【ひねもすのたりワゴン生活】ちょいとひねくれ。軽井沢の秋物語 その1
2022年10月30日
寒くなると避暑地が恋しくなる
しばらく、おやすみをいただいてしまいました。昨年の5月以来、Eクラスのステーションワゴンをパートナーにした日々の暮らしを思いつくまま綴っておりましたが、楽しみにしてくださった方もいらっしゃるようで、いつ再開するのか?というお問い合わせもいただいたとのこと…。この場を借りてお詫び、並びに深く御礼申し上げます。
というわけで、久しぶりのひねもすのたり~ですが、おやすみの間も相変わらず、ワゴンを相方に果樹園の真似事をしたり、旅に出たり、釣りをしたり、キャンプを楽しんだり…と、ぐうたらな日々を送っていました。再び、とりとめのない話を綴らせていただきますが、以前より連載の間隔は少し伸びてしまうかもしれません。よろしかったら、お付き合いをお願いいたします。
都内でもウールのセーターを羽織るようになると、恋しくなる場所がある。軽井沢だ。避暑地としてあまりにも有名な土地だから、ちょっとひねくれて聞こえるかもしれないが、仕事を除けば夏の軽井沢に足を踏み入れたことがない。理由は簡単で、夏は避暑の客で混雑がひどいし、宿泊施設も含めて滞在費用が飛び上がる。別荘族ならいざ知らず、ぐうたらで、懐も心もとない生粋のよそ者である私には優しくない。お気に入りのカフェは長蛇の列…駐車場は満車で、ホテルのロビーもお祭り騒ぎ。裏の細道で散歩を楽しもうとすれば、表通りの渋滞を避けたクルマがどんどん入ってくる。何か買い物に出かけても、店員とゆっくり話を交わすなんて夢のまた夢だ。つまり、ストレスが溜まりっぱなし(笑)。
高原の涼風は魅力だけれど、とにかく静かにのんびり、マイペースで過ごしたいのである。まぁ、そんな細々したことでイライラするようでは、リゾートライフを楽しむ資格なんてないのかもしれない…。
さて、夏休みが過ぎ、涼しさが寒さに移っていくと、風で舞う落ち葉が目につくようになる。週末の表参道のようだった通りにも、静けさが戻ってきて、日が陰り始めると薄手のダウンくらいはほしくなる。
こうして、喧噪が去り、街が穏やかになると、心なしか雰囲気もシックになって居心地がよくなってくるが、あまり先延ばしもしたくない。寒いのがめっぽう苦手なので、軽井沢の冬はちょいとハードルが高いのだ。このあたりではあまり雪を見ない…と聞いたが、少なくともタイヤチェーンを忍ばせておかなければならないような季節には出かけたことがないのだった。
Text&Photo:三浦 修
【筆者の紹介】
三浦 修
BXやXMのワゴンを乗り継いで、現在はEクラスのワゴンをパートナーに、晴耕雨読なぐうたら生活。月刊誌編集長を経て、編集執筆や企画で糊口をしのぐ典型的活字中毒者。
【ひねもすのたりワゴン生活】
旅、キャンプ、釣り、果樹園…相棒のステーションワゴンとのんびり暮らすあれやこれやを綴ったエッセイ。