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【ユニークな比較テスト】新型VWゴルフRヴァリアントはその先代であるVR6と比べてどれほど凄いのか?

2021年12月13日

嵐の警告。新型VWゴルフRヴァリアントがご先祖様に出会う。

320馬力という圧倒的なパワーを持つ、新型VWゴルフRヴァリアントは、まさにパワーステーションワゴンだ。そして、今回、1994年に登場した先代のVR6と対面した。

ヴォルフスブルク製モデル同士の対決。
「ゴルフ ヴァリアント」は一見するだけでは、必ずしも雷や稲妻のようには見えない。
また、グリーンの「ゴルフ3」がどんなモデルか聞かずに見ただけだったら、90年代に20代半ばで乗った75馬力の1.6モデルを自然に思い浮かべていただろう。
しかし、この個体はベーシックモデルではなく、「VR6」、つまり2.9リッターのビッグサイズで、190馬力を発揮し、シンクロと呼ばれる全輪駆動を備えた個体である。

そう、VWはかつてゴルフに「VR6」という名で、6気筒を搭載したことがあるのだ。
今日ここで「VR6」を走らせているのは偶然ではなく、初代と最新パワーステーションワゴンを対比してみるためだ。
我々は、新型パワーステーションワゴンをそのご先祖様に紹介し、「ゴルフ8 R」と「ゴルフ3 VR6」を比べてみたかったのだ。
声をかけたVW本社には、190馬力の代表モデルはあったが、「VR6」のエステートバージョンはなかった。
そこで、VWのイントラネットで、子会社を含めた全社員に呼びかけて協力を申し出た。
そうしたところ、社員の一人、ラース キッツマンから、持っているので、貸して差し上げますとありがたい申し出があった。
「最初は自分たちがどんな恋人を買ったのかわからなかったんだ」と、ラースは笑いながら語った。

お買い得だ。新車時の価格の高さを考えれば、ゴルフ3のVR6ヴァリアントの中古車の1,450ユーロ(約19万円)という価格は安いものだ。

1994年のVR6の価格は50,610マルクと高額だった

出発する前に、ラースは自分の話をした。
「私はゴルフ2の”ファイヤー&アイス”に乗っているのですが、これをVR6に改造したいと思い、適切なエンジンを探しました」。
VWのエンジニアは、探していたものを見つけたが、259,000km走った190馬力のエンジンは、グリーンの「ゴルフ ヴァリアント」に搭載されていたものだった。
「エンジンの音を聞いてみると、とてもよく回る」。
「売り手とは1,450ユーロ(約19万円)という値段で合意して購入しました」。
夕方、ラースは自分が実際に買ったものをウェブで確認した。
それはなんと100台くらいしかないはずの希少車だった。
1994年に発売された50,610マーク(約330万円)のパワーステーションワゴンは決して安いものではなかった。
それは今でも実感できる。
本革のシートは、背もたれの調整が少々面倒だが、ドアトリムにはパワーウィンドウ、カセットとCDチェンジャーのコントロール付きラジオ、オートマチックエアコンの下には、75馬力のゴルフと同じ5速マニュアルトランスミッションのスティックがある。

ラースは運転席に座ってみて、1,450ユーロ(約19万円)の価格は高いものではなかったと実感したようだ。
アクセルを踏み込むと、「ゴルフ3 VR6ヴァリアント」はとても洗練された、育ちの良い音がした。スピードを上げていくと、針を1時の位置まで追いかける必要があり、4000回転で初めてパンチが効いてくるエンジンだ。
16Vが180馬力しかなかった頃、245Nmのトルクは大きなものだった。

ドライビングマシン。ゴルフ8 Rヴァリアントには、良いもの、速く走るためのものがすべて揃っている。

新型ゴルフRでサーキットとカントリーロードを走破

「VR6」は雌豚のようなもの?
そう、我々の記憶の中では歯列矯正をしたブロンドの女の子が、高校時代に最も美しい女の子だったという、ちょっと不思議なことも覚えている。
しかし大切なのはそんなことではなく、現在の事実である。
そして今日、私たちのもとには「ゴルフR」があり、ゴルフ史上最高のシートに座っている。
ドライバーズシートは、しっかりしていて、最高の横方向のサポートを備えている。
このゴルフは、ステーションワゴンのバックパックを背負っていても、曲がりくねったコースをマスターできることは間違いない。
というのも、このパワーステーションワゴンは、第一にカントリーロードではフワフワした乗り心地を、第二にサーキットではアスファルトに釘付けにする魔法のサスペンションシステムが組み込まれているからだ。
そこで素早くスポーティなドライビングプロファイルを押すと、ドライビングダイナミクスマネージャーの出番となる。

