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【初テスト】ベントレーの高級高性能SUV 新型ベントレー ベンテイガSに初試乗 そのドライビングインプレッション!

2022年5月5日

Sとして、ベンテイガは最高の状態だ。新しいスポーツ精神を持つベントレー ベンテイガSは、賢いハイブリッドと制御不能なパワーとスピードの中間に位置するハッピーミディアムだ。

早や6年。2016年に発表された「ベントレー ベンテイガ」は、生産開始から6年目を迎えた。昨年のフルリニューアルを経て、ベントレーは今年、「ベンテイガ」のトップモデルを市場投入した。この新型「ベンテイガS」は、明らかにスポーティな外観をしている。22インチの大径ホイール、大型リアスポイラー、ダークカラーのヘッドライト&テールライト、ブラックのエクステリアミラー、バンパートリムなどなど、スポーティなディテールによって、とにかく控えめではないその存在感を印象的に下支えしている。

22インチの巨大な鎌形ホイールは鏡面仕上げで、左右同じ方向に回転するように映る。

インテリアでは、セレクターレバー、ドアパネル、ダッシュボード、そしてもちろんシートにもアルカンターラが多用され、スポーティな主張を強調している。そして、忘れっぽい人のために、ダッシュボードに「S」の文字が刻まれている。

新型スポーツエグゾーストを搭載したベンテイガS

V8エンジンはほとんど変わっていない。4リッターエンジンは、ツインターボにより最高出力550馬力、最大トルク770ニュートンメートルを発生する。7人乗りも可能なこのフルサイズSUVの0から100km/hまでのスプリントタイムは、わずか4.5秒だ。そして、290km/hという最高速度も、高速スポーツカーの域である。

全体に印象的だが、決して新しいものではない。V8モデルが同じ値を達成しているのだ。新しいのは、スポーツエグゾーストによるフルサウンドで、「ベンテイガS」が8気筒の歌を全編にわたって歌い上げることだ。エアサスペンションには、ベントレーのダイナミックライドシステムが標準装備されている。「ベンテイガ」の高い重心に対応するロールスタビライゼーションシステムだ。

岩塊のようなクルマ。Sが動く手際の良さは、見た目にはわからない。

48ボルトのシステムにより、770Nmのトルクが0.3秒以内に横方向の傾斜力に対抗することができるようになっている。そのため、その存在を感じさせないほど、完璧な仕上がりとなっている。多くのイノベーションの結果だ。

新しいスポーツモードによって制御され、「S」はより力強く作動し、ステアリングはより強く、よりダイレクトに作動し、シャシーは15%強化されている。また、内側の後輪にわずかにブレーキをかけるトルクベクタリングシステムにより、ハンドリングがさらに最適化されている。

2.4トンの重さにもかかわらず軽さを実現

今回も、厚さ2.4トンの大型船は、物理法則を一切無視したかのような軽快な操縦が印象的だ。重量と高い構造による走行抵抗は、馬力とトルクの軍団でシンプルに克服する。そんなパワーSUVのセンスは議論の余地があるが、非常に高い動力性能を簡単に発揮する魅力には感嘆するばかりだ。

ハンティングロッジからフィットネススタジオまで。Sは、ウッドを使わずとも、果敢に独自の道を歩んでいる。もちろんいかようにも変更可能。

価格表の長い数字を見て、多くの人は概ねため息をつくだろう。「S」も例外ではない。ベース価格は229,900ユーロ(約3,130万円)で、ベーシックなV8よりさらに29,100ユーロ(約400万円)高い。しかし、「ベンテイガS」のようなモデルは、とにかく予算重視の人向けではないことはいうまでもない。

技術データ&価格: ベントレー ベンテイガS
エンジン: V8ツインターボ、フロント縦置き
排気量: 3996cc
パワー: 550PS@6000rpm
最大トルク: 770Nm@2000~4500rpm
駆動方式: 全輪駆動、8速オートマチック
全長/全幅/全高: 5144/2010-2222/1728mm
乾燥重量: 2,415kg
トランク容量: 484~1774リットル
0-100 km/h加速: 4.5秒
最高速度:290km/h
平均燃費: 7.6km/ℓ
CO2排出量: 294g/km
価格: 229,900ユーロ(約3,130万円)より

結論:
「S」として、「ベンテイガ」は現在最高の状態だ。スポーティでダイレクト、アクティブでありながら、抜群のラグジュアリー感。とはいえ、デザインの細部には、経年劣化がやや出始めている。

【ABJのコメント】
「ベンテイガ」が登場して早6年。登場した時はなんだかんだと世の中を騒がせ、反対派と賛成派が入り乱れて、喧々諤々な感じだったが、東京の路上で見かけない日がないほどになじんだ存在にはなった。もちろんその数は絶対的には少ないが、なにせ存在感があるから、印象に残りやすいのだろう。そんな「ベンテイガ」もマイナーチェンジを受け、今回は「S」というスポーティバージョンの話題である。スポーティとはいってももちろんラグジュアリーでスポーティなわけだから、絶対的な性能どうのこうのという話題ではない。

むしろどんな内装であるかとか、タイヤのインチの数値とブレーキキャリパーの形状や色のほうが大事、そういうスポーティな方向性の話である。そしていよいよこのV8ツインターボエンジンの「ベンテイガ」も最終章になっているのかもしれない、そう思わせるような時代でもあるし、おそらく次期のモデルは相当な変化を強いられるはずである。個人的にはこういう車こそ積極的にBEVに移行するべきだと考えるし、ブランドとしてそういう方向性を見せることも大切なのではないだろうか。

そういえば、あのオプション装備でつけられるトゥールビヨンの時計、この「S」でも選択できるのだろうか。個人的には興味がある。(KO)

Text: Malte Büttner
加筆: 大林晃平
Photo: Bentley Motors