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スクープ写真 ハードコア911 ポルシェ992 GT3プロトタイプ目撃

2020年4月24日

ポルシェ911/992 GT3(2021年式): 価格、エンジン、ツーリングパッケージ

ポルシェ911 GT3はいつの時代にもハードコアな911だ。新世代になって、いくつかの変更点があるが、そんな決定的な特徴だけは1つだけ頑なに守り続けられている。最新情報!

新型ポルシェ911 GT3は開発の最終段階に入ったようだ。妥協を許さない911の最新世代が発表されるのは、そう遠くないだろう。なぜか? 非常にシンプルだ。
緑の地獄と呼び名とともに世界最高峰のテストコースとしても有名な、ニュルブルクリンクサーキットの北コース、ノルトシュライフェで、プロトタイプとしてのGT3が、すでにカモフラージュなしで高速ラップを繰り返し、実質的なテストをおこなっているからだ。
その画像からは992シリーズの911 GT3で何が変わるのかが見て取れる。

純粋主義者のためのGT3

最も重要なのは、新型GT3のエンジンコンセプトも、従来と同じように高回転型自然吸気エンジンの伝統を忠実に守っていることだ。
992 GT3のリアに搭載されるエンジンがどのようなものかはまだ明らかになっていないが、おそらく718ケイマンGT4(420馬力)に搭載されている新開発の4リッター自然吸気エンジンの、より強力なバージョンだろう。
パフォーマンスの面では、もちろん先代911 GT3のエンジンも侮れない力を備えていて500馬力を後輪に送り込んだ。そしてアッパーバージョンのGT3 RSは520馬力を発揮した。
したがって我々は新型GT3の出力を510馬力と適度に向上させたものになるのではと予想している。この性能は高回転域において発揮され、991.2 GT3では9000回転時にレヴリミットが設定されていた。
パワーは、PDK(デュアルクラッチ式オートマチックトランスミッション)を介して後輪に送られ駆動する。
加えて、純粋主義者たちのためのマニュアルギアボックスが用意されることは、ほぼ間違いなく、このことは大変好ましいことだといえる。
おそらく、大きなリアウイングのない市民的なGT3、「ツーリングパッケージ」も併せて用意されることだろう。

991.2 GT3とは対照的に、新世代ではGT専用のミラーではないようだ。

新型GT3用に新しいスポイラーと大型ディフューザー

空力の話題に移ろう。
GT3プロトタイプを見る限り、エアロダイナミクスはこれまで以上に重要な役割を果たしているようだ。
まず、写真からは、フロントスカートのトンネル状のエアインテークがはっきりと確認でき、先代モデルよりも空気の流れをより正確に誘導しているように見える。
また、エプロンへの移行部分に直接2つの大きな空気口を持つフロントボンネットも新しいものとなっている。
デビューしたばかりの新型911ターボS同様、今後デビューするGT3もおそらく異なるサイズのホイールが採用されているはずだ。フロントアクスルのサイズは20インチ、リアは21インチで、991世代のGTモデルではGT3 RSだけがこれを採用していた。

重心の最適化。カーボンセラミックブレーキシステム(PCCB)のフロントブレーキキャリパーは、プロトタイプのはるか下のほうに取り付けられている。

プロトタイプのホイールは、旧型GT3よりも角張ったデザインとなっているが、レーシングセンターロックシステムは変わらない。
かなり変わった形状のリアウイングもレーシングな雰囲気を醸し出している。
2本のアームのように、マウンティングはスポイラーを自由に下に垂れ下がるように保持しており、改良された形では、アタッチメントはレーシング911 RSRのそれに似ている。そしてその下には、GT3のティアオフグエッジが追加されている。
997シリーズ以降、クラシックGT3には、2本のテールパイプを中央に備えた排気システムが採用され続けている。
新型GT3のディフューザーは大幅に拡大された。991.2ではほとんど見えなかったが、今ではリアエプロンにまで大きく伸びている。

新しいスポイラーは、911 RSRをベースにした、慣れるのに少し時間が必要な形状となっている。

市場投入は2021年

ビジネスに関しては、まだ謎が多いが、現時点ではわれわれはベース価格を16万ユーロ(約1900万円)と想定している。もちろん数々のオプション抜きの価格ではあるが。
市場導入は2021年以前には行われそうにないが、運が良ければ新型GT3のワールドプレミアは2020年内に行われるだろう。

Text: Peter R. Fischer
Photo: © S. Baldauf/SB-Medien