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【史上最悪のクラシックカー】この12台のクラシックカーはまさに悪夢だ ブラックリスト一覧

2022年4月27日

この12台のクラシックカーは、まさに悪夢だ。クラシックカーは決して優れたもの、美しいもの、そして完全なものである必要はない。しかし、この12台のクラシックに関わる人は、マゾヒズムの傾向が必要である。AUTO BILDクラシック編集部による維持することに危険なブラックリストをご紹介。

順調すぎるほど順調?クラシックカーの特集にはそういう愛好家たちがたくさん登場する。数千、数万ユーロ(数百万円)を手元に置いて、春を満喫しているのに、明日のことを考える者などいるはずがない?もちろん、頑丈なクラシックモデルで不幸になったり、破産したりすることも、なきにしもあらず、だ。しかし、我々の紹介するこの12台はあなたを常に幸せにすることはない。それだけは保証する。

ボリュームのある財布が必要な方

その理由は、栄光のない12台の歴史と同じように個々に異なるもので、もちろん、まったく異なる理由で我々によって史上最悪のクラシックに選ばれたこともあるのだ。もちろん、我々の厳しい評価は、必ずしもこれらのモデルが松葉杖で歩く必要があることを意味するものではない。ただ、とんでもないフラストレーションへの耐久性が必要となることだけは保証する。そして、ほとんどの場合、ボリュームのある財布も必要となる。

愛国心の強いイギリスのマスコミでさえ、オースチン プリンセスを「イギリス最悪の車」と揶揄した。

だから、もう一度忠告しておくが(今回だけは繰り返す)、これらのモデルのようなクラシックモデルには安易に手を出すな!ということだ。例えば、「メルセデス450 SEL 6.9」。実は、こんな巨大なクルマがあったらいいなと思う人も多いと思う。しかし、1975年に発売された2代目「Sクラス」、「W116」に搭載された6.9リッターのトップエンジンは、厄介な罠に満ちている。伝説のV8から始まり、不具合があれば最低でも2万ユーロ(約280万円)のオーバーホールが必要となる。一方で、215/70 VR15という珍しいフォーマットの高速タイヤは、セットではなく1本500ユーロ(約7万円)で販売されている。

