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【このクルマなんぼ?】コレクターズアイテムメルセデス 希少な190エボⅡがオークションで落札された 果たしてその価格は?

2022年3月4日

希少なメルセデス190エボIIがオークションに出品され、なんと38万ユーロ(約5千万円)以上で落札された。メルセデス190 E 2.5-16エボIIは、メルセデス最後のホモロゲーションモデルであり、コレクターズアイテムとして人気が高い。今回、473/502番のエボⅡはオークションで、38万ユーロ(約5千万円)以上で落札された。詳細。

中古車価格が昨今どんどん上がっている。最近、中古車に興味を持った人なら、供給が少なく、価格が高いことに気がついたはずだ。その主な理由は、新車の納期が非常に長いことと在庫車の数が限られていることで、どちらも半導体チップ危機が続いていることが原因だ。

クラシックカー価格ふたたび急上昇傾向

また、現在、クラシックカーやヤングタイマー、スポーツカーの市場も非常に過熱気味だ。ここ数年の価格低迷の後、急激な上昇が続き、その勢いは目を見張るものがある。その最たるものが、「メルセデス190 E 2.5-16エボリューションII」だ。

わずか7年弱で23万ユーロ(3,000万円超)もの価格の上昇。たった502台しか製造されなかった「メルセデス190エボII」が、bringatrailer.comのオークションで38万ユーロ(432,432米ドル=約5,060万円)以上の値を付けられたのだから、それだけの価値があるということだろう。約7年前の2015年には、この同じ個体が149,500ユーロ(約1,973万円)で売りに出されていたので、7年弱の間に2.5倍以上に価格が跳ね上がったことになる。

メルセデス最後のホモロゲーションモデル

しかし、そもそも「エボII」は何が特別なのだろうか? 1990年、メルセデスが特別モデルを発表した当時でさえ、新車価格は115,259マルク(約767万円)と、通常の「190」の約3倍もしたのだ。そして、長い年月を経て、非常に特別な「W201」は、希少価値の高いコレクターズアイテムへと発展していったのだった。

2.5リッター4気筒エンジン(M102)は、エボIIでは最高出力235馬力、最大トルク245Nmを発揮する。

その特徴は、フレア状のホイールアーチ、拡張可能なフロントスプリッター、XXLサイズのリアウィングを備えたアグレッシブなルックスだけでなく、何よりもメルセデスのポートフォリオの中での位置づけにある。1990年にのみ製造された「エボII」は、「CLK GTR」を除く、最後のホモロゲーションモデルの1台で、DTM用レーシングマシンをモデルとしている。

2.5リッター4気筒エンジン(235馬力)

「190エボII」は、まるでサーキットからやってきたかのように見えるが、その性能データは往年のDTMマシンには到底及ばない。なにしろ、DTMマシンは、2.5リッターのエンジンから最大370馬力/9500rpmを引き出したのだから。ロードバージョンは、235馬力と245Nmを発揮する「M102」と呼ばれる4気筒エンジンを搭載していた。

1990年代の初めには、それは大変な快挙だったが、今ではほとんどのディーゼルやプラグインのステーションワゴンで追いつくことができる。しかし、それでも「190エボII」の魅力はまったく衰えず、クラシックカーの専門家は「エボII」の価値はさらに高まる可能性を予測しているほどだ。

左下が1速。エボIIは、いわゆるドッグレッグギアスティックを採用している。加えてシフトノブにシリアルナンバーも入っている。

しかし、「ブルーブラックメタリック199」という色で作られた「メルセデス190エボII」の価格は、右肩上がりになっている。今回、ナンバー473/502がオークションに出品され、38万ユーロ(約5千万円)以上!という額で落札された。

この「190エボII」は1990年7月4日にリューネブルク(ニーダーザクセン州)で納車され、その後ポルトガル、ギリシャ、オランダに立ち寄りながら長い旅を始め、2020年3月にアメリカへ向かった。

2015年、エボIIは149,500ユーロ(約1,970万円)だった

興味深い事実: 2015年、まさにこの「メルセデス190 E 2.5-16エボII」がオランダで、14万9500ユーロ(約1,970万円)で売買された。当時の走行距離: 約18,000km。7年後、スピードメーター上の数字は18,251kmと、7年の間にたった251kmしか増えていない。そしてこのホモロゲーションモデルは、今回、ハンマープライスで38万ユーロ(約5,000万円)を超える価格で落札されたのだった。

メルセデス190エボIIが20万ユーロ(約2,650万円)強から購入可能

確かに、写真で見る限り、「エボII」は絶対的なトップコンディションで、まるで新車のようだ。しかも、100%オリジナルというだけでなく、事故や再塗装のない車だとされる。

とはいえ、この価格が正当かどうかは本当に難しい。中古の「エボII」の供給は少ないが、運と人脈があれば、この国では整備された「エボII」は、20万ユーロ(約2,650万円)以上で手に入ることもあるのだ。しかし、それは、通常、走行距離10万km前後のクルマとなる。

新品の状態で走行距離が1万キロを大きく下回る本物のコレクターズアイテムは、まれに40万ユーロ(約5,300万円)の大台に乗ることもあるが、それはまったくの例外である。もし、ここで紹介する「190エボII」を、2015年に15万ユーロ(約1,980万円)で買っていたら、今頃は大儲けしていたはずだ。捕らぬ狸の皮算用だが。(笑)

【ABJコメント】
いよいよ「エボリューションⅡ」が5,000万円の大台を超えた。ついこの間まで2,500~3,000万円の価格を付けていて、「すごいなぁ」と驚いていたというのに、あっという間のこの高騰ぶり。まるでロレックス デイトナをはじめとするスポーツモデルを思わせる展開を見ながら、ひたすらあっけにとられている。今回の「エボリューションⅡ」は走行距離が2万km以下という、確かに驚くほど希少なコンディションの車であるし、エボリューションⅠもⅡも走行距離が多いのが普通なため、その分の上乗せもたっぷりされているは言うまでもない。それにしてもいよいよ5,000万円を超え、いつかはこの価格が飽和状態になるのであろうかと、つい余計な心配をしてしまう。

確かにこの時代のスポーツメルセデス・ベンツは希少だし、その中でも「エボリューションⅡ」は特別な一台ではある。僕ももちろん嫌いではないし、街で普通の「2.5-16」などを見かけてもなんとなく嬉しい気持ちになる。しかし、ここまで価格があがることは予想もしていなかったし、もうちょっと「普通に」街中を走っていた印象があったのになぁ、というのは年寄りの繰り言なのかもしれない。このころのメルセデス・ベンツのイメージカラーである、「ブルーブラック(カラーコードナンバー199)」の「エボリューションⅡ」、もう街で見かける機会はめっきり減り、ガレージにしまい込まれてしまうのだろうか・・・。(KO)

Text: Jan Götze
加筆: 大林晃平
Photo: bringatraller.com