【初テスト】新型トヨタGR86 待望の初試乗 そのドライビングインプレッションと評価は?
2021年12月26日
新型トヨタGR86は、まさにドリフトマシンだ。トヨタの新型GR86は、「より力強く、より軽く」というドライビングファンの方程式に基づき、ドリフト走行を楽しむことができるモデルだ。我々はサーキットテストを行った。そのレポート。
「トヨタ86」から「トヨタGR86」へ。
1.3トン以下の軽さ、234馬力のパワー、トヨタのドライビングマシンはドライビングファン派閥「ガズーレーシング」によって開発された。
新しい「GR86」ほど、時間を有効に使えるものはないだろう。
先代「GT86」は、いつもちょっとぬるいスープのような印象だったが、新型は34馬力のパワーアップ、そして今回250Nmのトルク(プラス45Nm)によって、サーキットで熱い後輪駆動の踊りを見せてくれるはずである。
これはすでに0から100km/hまでのスプリントが6.3秒と、先代に比べて1.3秒速くなったことからも明らかだ。
さらに、「GR86」は、約20kgの軽量化と50%の剛性アップを成し遂げている。
ボンネットとフェンダーをアルミニウム製にしたことで、重心が下方に、やや後方のものとなった。
さあ、実際に試してみよう!ピットレーンからコースへと飛び出す。
スチール製のブレーキが初めてかかり、カーブの頂点でリアが離脱しようとする。
速すぎるコーナリングはドリフトを誘発する
カーブの進入速度が速すぎると、カーブの頂点でリアエンドが膨らんでしまう。
最初の右折コーナーを過ぎると上り坂になるため、やや挙動が乱れたが、クリーンなラインなら、もっときれいにコーナリングができたはずだ。
車をロールさせて早めに加速すると、リアが少しひずむ程度だ。
続くタイトな左カーブでは、驚くほどレスポンスの良いフロントアクスルを楽しむことができる。
ターンインの挙動は非常に繊細で、エイペックス後の加速が早すぎると、すぐにアウト側に滑ってしまう。
トヨタは時代に合わせて内装をリフレッシュした。
すべてがクリアに、よりモダンに、より良く仕上がっているように見える。
センタートンネルのスイッチでトラックモードを選択したり、ドライビングエイドを完全にオフにしたりすることも可能となっている。
トヨタ GR 86 ドライビングレポート
テクニカルデータ: トヨタGR86
● エンジン: 4気筒ボクサーエンジン、フロント縦置き ● 排気量: 2387cc ● 最高出力: 234PS@7000rpm ● 最大トルク: 250 Nm@3700rpm ● 駆動方式: 後輪駆動、6速マニュアル ● 全長×幅×高さ: 4265×1775×1310mm ● 乾燥重量: 1275kg ● 0-100km/h加速: 6.3秒 ● 最高速度: 226 km/h ● 価格(予定)31,000ユーロ(約403万円)
結論:
先代「GT86」に欠けていたのは性能であり、トヨタのドライビングファン部門である「ガズーレーシング」は、まさにそこを再調整した。
新型「GR86」はハンドリングがよく、音もすばらしく、ドリフトもほとんど世界チャンピオン並みだ。
AUTO BILDテストスコア: 2
高評価の新型「86」。現地アウトビルトのスタッフもなかなかの評価を下している。見た目があまりに変わっていないからか、ちょっと登場の盛り上がりには欠けているようにも思えるが、まずは内燃機関オンリーのMT車をこの時期に、この価格でGRブランドから堂々と発表したことを評価したい。
内装が垢ぬけないとか、いろいろ厳しい意見もあるが、このクラスに「GR86」と「マツダ ロードスター」という2台が普通に売られていることを、日本人としてはちょっと嬉しく(誇らしく)思う(ヨーロッパにもアメリカにも、このセグメントに、小型スポーツカーなど、現在見当たらないのだ)。
まだまだ改良すべき点はあるかもしれないし、不満な部分もあるかもしれないが、これからしばらくは「86」を売り続けるというプランも、15台ものEVを一挙に発表し、350万台も売るというプランも同じトヨタという会社の計画である。そう考えると、全方位的に未来に進み続ける計画は、なんとも頼もしく感じられるのである。
Text: Alexander Bernt
加筆: 大林晃平
Photo: Toyota