【初テスト】スバル初のBEV ソルテラに試乗 スバル製電動SUVの性能とドライビングインプレッションをレポート!
2023年2月7日
ソルテラは、スバル初のフル電動自動車だ。喜び勇んでテストに臨んだ我々だが、ソルテラは充電中に何度もフリーズした。
電動兄弟の「トヨタbZ4X」と「スバル ソルテラ」はほぼ同じだが、スバルだけが全輪駆動を標準としている。このクラスではすでに唯一無二の、オフロード志向の電動SUVだ。また、ヒートポンプを標準装備しているので、暖房が貴重なバッテリーの充電量を直接的に奪うことはない。
運転席に座ると、SUVというよりクロスオーバーのような、中途半端な高さに座っていることがわかる。プジョーのようにステアリングの上からメーターを見せるのはヘッドアップディスプレイの代用としての意味もある。
残念なのは、スピードメーターと(視認性の悪い)レンジインジケーターを備えたインストゥルメントパネルが、見にくいことだ。ドライバーが背筋を伸ばして高い位置に座り、ステアリングホイールを大きく下げたときだけ見ることができる。そのため、足の長い人は幸せになることは少ない。先ごろ発表された、上下をフラットにした航空機型のステアバイワイヤーステアリングは、その対策だろう。
後席は背の高い人でも十分なヘッドルームが確保されているが、その代償としてシートが低すぎて、決して快適とは言えない。また、前席の下に足を滑り込ませることはほとんどできない。
しかし、全体的に見ると、スバルはトヨタの「RAV4」より足元が少し大きく、4センチほど平坦であるため、ルーフピラーが適度に細く、リアのニールームも広く、広々とした印象がある。
スバルは、やや細めでハイサイドのタイヤでロールアップし、無塗装のフェンダーで余計な心配をすることなくオフロードを突き進む。荒れた路面での走破性も高く、21cmという地上高は、決してディフェンダーレベルではないが、すでに電動SUVの平均を上回っている。
スバルの代表的なX-MODEボタン
また、このスバルには、泥と雪の走行モードを備えたブランド独自のX-MODEボタンや、ロッカースイッチで2~10km/hの間で微調整できるオフロードクルーズコントロールの「グリップコントロール」が装備されており、操舵するだけでいいのだ。
ランドローバーのオールテレインプログレスコントロールを彷彿とさせるが、よりシンプルで、カメラによる路面認識で速度調整まで行うものではない。しかし、スバルのシステムは、ビギナーでもオフロードで輝かせることもできるのだ。
ステアリングは、このクルマの性格に合わせ、腕力が必要だ。ゆっくりと近づいてくる横溝や石畳の上でも、サスペンションのきめ細かい反応は申し分ない。
充電時間が長い
バッテリーが80パーセントになると、充電パワーはゼロになり、電気は7kW弱しか流れなかった。そのおかげで、残りの20パーセントの充電に相当な時間がかかった。ウォールボックスでも、印象は変わらない。現状、6.6kWで充電する単相の車載充電器のみなので、ドイツのトヨタ自動車によると、より高速な三相の車載充電器を間もなく搭載するそうで、ドイツのスバルも、「ソルテラ」にこの車載充電器を搭載する見込みであるとの返事が返ってきた。
31.4kWh/100kmというテスト消費電力は、さまざまな競合他車を下回るもので、71.4kWhのバッテリーをすぐに使い切ってしまう。250kmというテスト時の航続距離は、通勤には十分だが、旅行には到底使えない。
適切にプログラムされたESP、非の打ち所のないハンドリング、前述した一流のサスペンションの快適性など、ストローマーは運転する喜びを与えてくれるのだが、ちょっと残念なところをあげておこう。
・眠気検知システムが「ドライバーの不注意を検知しました」と意味もなく知らせてくることが多い。
・スバルでは、バッテリー残量が少なくなると、最寄りの充電ステーションまでのルート案内しか行わない。残念なのは、ナビの案内が一部読みにくいことだ。
・牽引車としての電動クロスオーバーの用途は限られており、ブレーキ付きの牽引荷重750kgでは、生ゴミなどを積んだ軽トレーラー程度しか牽引できない。
結論:
このスバルはユニークな存在だ。ある種の悪路走破性を備えた電気自動車は、他ではメルセデスや米国のピックアップサプライヤーからしか入手できないが、いずれもはるかに高価なものだ。ハンドリング、ステアリング、サスペンション、最高だ。しかし、急速充電技術の急先鋒には属さない。
Text & photo: autobild.de