【ニューテクノロジー】クルマの世界にもヴィーガン時代到来? コンチネンタルの目指す持続可能性 ベノバ エコプロジェクトとは?
2022年7月3日
コンチネンタル社の「べノヴァ エコプロジェクト」は、インテリアをヴィーガンにする。世界的な環境意識の高まりから、車の内装に使われる革(レザー)はますます疑問視されているようだ。サプライヤーであるコンチネンタル社は、この代替案を開発した。
自動車の世界にもヴィーガン時代到来
コンチネンタルは、自動車の内装に装着できる新しい素材「べノヴァ エコプロテクト(Benova Eco Protect)」を開発した。このプラスチックは、自動車の内装をより持続可能なものにし、耐久性や快適性の面でも革に引けを取らないと言われている。このようにして、コンチネンタルは、自動車購入者の間で高まっている動物性物質を含まない持続可能(サスティナビリティ)な自動車への関心に応えているのだ。
インテリアデザインの新しい選択肢
厚みは0.9~4.3mmで、素材は繊維、ポリウレタンフォーム、サンドイッチフォーム、スペーサーファブリックなどだ。適切な基材の選択とインテリジェントな設計により、120°C以上の持続的な熱でもプラスチックにダメージを与えることはなくなっている。また、その特性から、洗練された表面に鮮やかな色を使用することで、インテリアデザインの新たな可能性をも提供する。
生産面でもサスティナビリティを実現
また、「べノヴァ エコプロテクト」プラスチックは、約20%の重量メリットを提供し、省資源な製造プロセスにより、自動車のエコバランスにも積極的に貢献する。例えば、乾燥工程では、溶媒を蒸発させない。「べノヴァ エコプロテクト」は、ドイツで生産され、市場に投入される予定だ。しかし、近い将来、コンチネンタルの米国拠点であるウィンチェスター/バージニアにさらなる生産能力を設ける予定でもある。
コンチネンタルの研究部門責任者であるガブリエレ ヴィットマンは、「べノヴァ エコプロジェクトは、持続可能な自動車内装の実現に向けて、製品開発における重要なマイルストーンです」と強調し、「重要成分、可塑剤、溶媒を常に排除しているため、特に排出ガスや臭気が少なく、製品のカーボンフットプリントも低く抑えられています」と述べている。これまた、非常に興味深く、楽しみなプロジェクトだ。続報をお楽しみに。
Text: Patrick Solberg
Photo: Continental AG