史上最悪のクラシック12選

ファセルベガHK500
要注意! クライスラーの8気筒と馬車時代のシャシー技術との出会い。うまくいくわけがない! 「ファセルベガHK500」の限界は、歩行速度の少し上あたりからだ。1960年、作家でノーベル賞受賞者のアルベール カミュが死亡した事故の原因は、フランスのクーペの冒険的な運転行動だったと言われている。最悪のクラシックの中でも、上位に食い込む1台だ!
大林晃平: 具体的にどの部分が壊れたり、信頼性に欠けたりしているのか書かれてはいないものの、そりゃファセルベガ買ったら維持費は大変でしょう。昔はスターリング モスやパブロ ピカソといったセレブな人たちの車なのですから、そりゃ維持は大変も大変。ちなみにエンジンはクライスラーのV8だが、さすがにもうじき60年だから、パーツ一つ確保するのも至難の技だ。
AWSショッパー
プレハブ: ハンマー、リベッティングプライヤー、ハンマードリルさえあれば、「AWSショッパー」は作ることができた。残念ながら、この車はそんな感じだ。車輪のついた掘っ立て小屋をDIYしたのは、元ボルクヴァルトディーラーのウォルター シェッツレ氏だ。1973年から74年にかけて、西ドイツのベルリンで、当時「ビートル」より高価な「AWSショッパー」を1,400人以上に販売したことは、自動車史における大きなミステリーのひとつとされている。
大林晃平: 申し訳ありませんでした、私、この車知りませんでした。いろいろ調べてみても、正直よくわかりませんでした。でもものすごく意外なことに、2022年の春、アマゾンで、43分の1のレジン製ミニカー、売ってました。25,000円もするので、びっくりであります。以上。
スタッツIVポルテ
サーカスの馬: 金箔の金具、擬似的なランニングボード、サイドパイプの模造品。それが「スタッツIVポルテ」だ。ピニンファリーナのスタイリスト、パオロ マーティンは、どんな悪魔をイメージして、この車輪のついたサーカスの馬をつくったのだろう? 1979年、カントリー歌手のケニー ロジャースも最初の購入者の一人であった。このソリに触発されて、ヒット曲「ユー デコレーション マイ ライフ」を書いたのだろうか・・・? そんなことはむしろ知らない方がいいだろう。
大林晃平: ピニンファリーナ史上、最悪の「ugly like a hell」な1台かもしれないスタッツ。でもケニー ロジャースだけではなく、ハリウッドスターの多くがこの車を所有していたというからびっくりだ。フランク シナトラもサミー デービス ジュニアも持っていたというし、まあパームスプリングスとかラスベガスのカジノの車寄せみたいなところでは、意外とそれなりに輝いていたのかもしれない。なお、写真の4ドアの他にも、2ドアクーペが存在し、そちらの名前はブラックホークという。さらにリムジンモデルもあったはずだが、それの名前は不明。
レイルトンF29クラレモント
川の小石: 「ウィリアム ライオンズ卿が生きていたら、ジャガーはこんな風に見えただろう」という「レイルトンF29クレアモント」のウィリアム タウンズ氏の気取った一口感想はこのくらいにして。元アストンマーティンのデザイナーが「XJ-S」に施したアルミニウムの表皮は、川の小石のように丸く、レース用コンバーチブルからエレガンスを奪っているように見える。1989年に2台作られた。2台でも多すぎたのだ。
大林晃平: 正直いってこの車知りませんでした、すいません。まあ世界に2台きりってことは、所有したら悪夢とかそういう話ではなく、こりゃとんでもない車だねぇ、で話は済むような気もしますが・・・。中身は「XJ-S」とのことなので、もちろんトラブルは覚悟の上だが、まあ走ってなんぼの車じゃありませんから。どことなくリアデザインが僕の大好きな「アストンマーティン ラゴンダ」にそっくりだなぁ、と思ったら、両方ともウィリアム タウンズ(1993年没)のデザインでした。
メルセデス450SEL 6.9
大げさな話: 「世界最高の車」、そう、かつて「メルセデス・ベンツ450 SEL 6.9」はそうだった。そうこうしているうちに、70年代の大御所ベンツが幻滅の1台となってしまった。その複雑すぎる技術は、努力と結果の関係を問うものだ。現在では、ハイドロニューマチックサスペンションを採用した排気量の大きな車は、あらゆる人気のステーションワゴンを凌駕しており、スチールシャシーの「450SEL」も、当時はほとんど劣化していなかった。しかし、その基準となるのは、スペアパーツの価格wであり、そして、もし残っていればの話だが・・・。ウォーターポンプ1,618ユーロ=約22万円(交換のみ!)、サスペンションストラットオーバーホール(新品ではもう手に入らない)6,000ユーロ(約83万円)。最高か、最低か?正直なところ、我々は後者の方だと思っている。
