【ニューモデル情報】 MEBプラットフォームを採用した初のEV 新型VW ID.3 全情報!
2021年10月22日
ID.3は、MEBプラットフォームをベースに開発されたVW初のEVで、フルデジタルのインテリアを持ち、 最大204馬力を発揮、航続距離は最大549kmにもなる。すべての情報!
VW ID.3のハイライト:
● VW ID.3は「MEB」プラットフォームをベースに開発された
● 最高出力204馬力、航続距離550km
● インテリアにはボタンがほとんどない
➤ 価格
➤ サイズとデザイン
➤ インテリア
➤ テスト
➤ バッテリー、航続距離と電動モーター
➤ 装備
価格: ID.3プロは35,460ユーロ(約468万円)から
「VW ID.3」のエントリーレベルは「ピュア(Pure)」という名だ。
150馬力(110kW)の出力と、45kWhのバッテリーを搭載し、航続距離は351kmとなっている。
この電気自動車の装備はスタンダードモデルの場合、かなり貧弱で、50kWの出力でしか充電できない。
大容量のバッテリーは、「プロ(Pro)」バージョンの装備で利用できる。
価格は35,460ユーロ(約470万円)で、59kWhのバッテリーで、最大426km分の電気を蓄えることができるようになっている。
サイズとデザイン
「ID.3」は、VWの「MEB」電動モデル用プラットフォームを採用した最初のモデルだ。
基本的には、「ゴルフ」のシルエットを踏襲しているものの、細かな改良と空力的な最適化が施されている。
例えば、フロントには、当たり前のことながら、ラジエターグリルはない。
その代わりに、装備の充実したモデルでは、ヘッドライトから始まる2本のLEDストリップが、左右のVWロゴを縁取るように配置されている。
ヘッドライト自体は、マトリクスLEDで構成されている。
サイドビューでは、Cピラーに施されたダイヤモンド型のパターンがデザイン上のアクセントになっている。
充電ポートは、従来のVWモデルのフューエルキャップの位置に配置されている。
リアでは、ダークコントラストのガラス製テールゲートが特に目を引く。
テールゲートの三方は、空力要素で囲まれており、下部の照明デザインはフロントと同様に、照明からロゴに向かって2本の光が伸びているが、フロントのものよりも短くなっている。
サイズはゴルフに似ている:
● 全長: 4.26メートル
● 全幅: 1.81メートル
● 全高: 1.55メートル
● ホイールベース: 2.77メートル
● トランク容量: 385リットル
ID.3の内部は、ほとんどボタンなしで管理されている
「ID.3」のインテリアには、「ゴルフ8」のように、ほとんどボタンはない。
パワーウィンドウとハザードランプのコントロールボタンを除けば、従来のコントロールユニットは、すべてタッチサーフェスに置き換えられている。
ステアリングホイールの後ろには、「BMW i3」を彷彿とさせる、デジタルスピードメーターを表示するスクリーンがダッシュボードに設置されており、ギアセレクトレバーはディスプレイの側面に組み込まれている。
また、ドライバーに向けられた、10インチの中央ディスプレイも、ダッシュボード上に設置されている。
タッチ操作やボイスコマンド、(”Hello ID”)での操作が可能となっている。
ダッシュボードに設置された、「ID.Light」と呼ばれる光の帯は、車が現在、ドライバーと助手席のどちらに反応しているかを示している。
ライトやフロントガラスヒーターのスイッチを入れるには、ステアリングホイールの左側にあるダッシュボードの中に、別の小型タッチコントロールユニットを使って行う。
オプションで、インテリア用の拡張現実(AR)付きヘッドアップディスプレイが用意されており、例えば、車の3~10メートル前の道路上にナビゲーションコマンドを視覚的に生じさせることができるようになっている。
「ID.3」では、通常はセンタートンネルで占められているスペースを、収納、カップホルダー、そしてオプションのスマートフォン用誘導式充電ステーションに使用している。
長距離テストで印象的だったID.3
