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新型ジープ コンパス ショートインプレッション プラグインハイブリッド仕様のAWDコンパクトSUVが真価を発揮するのは?

2023年4月21日

ジープ コンパス1.3 T4 PHEVを試乗!マカロニウエスタンに出てくるようなジープ。舗装路ではまだ少し調和が取れていないが、全輪駆動がうまく機能するジープ コンパス1.3 T4 PHEVは、オフロードでその真価を発揮する。

いや、写真の風景がセルジオ レオーネの名作に似ていても、ここで「死の歌」を流すわけではない。まあ、少しは流すかもしれないが・・・。新型「ジープ コンパス」はイタリアとアメリカの合作でもあるのだ。その技術は「フィアット500X」に由来し、さらにイタリアで製造されている。そして、両社ともステランティスグループに属している。

全輪駆動の「ジープ」が欲しいなら、プラグインハイブリッドを選ぶしかない。システムパワーは190馬力と240馬力の2種類があり、我々はよりパワフルなバージョンをお勧めする。そして、「コンパス」には前輪を駆動する180馬力の1.3リッターガソリンエンジンと後輪車軸用の60馬力の電動モーターが搭載されている。また、6速トルコンオートマチックと11.4kWhのバッテリーを搭載している。

全輪駆動はうまく機能し、リアアクスルの電動モーターは常にパンチを効かせる。

しかし、道路を走ると、そのすべてが少し調和していないように感じられる。電動モードでは、ジープは静かで素早く走るものの、燃焼エンジンが始動すると、より不快になる。オートマチックは、ノーマルモードでは眠くなり、スポーツモードでは神経質になり、その中間がいいと思う。ステアリングは滑らかで、サスペンションはしなやかにストロークする。

オフロードの走破性はジープならでは

だが、オフロードや困難な条件下では、「ジープ」はその能力を如何なく発揮する。地上高は20.1cm)、深さは40.6cmと、それなりにある。

リアアクスルに電動モーターを搭載した四輪駆動は、もちろん「ラングラー」のような四輪駆動ではない。たとえばロック機能は本物のロックではなく、よりグリップの効く制御プログラムだし、「ローレンジ」もオフロード用の減速ではなく、実際はオートマチックトランスミッションの1速を保持するプログラムである。

フロントのスペースは問題ないが、リアはクラス平均以下だ。

しかし、心配は無用だ。すべてがうまく機能し、あらゆる砂山や雪の吹き溜まりから「コンパス」を救い出すのに十分な性能を持っている。急な斜面などで、慌てる必要はないだろう。リアアクスルの電動モーターは、いつでも作動可能な状態になっている。バッテリーが空になっても、ベルト駆動のスタータージェネレーターが電力を供給してくれるようになっている。

しかし、残念ながら、「ジープ コンパス」も、もはや一握りのお金では買えない。いまや、四輪駆動の「コンパス」は、190馬力が47,250ユーロ(約685万円)から、240馬力が52,750ユーロ(約765万円)からとなっている。

テクニカルデータ&価格: ジープ コンパス 1.3 T4 PHEV
パワーユニット: 4気筒ターボ(180PS)+リア電動モーター(44kW/60PS)、フロント横置き
排気量: 1332cc
システム出力: 177 kW(240PS)
トルク: 270+250Nm(内燃機関 + E)
全長/全幅/全高: 4398/1874/1664mm
地上高: 213 mm
ラゲッジルーム: 420~1230リットル
乾燥重量: 1,860kg
牽引力: 1,250kg
0-100km/h加速: 7.3秒
最高速度: 200km/h
価格: 52.750ユーロ(約765万円)より

結論:
魅力的でないわけではない、この「ジープ コンパス」。確かに完璧ではないが、心地よいサイズ、センスの良いインテリア、そして機能性の高い四輪駆動システムを兼ね備えている。

Text: Dirk Btanke
Photo: Olaf Itrich / AUTO BILD