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【ニューモデル情報】トヨタ初の純電動SUV トヨタbZ4X登場 全情報!

2021年11月14日

いよいよトヨタ初の電動SUV「bZ4X」が発売される。

トヨタは2025年までに15台の新型電気自動車を投入する予定だ。その「bZ」シリーズのスタートとなるのが、2022年半ばに発売されるコンパクトSUV「bZ4X」である。全情報。

コンテンツ一覧:
➤ インテリア
➤ セーフティとセキュリティ
➤ バッテリーと航続距離
➤ 価格と市場ローンチ時期

トヨタは、2050年までに、CO2ニュートラルを実現したいと考えている。
そして、そのためには、水素やハイブリッドを使った現在のやり方ではだけでは、まだ十分ではないことは理解している。
そこでトヨタは、2025年までに、15台の新しい電気自動車を導入したいと考えている。
そのうち7台は、新たに発表した電気自動車シリーズ「bZ」だ。
「bZ」とは、「Beyond Zero」の略語で、ローカルゼロエミッションの追求と、顧客のメリットを表現している。
その第一弾として、先日ワールドプレミアされた「bZ4X」を紹介する。
スバルと共同開発した、「RAV4」サイズのSUVで、発売は2022年中頃を予定している。

「bZ4X」は、スバルも採用するトヨタの新しい電気自動車用プラットフォーム「e-TNGA」をベースにしている。
このクロスオーバーは、トヨタのSUVが持つ、エッジの効いたデザイン言語を継承している。
更に、ルーフやフェンダーにブラックのコントラストペイントを施すことで、より強靭な印象を与えている。
そして、リアウィンドウの傾斜を他のモデルよりもフラットにすることで、「RAV4」よりも85mm低い全高をも実現している。
ボディサイズが同じであれば、ホイールベースは160mm長くなり、オーバーハングが短いこともあって、「RAV4」よりも明らかに広いインナースペースを確保している。

ロングホイールベースとショートオーバーハングのおかげで、室内は非常に広々としていると思われる。

近未来的なテスラスタイルのステアリングホイール

インテリアでは、「bZ4X」はいくつかの興味深いソリューションを提案している。
最も印象的なのは、テスラを彷彿とさせるステアリングホイールで、「ステア バイ ワイヤ」機能とともに標準装備される。
その長方形の形状は、空間の空気感を強調し、デジタル計器の表示を見やすくするためのものだ。
さらに、ダッシュボードの中央には大型のデジタルディスプレイが配置され、その下にはクライメートコントロール用のタッチサーフェスが備わっている。
センターコンソールには、数個のボタンと、ドライブプログラムを設定するためのロータリーコントロールが配置されている。
加えて、フローティングセンタートンネルの下には、大容量のストレージコンパートメントが兼ね備わっている。
高さ調整可能なフロアを備えたトランクは、装備によっては、リアシートを立てた状態で最大452リットルの容量を確保している。

bZ4Xコンセプトで発表したように、正方形のステアリングホイールも量産化される予定だ。ただし、当分の間、このモデルは欧州には導入されない。

安全性を高めるトヨタの新しいアシスタンス機能

オール電動の「bZ4X」には、第3世代の「トヨタ セーフティ センス(Toyota Safety Sense)」が搭載されている。
緻密に構成された支援・安全システムのネットワークに、新たな機能を追加することで、さらなる安全性を追求している。
進化したプリクラッシュシステムは、対向車や接近車をより早く検知し、必要に応じて速度を調整し、ブレーキ操作を行うようになっている。
また、常に最新の状態に保つために、「over-the-air」アップデートによって、ソフトウェアを継続的に更新し、改良することもできるようになっている。

450km以上の走行が可能

「bZ4X」は、当初、前輪駆動と全輪駆動の2種類の駆動方式が用意されている。
どちらのタイプも71.4kWhのバッテリーから駆動力を得ている。
エンジンにもよるが、450km以上の航続距離を実現し、オプションでソーラーパネルを搭載することで、さらに航続距離を伸ばすこともできるようになっている。
また、150kWの急速充電技術により、約30分で80%まで充電することができるようになっている。

フロント電動モーターバージョンを選択した場合、150kW(204馬力)の出力と最大265Nmのトルクを持つ「e-machine」が搭載される。
これにより、0から100km/hまで8.4秒で疾走することができる。
さらにオフロード性能を高めるために、スバルと共同開発した160kW(218馬力)、最大トルク336Nmの全輪駆動車が用意され、わずか7.7秒で0から100km/hまでの加速を達成する。
いずれも最高速度は160km/hに設定されている。
トヨタは現在、他のバージョンが投入されるかどうかについてはコメントしていない。
しかし、「e-TNGA」プラットフォーム自体は、その柔軟な設計オプションにより、さらに多くのパワートレインを搭載できる可能性を秘めている。

「bZ4X」の価格は4万ユーロ(約530万円)以下を想定

トヨタはまだ「bZ4X」の正確な価格を発表していない。
しかし、ベーシックバージョンは4万ユーロ(約530万円)弱からスタートするものと推測している。
「bZ4X」を購入したい人は、しばらくの間、我慢しなければならない。
この電気自動車SUVは、2021年12月から注文を受け付け、最初のモデルがディーラーショールームに並び始めるのはおそらく2022年半ばになるだろう。

いよいよ発表される「bZ4X」。満を持してトヨタが発売するEVなのだから、走行性能を含め、その内容や価格は相当魅力的なものになるのだろう、と推測される。四角いステアリングホイールや、航続距離のことばかりに注目が行ってしまうが、実は個人的に興味があるのが、オプション設定と言われる「ルーフソーラー発電システム」である。これをつけることにより、一年間で1800kmほどを太陽光発電で走れるようになるというから、かなりのものだ。
「プリウス」にもソーラーパネルを持ったモデルがあったし、今のモデルでも存在しているのだが、それよりも効率は格段に上がっているらしい。もちろん、ソーラーパネルシステムだけで完全に事足りるようになるのはまだまだではあるが、こういったシステムを開発・普及させようとする方向性には大賛成だ。私が生きている間に、どこまで進化するのか、楽しみにしていたい。

Text: Moritz Doka and Sebastian Friemel
加筆: 大林晃平
Photo: Toyota