我々の「ID.3」最初のテストの結果は複雑なものだった。
長距離走行では、シャシーとステアリングも貢献しているのか、良好なドライビングだった。後輪駆動と効果的な重量配分のおかげで、このコンパクトな電気自動車は、急なカーブでも破綻することなくスムーズにすり抜けていくことができた。
インテリアでは、硬いプラスチック面が多いことや、シートバックの布地が乱雑に縫われていること、フロントガラスがフレーム内で数ミリ非対称にオフセットされていることなどが、ネガティブな印象を与えた。
我々の「ゴルフ」との比較テストでは、「ID.3」は、VWのベストセラーの座を奪うことは(まだ)できなかった。
接続性のチェックの結果も複雑だ。
最新のタッチコントロール、(”We connect ID”)アプリ、省エネのためのヒントなどはプラスとして評価されたが、システムの一部のパフォーマンスの低さや、インテリジェントではない音声コントロールの印象は好ましいものではなかった。
ID.3のバッテリーは、最大77kWhの容量を持っている
「ID.3」を駆動するのは、リアアクスルに搭載された永久磁石式のシンクロナスモーターだ。
3つのバージョンは、それぞれ、107kW(145馬力)+275Nm、110kW(150馬力)+310Nm、150kW(204馬力)+310Nmを発揮する。
そして、入力式のギアボックスが、後輪を介してパワーを路面に伝える。
VWは、電気自動車用に航続距離の異なる3つのバッテリーパッケージを用意している。
45kWhのバッテリーで最大352kmの走行が可能なエントリーレベル、58kWhのミディアムバージョンでは426kmの走行が可能だという。
最大のバッテリーは77kWhを蓄え、その場合には、最大549kmの走行が可能となっている。
電気自動車らしく、最高速度は制限されており、「ID.3」では160km/h以下となっている。
急速充電技術(充電出力100kW)を使えば、290km分の電気を、30分で充電することができるようになっている。
「ID.3」のバッテリーには、8年または16万kmの保証が付いている。
装備: 大容量バッテリーを搭載した5人乗りのモデルも登場
5人乗りで最大のバッテリーを搭載したモデルは、今まではなかった。
「ID.3」のコンフィギュレーターには、このことを可能にする新しい装備オプションが登場した。
これは「ツアー5」と呼ばれるもので、リアベンチにもう1席用意され、77kWhの大容量バッテリーと204馬力の最強電動モーターを意味する「プロS」構成となっている。
これまで最大のバッテリーを搭載したID.3が4人乗りしかなかったのは、その重さが原因だった。
今回、追加のシートを搭載するために、フォルクスワーゲンがどの部分を変更したのかは不明だ。
考えられるのは、バッテリーセルの変更か、その他の部分での軽量化や形状変更だろう。
5人目のシートは、航続距離に大きな影響を与えない。
航続距離は544kmとされており、4人乗りよりも5km少ないだけだ。
ただし、重いパノラマガラスルーフは、77kWhのバッテリーと組み合わせて注文することはできない。
「VW ID.3」には、自律走行に向けた様々なアシストシステムが搭載されている。
エマージェンシーブレーキ機能と、マルチコリジョン(多重衝突)ブレーキを備えたフロントアシスト、レーンキーピングアシストとレーンチェンジアシスト、バックカメラ付きパーキングアシスト、マニューバーブレーキ機能付きパーキングエイドなどだ。
オプションのリストには、75kgの積載能力を持つ特別なヒッチが含まれており、より重い自転車などの輸送を可能にしている。
また、VWが独自に開発した、ウォールボックス「ID.Charger」は、充電容量の異なる2つのバージョンが用意されている。
このウォールボックスは、インターネットに接続して遠隔操作したり、電力メーターを搭載したりすることも可能となっている。
Text: Katharina Berndt, Andreas Huber and Tom Drechsler
Photo: Volkswagen AG