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走行距離たった135kmのカウンタック25周年記念モデル発見! さてお値段は?

2020年4月19日

誕生から30年経った今も新品同様のランボルギーニ カウンタック25thアニバーサリーモデル

ランボルギーニ カウンタック25周年記念モデルは、世界でも最も有名なスーパーカーの最後の、そして最もパワフルなシリーズだった。
そして今、ほぼ新品のカウンタック25thアニバーサリーモデルがモントリオールで販売されている。

アメリカの法律で必要な「5マイルバンパー」がスタイルを大幅に犠牲にしてしまってはいるが、全体の光沢などは、本当に素晴らしい程度の良さ。ワイパーブレードも多分新品のまま(でも、ゴムが劣化しているはずなので、動かさない方が賢明)。

1971年のジュネーブモーターショーに、マルチェロ・ガンディーニがデザインしたランボルギーニ カウンタックのスタディモデルが展示されたとき、その高さわずか1.07メートルのフラットでエッジの立ったモデルは、宇宙船のように見えたに違いない。
現在でもカウンタックは、歴代のカーデザインの中で最も過激なもののひとつである。
カウンタックにとって、1988年から1990年にかけての最後の進化は、1963年に設立された「アウトモビリランボルギーニ社」の創立25周年を記念したアニバーサリーモデル「25thアニバーサリー」と呼ばれるモデルだった。
その生産台数はわずか657台。
今、モントリオールでは、オドメーターの走行距離が135kmしかない、ほぼ新品のカウンタックが514,000ユーロ(約6,100万円)で販売されている(意外と安い、と思われる方が多いような値段だ)。

巻き戻しではなく、正真正銘の135㎞

455馬力の最強カウンタック

内装は納車時の保護ビニールでカバーされたままだ。
ブラックのカウンタックはマニュアルギアボックスを備え、アメリカの法律で義務付けられている、かなりスタイリングを台無しにするフロントバンパーが装着されている。
その5.2リッターV12エンジンは455馬力を発揮し、わずか4.9秒で100km/hまで加速し、最高速度は295km/hに達する。
外から見てチェックしても、まるで工場から出てきたばかりの新品同様の完璧な外観を備えている。
淡い色のレザーで表装されたインテリアにも、納車時の保護フィルムが貼られたまま残っている。

だが、一つだけ確かなことは、このカウンタックを再び走らせるためにはかなりの費用がかかるということだ。なぜなら、距離がすくないことは事実だが、自動車は動かさなかったことも決して良い保存方法ではないし、年月で劣化する部分(特に、ゴムやプラスチックパーツ)はどうやってもそのコンディションを最初のままには保つことはできないからである。
まあおそらく新しいオーナーとなる人も、「博物館状態のまま」、ほとんど動かさないのではないだろうか。
野生の雄牛はきっと道路に出たがっているはずだから、それは残念なことではある。

インテリアは納品前の保護ビニールでカバーされたままだ。ステアリングホイールにも、もちろん「てかり」なし。

514.000ユーロ(約6,100万円)は、妥当な価格だ

「25周年記念」エディションは、カウンタックLP5000Sクアトロヴァルヴォーレ(略称:LP5000S QV)をベースに作られたモデルだ。
エンジン性能は変わらないが、リアライトは設計しなおされ、エアインテーク付きの新しいホイールカバーとサイドエアインテーク付きの変更されたフロントスポイラーが備わっている。
クラシック データ(Classic Data)によれば、カウンタック「25周年記念」エディションは、現在、レベル2の個体は275,000 ユーロ(約3,300万円)、レベル3の個体は200,000ユーロ(約2,400万円)で取引されているとのこと。
提供されたランボは、ほぼ2倍の高価な514,000ユーロ(約6,100万円)であるが、このユニークな新品同様のコンディションでは、適切な価格と言えるだろうし、昨今の1億円をはるかに超え、狂乱ともいえるスーパースポーツカーの価格を考えれば、意外と安いと感じる人も多いのではないだろうか。

リヤのコンビネーションリアランプは、「25周年記念エディション」に合わせてデザインが一新されている。
やはり無粋な形状のフロントバンパーが残念
フェンダーマーカーもアメリカでの法規をクリアするために必要だったとはいえ、やはり無粋な形状だ。
ジェット戦闘機のようなリアウイング。ルーバーなどもやはりちょっとやりすぎで、初期のモデル、つまりガンディーニオリジナルの美しさは、大幅に失われてしまっている。

Text: Matthias Techau
Photo: Lamborghini Montréal