大林晃平: 私の長年の心の一台である「450SEL 6.9」。何がしびれるって、トランクリッドの右側にひっそりとつけられた6.9バッチの格好良さと、さらにそのバッチを外したノーエンブレムもあえてオプションで選べたという逸話も含め、なんとも粋な一台なのである。ボッシュとの共同開発のABS採用もこの車が最初(なはず)。でもハイドロニューマティックのサスペンションはトラブルの巣で、ペッちゃんこになると牽引もローダーにも載せられずもうお手上げ。燃費もリッター2kmは当たり前で、トランスミッションもトラブル頻発。とても所有できる車じゃありません。でも街で6.9バッチを見かけたら今でも多幸感の塊です(って、もう見かけないけど)。
VWビートル1600i
時代錯誤: フューエルインジェクション、触媒コンバーター、ヘッドレスト。そのビートルも、旧くなると「VW1600i」として再び実にモダンになった。後期の「メキシカンモデル」はエンジンが不調で、大西洋を渡ってロッテルダムで貨物船から転がり落ちた時にはすでに錆びついていたのだ。何事にもタイミングがある。90年代に入り、「ビートル」の時代はとっくに終わっていることに、誰もが気づいていた – VW以外は。AUTO BILDのガレージには、最後に作られた「ビートル」が置かれている。
大林晃平: 「ミニ」と「500」は生き残ったけど、ビートルが死滅したのは残念。あとは2CVの復活を待つのみだ。という話はともかく、「ビートル」、ダメですかねぇ。そりゃ「ゴルフ」をベースに作った、あのドンガラ車の「ビートル」はともかく、この旧い(ほんものの)「ビートル」、悪夢なのか・・・。空冷だしメカニズムは簡単だし、意外と何とかなりそうだけどなぁ、というのはお気楽すぎるのだろうか??
ランチア ガンマ クーペ
欠陥設計: 「常識に挑戦する技術的なこだわり」だったそうだ。しかし、「ランチア ガンマ クーペ」の現実は、もっと深刻で、沈没する客船という身の毛もよだつものだった。空回りするカムシャフト。また、タイミングベルトは、カムシャフトにフランジ接続されたパワーステアリングポンプの反圧力が大きくなりすぎるため、ホイールを回したコールドスタート時にジャンプしてエンジンを停止させることが頻繁に発生した。
大林晃平: ランチア愛好家の方には申し訳ございませんが、この時代のランチアとマセラティを所有する根性も男気も私にはありません。というのもおそらく世界中の自動車の中でも、もっとも信頼性に欠けるのがこの時代のイタリア車(の、特にこのクラスの車)。「ガンマ クーペ」も「マセラティ ロイヤル(旧クアトロポルテ)」も「ビトゥルボ」も、格好いいのも、おしゃれなのもわかります。今見ても新鮮でエレガントであります、鬼軍曹閣下殿。でもこの路線に突撃するのは危険すぎるのではないかと、僭越ながら二等兵は進言させていただく次第であります。
ボルボ262Cクーペ
外見はディーゼル機関車、中身はタランティーノの暗室という奇抜さ。産科医のベルトーネでさえ、この奇抜な「ボルボ262Cクーペ」には距離を置いていた(ベルトーネはデザインではなく、製造のみに携わった)のも不思議ではない。スウェーデンのウッディさとスルメのような華やかさは相容れない。それともユースホステルで金のスプーンを使って晩飯を食べるのか?
大林晃平: ベルトーネの生産した「262Cクーペ」、実はたまたま最近見かけてしまったのだが、ご自慢のビニールトップがもうボロボロのはげちょろで、実に痛ましい状態だった。思えば今やこういうビニールトップの車も完全に市場から消え、どこで直してもらえるのか心配の種は尽きない。どこかで適当なビニール素材を見つけ、コニシボンドの「G17」で貼るのが関の山か。なおこの写真がなんとなく無骨に見えるのは、ライトがアメリカ仕様の角4灯のためで、本来はもっとデザインも表情も優しい2灯にヘッドライトワイパー標準装備が正しい姿である。
オースチン プリンセス2200
