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【名車物語 その2】伝説のF1レーサーの名を冠したマクラーレン製スーパーカー マクラーレン セナ 真の名車 伝説の1台

2022年7月22日

史上最速のモニュメント。マクラーレンは、エクストリームセナによって、最も有名なF1レーシングドライバーの一人であるアイルトン セナにふさわしいモニュメントを作り上げた。一番の問題は、公道走行の登録だった。

サーキットでのラップが本当に待ち遠しかったのは、このクルマが初めてだった。それを体感できるまで、2年という時間がかかった。2018年の走行会では、ザクセンリンクサーキットでのファストラップを否定されたのだった。

そして、その後、「マンタイレーシング911 GT2 RS MR」が、ザクセンリンクサーキットでのラップレコードを更新し、その噂はマクラーレンの本拠地である英ウォーキングまで伝わったようだ。突然、イギリス人がザクセンリンクサーキットでのジェットコースターのベストタイムを更新するために燃えてきたのだ。そして、すべてがあっという間に進み、2020年の晩夏には、マシン、チーム、そして数セットのタイヤが、ホームコースのピットに収まっていた。

市販車としては異例の時速250kmで800kgのダウンフォースを発生させる。ポルシェ911 GT2 RSの2倍(!)だ。

「セナ」という、伝説の名を持つ”飛行機”は、我々がこれまで運転し、テストした中で最も過激なものだ。800馬力、800ニュートンメーター、0-200加速6.8秒、1.7kg/馬力のパワーウェイトレシオ、ダウンフォースとエアロダイナミクスを徹底的に追求したボディ、可動式のリアウイング、ヘッドライナーに組み込まれたわずかなスイッチ、必要最低限の機能に絞り込んだ空間、バケットシートと悪癖のようにタイトなシート、公認というコルセットを無理やり装着した本物のレーシングカー、それがこの車である。

セナで再びすべてが変わる

2020年の記録挑戦に話を戻すと、この日はいつもより少し敬意を払い、どこか気持ち悪さを感じながら始まった。もちろん、「マンタイレーシング911」の1分25秒30は、簡単に出せるラップではない。しかし、「マクラーレン セナ」によるタイムアタックは今までにないコーナリングスピードとともに、素晴らしいラップだった。

特にセナ用に仕立て上げられたピレリは、フロントが狭すぎる。靴底の幅が広ければ、さらに速くなるはずだ。

しかし、「セナ」ではすべてが違っていた。「911」では「911」のように座るが、このマクラーレンでは半メートルは低い位置に座っているように感じ、コックピットはレーシングカーのようにドライバーを囲むように作られている。

記録は形式的なもの

そして、イギリス車がピレリのウォームアップを終え、エンジニアが「オーケー」の指を立てたとき、テストを任された私はいつも以上にベルトを締め付け、頭と腕に力を込めた。この20年間、ザクセンリンクサーキットで700台以上のクルマを走らせたが、「セナ」ほど苦労したラップはない。

巨大なウイングと怒れるフロントを持つデザインは、スポーツカーというよりスターファイターを思わせる。

遠心力が極端にかかるので、ヘルメットは重くなり、上腕はポパイ級に膨れ上がる。脳も、この獣がやっていることをカーブで処理するのは難しい。結局、レコードは形だけで、シナリオは現在でもユニークなものだ。

テクニカルデータ&価格: マクラーレン セナ
エンジン: V8、ツインターボ、ミッドリア横置き
排気量: 3994cc
最高出力: 800PS@7250rpm
最大トルク: 800Nm@5500~6700rpm
駆動方式: 後輪駆動、7速デュアルクラッチ
全長/全幅/全高さ: 4744/1958/1229mm
乾燥重量: 1,354kg
0-100 km/h加速: 2.8秒
0-300 km/h加速: 17.5秒
最高速度: 340km/h
価格: 922,050ユーロ(約1億3千万円=2020年当時)

結論:
ラディカル(過激)でブルート(獰猛)、コーナーをストレートに曲がり、ノンストップでフラッシュを浴びせる、これこそマクラーレンの「セナ」の名にふさわしい。しかしロードカーでF1に近づくことはできない。

Text: Guido Naumann
Photo: McLaren