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【アップデート情報&テスト】これ日本に入ってこないのかな? 結構人気出ると思うけどなあ フォード マスタング マッハE

2022年5月18日

最高出力487馬力のマスタングSUV「マッハE」。フォード マスタング マッハEは、カルト的な人気を誇るポニーカーの名前のついた電気自動車のSUVだ。インテリアはテスラを彷彿とさせる。価格や走行に関する全情報 – そしてテスト!

発表と価格:マッハEが若干高くなった(アップデート情報!)

マスタングが電気駆動のSUVになる? それは、カルト的なスポーツカーを愛するすべてのファンにとっては悪夢のような話だ。しかし、フォードはとにかくやってのけた。その結果、アメリカのカルトスポーツカーをイメージした電気自動車のSUV、「マスタング マッハE」が誕生したのだ。後輪駆動と全輪駆動の2種類から選択でき、バッテリーサイズも2種類から選択できる。また、487馬力を発揮するスポーティなGTバージョンも計画されている。

つい最近、フォードが電気自動車の「マスタング」を少し値上げした。76kWhバッテリーと後輪駆動のベースモデルは5,000ユーロ(約70万円)高くなり、現在56,500ユーロ(約780万円)から、99kWhバッテリーと全輪駆動のトップモデルGTは最低でも77,200ユーロ(約1,065万円)からとなっている。

デザインとサイズ: マスタングを意識したデザイン

「マスタング マッハE」は、「マスタング」に敬意を表し、単に車高を上げ、e-driveを搭載するのではなく、マスタングらしい特徴を活かしたSUVに仕上がっている。典型的なカーブを描き、やや下向きにカーブしたボンネット、3本のバーを持つライトシグネチャー、そして従来車ではグリルを収める細長いトリムエレメントなど、すべてが「マスタング」らしさを表している。

窓の形状は、クラシックスポーツカー「マスタング」を引用している。テールランプももちろん昔のデザインを意識した形。

「マスタング」の伝統的なウィンドウラインとクーペのように傾斜したルーフを視覚的に表現しつつ、リアベンチのスペースを狭めないために、赤と黒の2トーン塗装でクーペらしさを演出し、同時に車の大きさを目立たなくする視覚トリックが採用されている。

「マスタング」らしいマッスル感と3Dテールランプも3本バーデザインで、マッスルカーからの借用は側面とリアに続いている。

一見すると非常に堂々としているが、実は「マッハE」はスポーツカーよりも全長、全幅ともに小さいのだ。全長は4.71メートルと8センチ短くなり、全幅は1.88メートルと3センチ小さくなっている。一方、高さは1.62メートルで、これはマスタングより20センチも高い。

サイズ一覧:
• 全長: 4713mm(GTは4743mm)。
• 全幅: 1881mm
• 全高: 1624mm(GTは1613mm)
• ホイールベース: 2984mm
• トランク容量: 402~1420リットル、フロント81リットル

インテリア: テスラを彷彿とさせる巨大なセンターディスプレイ

SUVのマスタングのインテリアを見ると、ドアを開けた瞬間にまず驚かされる。このSUVには従来のハンドルがなく、ボタンを押すと車のドアが開くようになっている。また、運転席のドアには、数字が書かれたタッチフィールドが点灯し、キーを持ちたくない人はコードを入力することで車の施錠・解錠が可能となっている。

コックピットでは、まず、テスラのような15.5インチの高精細ディスプレイが目に飛び込んでくる。タッチディスプレイでラジオやエアコン、フランク(フロントトランク)、さらには走行モードまで操作できるのは、まさにテスラを彷彿とさせる。ディスプレイの中央下にあるロータリースイッチで音量を調節する。そして、運転中でも画面内の道順がわかる「アンカー」の役割を果たすようになっている。

テスラを連想させる15.5インチの縦長ディスプレイは、ボタンのほとんどを置き換えている。

システムのレスポンスは早く、操作も直感的だ。一般的な「マスタング」のステアリングホイール裏には、横長の細いデジタルスピードメーターがあり、充電量や速度などが表示される。ライト、パワーウィンドウ、パーキングブレーキは従来通りボタンで操作し、運転レベルはロータリーコントロールで選択する。

