, E-Diff3, SSC 6.0, FDE, SCM-E Frs
パフォーマンス
最高速度 > 320 km/h
0-100 km/h 3.4 秒
0-200 km/h 9.7 秒
100-0 km/h 32 m
200-0 km/h 130 m
燃料消費量
ホモロゲーション取得申請中
CO2 排出量
ホモロゲーション取得申請中

Text:アウトビルトジャパン
Photo:フェラーリ・ジャパン