ゴルフRヴァリアントのサーキットでのパフォーマンス

「ゴルフ」の「GTI」や「クラブスポーツ」と同様に、「R」でも制御電子機器が適切なグリップを確保する。
全輪駆動システムは、両アクスルに50:50の比率でパワーを配分するのではなく、左右のホイールにも可変的にパワーを配分する。
ステアリングの角度、アクセルペダルの位置、カーブでの加速などによって、どちらのホイールにどれだけのパワーを与えるかが決まり、クルマを路面に密着させることができる。

「ゴルフ8」はゴルフよりも35センチも長いこと、トランクの容量が最大1,642リットル(普通車よりも412リットル多い)であること、ステーションワゴンの重量が1,630キロ(普通車よりも154キロ多い)であることではあるが、運転しているときにはそんなことは少しも気にならない、それだけステーションワゴンはタイトで良いものに仕上がっているからだ。
しかしその価格は最低でも51,585ユーロ(約670万円)で、しかも19インチホイールやナビの標準装備もない。

高価だ。VWはゴルフRヴァリアントに最低でも51,585ユーロ(約670万円)を請求する。これには19インチホイールも含まれていない。

ラースは新型「ゴルフR」をどう思っているのだろうか?
「ボディは本当に素晴らしく、シートはリビングルームのような雰囲気です」と29歳の彼は笑いながら語る。
そして、その価値は非常に高いと、VWのエンジニアらしい感想を述べた。
そりゃそうだ、自社のクルマを悪くなど言えないだろうから。(笑)

テクニカルデータ: VWゴルフRヴァリアント
● エンジン: 4気筒ターボ、フロント横置き ● 排気量: 1984cc ● 最高出力: 335PS@5350rpm ● 最大トルク: 420Nm@2100~5350rpm ● 駆動方式: 全輪駆動、7速DSG ● 全長×全幅×全高: 4644×1789×1466mm • 乾燥重量: 1630kg ● トランク容量: 611~1642リットル ● 最高速度: 250km/h ● 0-100km/h加速: 4.9秒 ● 平均燃費: 12.8km/ℓ ● CO2排出量: 178g/ℓ ● 価格: 51,585ユーロ(約670万円)

テクニカルデータ: VWゴルフVR6ヴァリアント
● エンジン: 6気筒、フロント横置き ● 排気量: 2861cc ● 最高出力: 190PS@5800rpm ● 最大トルク: 245Nm@4200rpm ● 全長×全幅×全高: 4340×1695×1430mm ● 最高速度: 222km/h ● 0-100km/h加速: 8.1秒 ● 価格: 50,610マルク(約330万円、1994年当時)

その昔、ざっと27年ほど前、「ゴルフ」の「VR6」というのは、高級車だった。たしかフォルクスワーゲンのラインナップの中でも上から数えたほうが良いほどの価格で、これほど高い「ゴルフ」が必要なのだろうか、と思ってしまうほどの価格ではあったけれど、フォルクスワーゲン自らも「小さな高級車」として売っていた、そういうモデルが「VR6」だったのである。
それからもうじき28年という2022年目前の今、「フォルクスワーゲン ゴルフRヴァリアント」はオプション装備なしでも600万円突破、オプション装備をつけたら700万円という時代になった。「フォルクスワーゲン ゴルフ」って、200~250万円くらいで買えなかったっけ? というセリフを口走ってしまうのは、もはやオジサンかおじいさんで、今や普通の「ゴルフ」だって、300万円じゃあ買えない時代なのである。
もちろん内容的にも現代の「R」は、VR6の性能を凌駕するどころか、比べる行為が無慈悲に思えてしまうほどの段違いさの高性能モデルである。どんな天候の中でも、どんな人が乗ったとしても安全で速く、しかも燃費良く、文句のつけどころなど見つけにくいほどのオールマイティな自動車だ。
自動車の進化とエンジニアたちの努力の蓄積は素晴らしいし、ある意味内燃機関の完成された姿のひとつとして「Rヴァリアント」は大きな意味を持っていると思う。でも・・・もちろんここから先はいちゃもん、というか難癖をつけるようで申し訳ないけれど、30年近く前に「VR6」に抱いた「特別なゴルフ」という感じが、妙に今の「R」には薄い気がしてしまうのはなぜだろう。今の「R」が超高性能で乗ってみれば文句なしなのは言うまでもない。それでも「VR6」のように、めったに出会えない、希少な車に出会えた時に感じる高揚感のようなものが今の「R」にあるかと言えば・・・返答に困ってしまう。
今や「GTI」も「R」もフォルクスワーゲンのラインナップの中で、普通に(予算さえ合えば)購入できるカタログモデルとなっている。もう少しこれほどの高性能、高価格モデルであれば、限定数で発売したほうがありがたみも希少価値も増すのではないか、と思ってしまうのはやっぱり天邪鬼のだろうか。

Text: Andreas May
加筆: 大林晃平
Photo: autobild.de