後席では、特に足元の広さに驚かされる。十分すぎるほどのスペースが確保されている。パノラミックルーフからの採光は、「マッハE」のエクステリアからは想像できないほど開放的なものだ。

エンジンがフロントにない分、フロントに81リッターのラゲッジルーム、いわゆる「フランク」のスペースが確保されている。「マスタング マッハE」の収納部は、小型SUV「プーマ」のトランク同様、プラスチック製で、排水口により水洗いも可能となっている。

リアにある通常のトランクは402リットルだ。後席を倒せば、フラットな荷室が得られるだけでなく、1,420リットルの荷室が確保できる。

ドライブ: マスタング マッハEでたくさんの楽しみを味わう

4.71mの車体で後席が驚くほどリラックスできる一方、前席はまるで映画館のような雰囲気だ。ここでは、15.5インチの巨大なモニターが視界を独占している。これは、フォードの第4世代の「Sync」システムの操作に使用され、「無線」アップデートで印象づけるとされている。一方、ステアリングの後ろにある10.2インチのインストルメントパネルは、ほとんどシンプルなものだ。

487馬力のトップモデルは、ちょっとしたジェット機のような感覚の走りだ。

欧州市場向けに、フォードのエンジニアは再びシャシーとステアリングを研ぎ澄まし、その成果を発揮している。後輪駆動でも全輪駆動でも、ドライビングプログラムに応じて後輪軸に十分なパワーを供給し、生き生きとしたテールスイングやにっこりとした表情などを実現する。

結論:
フォードはビッグネームに恩義を感じ、「マスタング マッハE」に高速走行時の長い鎖を与えている。日常的な運転では、何よりも広々とした空間と航続距離の長さに納得がいく。
AUTO BILDテストスコア: 2

比較テスト: 電気自動車マスタングとメルセデスEQCの比較は?

テストでは、「マッハE」はすでに電動マスタングの楽しさを証明している。「マッハE」がカルトなポニーカーを意識しているのに対し、メルセデスは明らかに「GLC」の燃焼エンジンモデルを意識している。

高価な楽しみ: テスト車の構成では、フォードマスタングマッハEは63,700ユーロ(約880万円)、メルセデスEQCは73,209ユーロ(約1,010万円)のコストだった。

インテリアでは、「マスタング マッハE」はアメリカ流を貫き、ピュアですっきりしたコックピットでテスラを手本にしたかのようだ。全体的に暗いメルセデスに比べて、小さなリアウィンドウが全周囲の視界を制限しているため、明るく光があふれているように見える。しかし、その印象は欺瞞的で、2列目ではヤンキーの方が、数ミリスペースが小さくなっている。そして、特にソフトシートなど、全体的な質感の印象で明らかに遅れをとっている。この章では明らかにメルセデスが勝っている。

移動中はマッハEに軍配が上がる
57馬力の出力差にもかかわらず、「マスタング」は、常にメルセデスよりも生き生きとしたスポーティな印象を与える。300kgを超える重量のアドバンテージは、おそらく全く無関係ではないだろう。ステアリングは中間位置で少し神経質すぎる。フォードの方が普通に上手い。サスペンションは驚くほど柔らかい。従来のシャシーを持つメルセデスは、あまりスムーズではない。

減速はメルセデスの方が悪い。100km/h時から完全停止まで38.2mというのは、値としては劣っている。「マスタング」に比べて、「EQC」の燃費が悪いのは、やはり重量が大きいからだろう。

結論:
車体が重く、あらゆる副作用があるにもかかわらず、「EQC」は自分の力を発揮することができる。高い快適性と優れた接続性で勝利を手にする。「マッハE」が持つクラシックな「マスタング」のイメージから脱却した人には、刺激的で自立したE-SUVが見えてくるはずだ。品質や騒音の快適性には若干の欠陥があるものの、本物の代替品だ。

【ABJのコメント】
「マスタング」が電動SUVになる! そんなニュースを聞いた時には、なんとも複雑で、おいおいそりゃあないだろう、と思ったものだった。世の中にはそういう人が多かったらしく、同じような意見のレポートを見かけたこともある。それがいよいよ形になって出てきたわけだが、出てきた車は・・・、悪くはないじゃん、これ、というのが個人的な感想だった。たしかにあの2ドアクーペの「マスタング」とは別物ではあるが、「マスタング」という名前が残ったことや、その内容を見てみると、これはこれで訴求ポイントをなかなか心得ているのではないかという部分も多い。