英国人でさえ認める: 愛国心の強い本国のマスコミが、「プリンセス2200」を「英国最悪の車」と揶揄したのなら、それなりの理由があるに違いない。実際、その信じられないほど酷いアンダーステアの才能?は、どんな古いアウディでもうらやむほどで、だろう1970年代の英国自動車産業のあらゆる劣悪な技術を結集したのが「プリンセス」である。今でも走っているのが奇跡のようだ。
大林晃平: だれがこの車に、プリンセスって名前つけたんだろう。イギリス王室に対する一種の、イギリス人特有のきついブラックジョークなのだろうか。それはさておき、「ウーズレー」の後継者として登場した「プリンセス」は、登場直後からそのスタイルに賛否両論がうずまき、その多くは否のほうだったらしい。ちょっと弁護をすれば当初はハッチバックとして開発がすすみながらも、やっぱりトランク付きにしないと受け入れられないかも、と経営陣が日和見して、急にトランクをつけちゃったからバランスが崩れたのも当たり前、という話である。まったく経営陣とかマーケティング部門が口を出すとろくなことがありませんな、今も昔も、ということだ。以上。
アバルト スコルピオーネ1300
修理屋泣かせ: 「アバルト スコルピオーネ1300」は、ビジュアル的にはある種の爆竹的存在だが、それ以外は惨憺たるものである。フィアット美容室のミニミウラ(ベース: フィアット850、エンジン: フィアット124)は、オリジナルの修理屋泣かせであり、それ以外の何物でもない。しびれるステアリング、鈍いブレーキ、トリッキーな限界域・・・。身長が1.80mを超えると、ほとんど入れない。75馬力では、ピザからサラミさえも引き剥がすこともできはしない。頑張れカルロ。チャオ!
大林晃平: デザイン自体はそんなに悪くはないし、多くのスポーツカーにも影響を及ぼしたかと思う、なかなかのデザイン・・・。だがおそらくはその生産の技術も、メカニズムそのものも形ほどのものはなかったのであろう、と予想される。そういえば最近(去年)アバルト595にスコルピオーネオーロという限定モデルが登場し、金色のホイールを装着して華々しく発売された。それを見たアバルトファンはみんな、きっとこの「スコルピオーネ1300」に思いを馳せたに違いない・・・、ということはないだろうなぁ。
スズキ ビターラX-90
余計なお世話。タルガルーフにノッチバックの全輪駆動の2シーター?「世の中にまったく必要のないクルマ」のカテゴリーへ、ようこそ。スズキも、「ビターラX-90」が誰も聞かなかった疑問に対する答えであることにすぐに気がついた。一夏だけ終わった。「ドイツ初のファンスター」(1996年の広告のタイトル)は、幸いにも最後のファンスターであり続けた。
大林晃平: コストに厳しく、乾いた雑巾を、さらに絞って、絞って、みたいなスズキが、どうしてこの車を市場に出せたのか今でも正直よくわからない。この「X-90」が大人気になるのは誰がどう考えても当たり前じゃないか、と鈴木 修さんがハンコをついたのだろうか・・・。ちなみに日本では、約1,400台(意外と多い)が販売され、現在90万円前後の中古車3台が流通している。
ベンツ パテント モトールヴァーゲン
暑がりな人へ: そう、ベンツ特許自動車は雨が降ると錆び始める。そうそう、ヘラジカのテストは省いた方がいい。しかし、さらに悪いことに、キャブレターへの空気の供給を調整するスリーブバルブを十分に開くことができないため、気温が30度を超えると、カール・ベンツのモーターキャリッジは淀み始めるのである。自動車は、その誕生と同時に気候変動に屈服し、その結果、後継車が気候変動を引き起こすという、歴史の皮肉である。
大林晃平: いやいやこれを12台の最後に持ってこられてもなあ・・・。これクラシックカーというのだろうか? 本国のAUTO BILDのシャレなのだろうか・・・。それはさておき、実はこの「パテント モトールヴァーゲン」、今でもレプリカがかなり作られており、トヨタ博物館にあるのもそのうちの一台である。なんでまたそんなにレプリカが存在しているのかというと、メルセデス・ベンツのクラシックカーレストア部門だか、どこかの部門に新入りが入ると、研修と鍛錬とシゴキのため、これを作らされるのだと聞いたことがある。そのためレプリカの台数が結構多く、100台以上が世界に存在しているとのこと。なお、普通の人間にはエンジンさえかけることもできないし、調子が絶好調な時でも最高速度は15km/hくらいだ(でも、一度乗ってみたい)。

Text: Martin G. Puthz
Photo: autobild.de