【クラッシュ!!!】約4億円以上400台限定生産フェラーリ エンツォが無残な姿に・・・
2022年1月30日
300万ユーロ(約4億8千万円)のフェラーリ エンツォがクラッシュ。オランダで、わずか400台しか製造されなかったフェラーリ「エンツォ」の1台が破壊された。660馬力のフェラーリはメカニックが運転していた可能性も!
この事故は、フェラーリファンならずとも涙を誘うものだ。オランダのバーンという自治体で、わずか400台しか製造されなかった「フェラーリ エンツォ」が大クラッシュした。特に苦いのは、660馬力の「フェラーリ エンツォ」のハンドルをメカニックが握っていたかもしれないことだ!?
事故は2022年1月18日(火)の朝、アムステルダム近郊のバールンで起こった。目撃者によれば、運転手は濡れた道路で、現在約300万ユーロ(4億円弱)の価値がある「エンツォ」のコントロールを失い、助手席側が木に激突した。「Jeffrey de Ruiter(@jeffrey_de_ruiter_photography)」のInstagramアカウントにある高解像度の詳細写真が証明しているように、その被害は残酷なものだ。助手席側では、両輪がちぎれ、ヘッドライトが欠け、エンツォのカーボン製ボディが大きく破損している。また、エアバッグが作動し、展開したことも確認できる。シートは汚れから守るため、ワークショップ(修理工場)のカバーで覆われていた。
また、事故直後に撮影されたと思われるSNS上の短い動画では、「フェラーリ エンツォ」が緑色のナンバープレートで走行していたことが確認できる。オランダでは、ドイツの赤色プレートに匹敵する「ディーラープレート」だ。この事実は、事故当時、660馬力のエンツォのステアリングを握っていたのは、オーナーではなく、メカニックだった可能性があるということを意味する。
当初349台しか計画されていなかったフェラーリ エンツォ
「フェラーリ エンツォ」は、「ラ フェラーリ」の前身で、2002年から2004年にかけて製造されたモデルだ。F1の特徴である角張ったノーズに加え、最高出力660馬力、最大トルク657Nmの6リッター自然吸気V12エンジンを搭載したことが、エンツォの大きな特徴である。わずか1,365kgの軽い車重により、「エンツォ」は、0から100km/hまで3.9秒で加速し、最高速度は355km/hだ。当初は349台が生産される予定だったが、需要の高さから、フェラーリはさらに50台のエンツォを生産することを決定した。そして、2005年、フェラーリは400台目の「エンツォ」を製造することを発表した。このエンツォはローマ法王ヨハネ・パウロ2世に献上され、同年にオークションにかけられた。その収益金、105万5千ユーロ(約1億7千万円)は、2004年にインド洋沿岸で発生した津波災害の被災者に寄付された。
クラッシュした「エンツォ」が個人の所有車だったのか、ディーラーの販売用の車だったのかは、現時点では不明だ。確かなのは、このスーパースポーツカーが再び世に出るには、相当の時間を要するということだ。しかし、世界で400台しか製造されていないこと(そのうちのいくつかはすでに近年クラッシュしている)、現在の市場価格が約300万ユーロ(約4億8千万円)であることを考えると、専門家によるリビルドは、絶対に価値があるはずだ。
Text: Jan Götze
Photo: Instagram/jeffrey_de_ruiter_photography