今回は「メルセデスベンツEQC」との比較ということで、惜しくも2点差(たった2点!)で2位になってしまってはいるけれど、もしアメリカに住んでいたのならば、僕は「マスタング」のほうを選びたい。きっと価格も「マスタング」のほうが安いだろうし、なによりも「マスタング」というネーミングも、あの馬のマークもきっと多くの人に理解と歓迎をされるだろうから。日本にも導入したらなかなかいいだろうなぁ、と2016年に日本市場から撤退してしまったフォードのことを残念に思う。(KO)

比較テストデータ:

  • 1位:メルセデスEQC(800点満点中535点)
  • 2位:フォード マスタング マッハE(800点満点中533点)
モデル フォード マスタング マッハE メルセデスEQC 400 4MATIC
エンジン 電動モーター 電動モーター
最高出力 258kW(351PS) 300kW(408PS)
最大トルク 580Nm 765Nm
最高速度 180km/h 180km/h
駆動方式 全輪駆動 全輪駆動
航続距離 540km 417km
トランク容量 322~1420リットル 500~1460リットル
0-50km/h加速 2.4秒 2.0秒
0-100km/h加速 5.9秒 4.9秒
0-130km/h加速 9.4秒 8.3秒
0-160km/h加速 15.5秒 13.6秒
60-100km/h加速 2.9秒 2.5秒
80-120km/h加速 3.9秒 3.5秒
全長/全幅/全高 4713/1881mm/1624mm 4762/1884/1624mm
ホイールベース 2984mm 2873mm
乾燥重量 2,194kg 2,510kg

コネクティビティ: 学習機能を備えた新インフォテインメント

「マスタング マッハE」には、他のフォード車にも順次導入される新しいインフォテイメント「Sync 4」が採用されていて、15.5インチの縦長ディスプレイを中心に、特徴的な回転式コントロールを搭載している。ほぼすべての機能をディスプレイで操作することができるようになっている。また、航続距離を算出する際には、ナビゲーションデータやその他の情報(道路状況、外気温など)に加えて、それぞれの運転スタイルを含めるなど、適応的なシステムを想定している。

マッハEはクラシックなスピードメーターの代わりにワイドディスプレイを採用している。

また、スマートフォンと密接にネットワークされており、キーとして機能するだけでなく、それぞれのドライバーの個別設定をクルマに送信することも可能だ。Amazon Alexaによる音声操作で、自宅からナビゲーションの目的地をデバイス経由でクルマに送ることも可能だ。サービスやアップグレード(ドライビングモードの追加など)のためのワイヤレスアップデートは、新しいSyncシステムの一部だ。また、車は常にオンラインであり、WLANホットスポットも提供する。

エンジン、バッテリー、航続距離: マッハEで最大487馬力

「マスタング マッハE」のベースモデルは後輪駆動で、198kW(269馬力)および430Nmのトルクを1基の電動モーターで発生させる。ここでは、76kWhのバッテリーで駆動を賄っている。航続距離は、最大440kmとされている。99kWhの大型バッテリーパックを搭載することで、リアアクセルへの出力がさらに向上し、これにより、航続距離は最大610kmに伸び、出力も216kW(294馬力)にアップする。

全輪駆動車には前車軸に2基目のモーターが搭載され、最大出力258kW(351馬力)、最大トルク580Nmを発揮する。ここでは、99kWhのバッテリーから540kmの航続距離を刻んでいる。

ベーシックな四輪車は、より小型のバッテリーを使用し、スロットル出力は198kW(269馬力)となっている。「マスタング マッハE」に「GT」のサフィックスを付けたトップバージョンは、487馬力と860Nmを発揮する。しかし、強大なエンジンパワーにもかかわらず、最高速度は200km/hと控えめだ。「マッハE GT」は、0から100km/hまでの加速が3.7秒となっている。

「マスタング マッハE」では急速充電も可能で、最大充電出力は150kWだ。大容量バッテリーの場合、10%から80%まで45分、小容量バッテリーの場合は38分で充電できるようになっている。

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