F1ブラジルGP ハミルトン大逆転で勝利 メルセデスとともに王者の意地を見せる 残り3戦 タイトルの行方はますます混沌
2021年11月15日
F1ブラジルGP: ハミルトンがフェルスタッペンとのスリリングなレースを制す。サンパウロで開催されたブラジルGPで、ルイス ハミルトンがマックス フェルスタッペンを抑えて優勝し、世界選手権争いの差を縮めた。
サンパウロで開催されたブラジルGPでは、世界選手権に相応しいスリル満点のレースが繰り広げられた。
ルイス ハミルトン(36)が、2位のマックス フェルスタッペン(23)との激しいバトルの末、インテルラゴスでのレースを制した。
メルセデスのセカンドレーサー、バルテリ ボッタスは3位でフィニッシュ。
ハミルトンは、ブラジル国旗で祝福され、セナのチャントを受けた。
「この週末を迎える前には、この差を縮めることができるとは思ってもいませんでした」とハミルトンはエモーショナルに語った。
「諦めないことの大切さを教えてくれました。長い間、勝利を手にしていなかったので、初めての勝利のように感じています」。
フェルスタッペンは目に見えて落胆しているが、楽観的にも考えようとしている。
「今日はすべてを出し切りました。良いバトルでしたが、最終的には少しペースが足りませんでした。でも、次のレースでは必ず反撃できると確信しています」。
勝利の鍵となったのは、60周目のオランダから来た世界選手権のライバルに対する英国人によるオーバーテイク作戦だった。
第4コーナーの手前、事前に数周にわたってレッドブルのスターに歯向かっていたハミルトンは2本目のロングストレートでフェルスタッペンを見事追い抜いた。
前年の王者、ハミルトンは、予選での失格、エンジンペナルティを経て、10番グリッドからの優勝を果たした。
フェルスタッペンとハミルトンの一騎打ちは、まさにスリル満点だった。
スタートでは、フェルスタッペンとペレスが、ボッタスをうまくかわしてトップと2位にポジションアップした。
しかし、ハミルトンもメガスタートを切り、物凄い勢いで6周以内に7位、4位と順位を上げていく。
その後、ボッタスはメルセデス司令塔からの指示で、ハミルトンを先に行かせる。
この後、ハミルトンは、13周にわたって、セルジオ ペレス(レッドブル)を過激に追いかけ、勇敢なレッドブルのドライバーは抵抗し続けたが、プレッシャーに屈し、2位の座を明け渡した。
その後、ハミルトンは早めのピットストップのおかげで3.7秒の差を縮めることができ、2回目のピットストップ後には、トップのフェルスタッペンを攻撃する準備が整う。
しかし、最初のアタックは失敗。
オランダ人レーサーは、第4コーナーでハミルトンをコースの外側に押し出してしまう。
しかし、最終的には60周目の同じ第4コーナーで、ハミルトンに抜かれ、フェルスタッペンは結局10秒弱の差をつけられて、2位でフィニッシュした。
チャンピオンシップでは、3レースを残して、ハミルトンとの差はわずか14ポイント。
ルイス・ハミルトン: 「こんな週末を過ごしたことは記憶にないよ。今日は常に勝つことが目標でしたが、それがうまくいったのが本当に嬉しい。もちろん、クルマの調子は良かったですよ。でも、最低でも5つは順位を下げなければならないと思っていました。そこに予選での失格が重なり、壊滅的なダメージを受けました。しかし、メカニックやエンジニア全員が集中力を維持してくれました。感謝の気持ちでいっぱいです」。
マックス・フェルスタッペン: 「すべてを試してみましたが、今日は明らかにペースが落ちすぎていました。特にここのようにタイヤの摩耗が激しいコースでは、そうなると後ろを離すためにタイヤを少し使いすぎてしまいます。十分ではありませんでしたが、正直なところ、これはかなり現実的な結果だと思っているので、それほどガッカリはしていません。でも、少なくともあのような戦いは楽しかったですね。二人ともターンに入るのがとても遅かった。すべてがフェアだったと思います」。
F1 2021も残り3戦。
フェルスタッペン対ハミルトン。
メルセデスAMG対レッドブルホンダ。
一騎打ちは続き、目が離せない。
かつてない大接戦の様相を呈している。
次戦、カタールGPは、11月21日(日)にロサイル インターナショナル サーキットでおこなわれる。
F1第19戦 ブラジルグランプリ
レース結果(第10位まで)
- ルイス ハミルトン(英国) – メルセデス 1:32:22,851
- マックス フェルスタッペン(オランダ) – レッドブル +10.496秒
- バルテリ ボッタス(フィンランド) – メルセデス +13.576秒
- セルジオ ペレス(メキシコ) – レッドブル +39.940秒
- シャルル ルクレール(モナコ) – フェラーリ +49.517秒
- カルロス サインツJr.(スペイン) – フェラーリ +51.820秒
- ピエール ガスリー(フランス) – アルファタウリ +1ラップ
- エステバン オコン(フランス) – アルピーヌ +1ラップ
- フェルナンド アロンソ(スペイン) – アルピーヌ +1ラップ
- ランドー ノリス(英国) – マクラーレン +1ラップ
ドライバーズチャンピオンシップランキング(22戦中19戦終了時):
1位: マックス フェルスタッペン(オランダ) – レッドブル 332.5ポイント
2位: ルイス ハミルトン(英国) – メルセデス 318.5ポイント
3位: バルテリ ボッタス(フィンランド) – メルセデス 203ポイント
4位: セルジオ ペレス(メキシコ) – レッドブル 178ポイント
5位: ランドー ノリス(英国) – マクラーレン 151ポイント
6位: シャルル ルクレール(モナコ) – フェラーリ 148ポイント
7位: カルロス サインツJr.(スペイン) – フェラーリ 139.5ポイント
8位: ダニエル リカルド(オーストラリア) – マクラーレン 105ポイント
9位: ピエール ガスリー(フランス) – アルファタウリ 92ポイント
10位: フェルナンド アロンソ(スペイン) – アルピーヌ 62ポイント
コンストラクターズチャンピオンシップランキング(22戦中19戦終了時):
1位: メルセデス 521.5ポイント
2位: レッドブル 510.5ポイント
3位: フェラーリ 287.5ポイント
4位: マクラーレン 256ポイント
5位: アルピーヌ 112ポイント
6位: アルファタウリ 112ポイント
7位: アストンマーティン 68ポイント
8位: ウィリアムス 23ポイント
9位: アルファロメオ 11ポイント
10位: ハース 0ポイント
Text: Bianca Garloff
Photo: autobild.de