上昇志向へのエントリー: 新型BMW X1がメルセデスGLAに挑戦。BMW X1とメルセデスGLAを比較した。2つの高級SUVのうち、どちらを選ぶか?我々が比較してみた。
「BMW X1」や「メルセデスGLA」は、現在人気の高いSUVの世界に参入している高級車ブランドのラインナップの中では最小の存在だ。2つの貴賓席の座り心地を比較してみた。
「X1」の3代目は、全長4.50m、全幅1.85mとなり、これは初代「X3」とほぼ同じ大きさとなった。そして、2013年にかなりバシッとしたコンパクトSUVとしてスタートした「メルセデスGLA」も、今では全長4.41メートル、全幅1.83メートルとなった。
デザイン面ではBMW X1がより角張ったデザインに
BMWは、新型「X1」をこれまで以上に厳格に、より角張ったデザインにした。大きなグリル、より角張ったホイールアーチ、フラッシュドアハンドル(握りにくい)、印象的なテールライトなど。
試乗車は、専用バンパーやフロントの大型サイドクーリングエアベントなど、Mスポーツパッケージ(3,850ユーロ=約55万円)を装着していた。
メルセデスは流れるようなフォルムにこだわる
メルセデスには、3,558ユーロ(約50万円)で同様のデザインのAMGラインが付属しており、こちらも典型的なエプロン、ダイヤモンドグリル、クロームのトリムエレメントなどを装備している。2020年から作られている現行型「GLA」は、「X1」よりも丸みを帯びた、流れるようなデザインで、すべてがかなり調和している。
BMWは、フロントとリアの幅が若干広く、ヘッドルームも広いので、スペースに関しては優位性がある。「Mスポーツ」の装備であるスポーツシートは、張りがよく、横方向のサポート力が高いのでおすすめだ。
リアは、試乗車の「X1」には、背もたれの角度を調整できる13センチ縦にスライドする分割式リアシート(300ユーロ=約4万円)が付いていて、とても実用的だった。シートは少し短めだが、かなりゆったりと座れる。そして、「xDrive23i」のラゲッジルームは500~1,545リットルの収納が可能となっている。
BMWのハンドリングが悪化した
「X1」には、10.25インチのインストルメントクラスターと10.70インチのセンターディスプレイを合成したカーブドディスプレイや、第8世代のiDriveも搭載されている。これは、ボタンやスイッチの数が少なく、スリムで非常に整然としたコックピットである一方で、操作性が以前に比べて悪くなっていることを意味する。
三日月型のメーターは読みづらく、iDriveコントローラーの欠落は痛恨の極みだ。メニューのナビゲーションは、サブレベルが大きく分岐しているため分かりにくく、またタッチスクリーンも単純に遠すぎる。そこに到達するためには、常に座席から前傾姿勢にならなければならない。一方で良い点は、ボイスコントロールが丁寧に機能し、多くの機能を制御してくれることだ。
メルセデスのMBUXはより構造化されている
これは、メルセデスに搭載された高速でスマートなMBUX(メルセデス・ベンツ ユーザーエキスペリエンス)システムにも言えることだ。「GLA」は10.25インチディスプレイのメーターがとても見やすく、同じく10.25インチであるタッチスクリーンのメニューナビゲーションも、BMWに比べると論理的で構成がよくできている。そして、センターコンソールのタッチパッドも使い勝手が良い。
居住性の面では、やはり「X1」にアドバンテージがあり、それを実感することができる。GLAも風通しは良く、標準装備のフロントシートはシンプルな見た目だが、十分な座り心地を実現している。また、大人もゆったりと座れる柔らかな布張りのリアベンチを採用している。
スライド式リアシートは、ここでは428ユーロ(約6万円)の追加料金がかかるが、試乗車のベンツには備わっていなかった。ラゲッジルームは425~1,420リットルを収納できるが、BMWより少ない。テストの詳細は、以下、フォトギャラリーとともにご覧ください。
テスト: BMW X1とメルセデスGLAを比較してみた
第2位 800満点中547点: メルセデスGLA 250 4MATIC
広さ、快適さを提供する。パワフルなエンジン、食いつきの良いブレーキ、磨き上げられた全体像。
第1位 800満点中556点: BMW X1 xDrive23i
考え抜かれた空間コンセプト、可変性。張りのあるシャシー、経済的なエンジン。操作系に改善の余地あり。
結論:
「BMW X1」と「メルセデスGLA」 – 高級ブランドの最小のSUVは、堅実なパフォーマンスを提供する。広々とした空間、良好な走行性能、そして上質な仕上がり。結局、トランクの大きさ、装備の充実度、エンジンの経済性などで、僅差ながら、新型BMWに軍配が上がった。
Text: Dirk Branke and Mirko Menke
Photo: autobild.de