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【このクルマなんぼ?】このメルセデス・ベンツ560SL(R107)はお買い得かもー その内容と価格は?

2022年2月27日

このR107 メルセデスは、本当にお買い得かもしれない。eBayでは、R107シリーズのメルセデス560SLが2万ユーロ(約266万円)弱で売りに出されている。このメルセデスは錆びもなく、修理などの溶接もされていないそうで、すでにHナンバーになっていると伝えられている。詳細!

パワフルなV8を搭載したメルセデスのコンバーチブルを安価に購入できるチャンス?

来る夏をそんなクルマで楽しみたい人は、ぜひ読んでみてほしい。eBayでは現在、メルセデスが出品されており、面白いチャンスになるかもしれないからだ。カリフォルニアから、ブルーブラックメタリックの「R107」シリーズの227馬力の「メルセデス560SL」が売りに出されている。価格? 19,500ユーロ(約260万円)だ。

出品車は1988年に初度登録されたと伝えられている。売主は、メルセデスは錆びておらず、溶接もされていないと説明している。ドイツのH登録はすでに済まされているといい、すぐにでも運転できる状態だ。しかし、年数が経っていることと、まだもろもろ修理&改善作業が残っているため、出品者は、今後レストアは必須として記している。

一見したところ、インテリアは徹底的に整頓されている印象を受ける。しかしこれは現地で確認する必要があるだろう(内装は張り替えた可能性があるように見受けられる。理由はパイピングの部分や、若干みられる側面のしわなど、である)。

いくつかのハイライトを持つ装備

この「メルセデス ロードスター」は、スタイリッシュなブルーブラックメタリックの塗装色に加え、クリーム色のレザーインテリアがポイントだ。その他、パワーウィンドウ、エアコン、パワーステアリング、セントラルロックなどを装備している。EUバンパーとアルミホイールは追加料金で交換可能だ。

ヨーロッパのSLファンの多くは、アメリカのバンパーを醜いと感じている。

「SL R107」を購入する前に知っておきたいこと:

この広告のメルセデスに熱中している人は、購入前に、以下の3点に要注意!

1) 現地でのアポイントメントと試乗が絶対必要だ。走行距離の確認や細部のチェックはもとより、広告の状態をよく確認し、弱点を開示する必要がある。例えば、ソフトトップは明らかに修理が必要だということも含めて。広告写真の1枚に、リアウィンドウが欠落しているものもある。

新しいファブリックルーフに手を入れる必要がある。状況によっては、交換することも必要だ。フューエルリッドの色が変わっているのにも注意。

敵は錆

2) 「R107」シリーズの「メルセデスSL」の敵は錆である。特に初期型のクルマは影響を受ける。今回の個体は、1985年のモデルチェンジ後に、生産ラインを離れたもので、インナーマッドガードとフロントエプロン裏のバルクヘッドがあるはずだ。しかし、よく見ると、驚きを免れないことは容易に想定できる。特に、フロントシルの先端、ジャッキポイント、インナーシルなどは神経痛を起こすポイントとして考えられている。

EUの変換はかなりコストがかかる

3) このような米国仕様「SL」を「ヨーロッパ」規格に完全にコンバートしようとすると、14,000ユーロ(約186万円)もの費用がかかる。米国仕様のボディシェルは、バンパーの取り付け部分などが異なっている。単にネジを外して、またネジ止めするだけではダメなのだ。H4ヘッドライトの改造だけで3,600ユーロ(約47万円)もかかることは認識しておくべきだ。

この「R107 メルセデス・ベンツSL」、たしかに車輛価格そのものは魅了的に聞こえるかもしれないが、内容を見ていくと、なかなかの曲者のような気がしてくる。

まず本文中にも記されているとおり、醜いと人気の少ないUS仕様のためこれをちゃんとした姿に戻すためにも、車輛価格と同じくらいは覚悟しなくてはいけないだろう。さらに破れたウインドウを持つ幌もおそらくかなりの修理代がかかるし、本来のパリッとした「SLらしい」修理をするためには、車輛価格の2~3倍の金額は必要と思われる。走行距離(おそらく相当なものだろう)も気になるし、コツコツと直すのが趣味だという人以外には、なかなか薦めがたい物件だと思うのだが、あなたはいかがお考えだろうか?

Text: Lars Hänsch-Petersen
加筆: 大林晃平
Photo: Ebay / daredevil454