【初テスト】新型BMW i4に初試乗&インプレッション シートチェック&テクニカルデータを含めた全情報!
2021年10月21日
BMWの新しい電動セダン「i4」は、最大544馬力を発揮する。i4で、フルEVセダンを路上に送り出す – 最初は2つのバリエーションで。i40 M50の情報と走行レポートをお届け。
➤ 市場ローンチ時期と価格
➤ 外観とサイズ
➤ インテリア
➤ 走り(アップデート情報!)
➤ 装備
➤ テクニカルデータ
BMW i4の価格は6万ユーロ(約790万円)以下から
「i4」は、BMW初の電気自動車セダンだ。
従来のスポーティなデザインに加え、電気自動車SUV「iX」の内装に、大型曲面ディスプレイを採用し、航続距離は最大590kmだ。
最初のモデルは、2021年11月から、ディーラーで販売される予定となっている。
価格は、ベースモデルが58,300ユーロ(約770万円)からで、544馬力の「i4 M50」は69,900ユーロ(約920万円)からとなっている。
ただし、ここから電気自動車の環境ボーナス(助成金)が差し引かれる。
外観: BMW i4は、電気自動車の4シリーズ グランクーペになる
「コンセプトi4」のスタディを、できるだけ近いかたちで市販モデルに反映させるというBMWの約束は守られたと言えるだろう。
巨大なクローズドダブルキドニーは、スカートの基本的なデザインや、空気の導き方と同様に、量産車への移行にも生き残っている。
そのデザインは、やはり、2021年末までに新型が発表される予定の、「4シリーズ グランクーペ」をベースにしている。
フロントオーバーハングは、スタディモデルよりもわずかに長くなっているが、市販モデルでは、ショーカーの短いリアオーバーハングを維持している。
リアでは、「iX3」と「iX」でおなじみの、ディフューザーインサートが新たな解釈で採用されている。
さらに、よりスポーティなエプロン、アダプティブMサスペンション、バリアブルスポーツステアリング、Mスポーツブレーキ、最大20インチのホイールを装備した「Mバージョン」も用意されている。
電気自動車にはトレーラー用カップリングがオプションで用意されている
「BMW i4」の重心は、「3シリーズ」よりも53mm低くなっている。
しかし、2,050kgの車両重量を持つ「i4」は、重量もかなり重くなっている。
興味深いことに、セダンには、電動で伸縮可能なトレーラーヒッチが備わっている。
他の電気自動車とは異なり、BMWは、実際に何かを引っ張ることができるようになっているのだ: 最大1.6トンまで可能。
サイズ一覧:
● 全長: 4785mm
● 全幅: 1852mm
● 全高: 1448mm
● ホイールベース: 2856mm
● トランク容量: 470~1290リットル
● 牽引能力: 最大1,600kg
インテリア: シーティングポジションに不満が残る
シートテストでは、インテリアにも驚かされた。
BMWが「i4」に、完全に独立したコックピットを与えてくれると期待していた人は、間違っていた。
電気自動車の4輪車は、かなりオーソドックスな印象を与える。
というのも、最近のミュンヘン製ミッドレンジカーの操作性は非常に優れているからだ。
必要なところにボタンがあり、最新のインフォテイメントを備えている。
「i4」のコックピットのハイライトは、BMWのお馴染みのモデルに搭載されていた従来のスクリーンに代わって、兄貴分である「iX」とのつながりを形成する、湾曲した大型ディスプレイユニットだ。
2つのスクリーン(10.4インチと14.7インチ)には、計器類やインフォテインメントのコンテンツが鮮明に表示される。
ディスプレイは新しいもので、グラフィックタイルによる個性化が可能となっている。
伝統的な価値観に立ち返る
我々のテスト車両がスポーティなトップバージョンの「i4 M50」であることから、インテリアもスポーティになっている。
スポーツステアリングや、スポーツシートなど、「Mモデル」のような雰囲気を備えている。
しかし、1.95メートル以上の長身の人が運転席に座るとヘッドライナーにぶつかる危険性があり、シートポジションが従来のBMWほど低くないのが気になるところだ。
ここでは、フロアに搭載されたバッテリーが悪影響を及ぼしており、「i4」は広さの点で、「テスラ モデル3」の対抗馬としての主張に応えていない。
後部座席についても同じことが言える。
平均的な体格の人であれば、中距離の移動でもここで満足できるはずだが、AUTO BILDの編集者であるピーター フィッシャーは、身長が1.95メートルということもあり、猫背の姿勢を強いられている。
走り: i4はツーリングの資質を備えたボリード
新型「BMW i4 M50」は、795Nmのトルクと544馬力を発揮する。
右足を下ろせば、強力に前進する。
その通り。
4秒以下で100km/hに到達するのはとても簡単で、2.3トンの重量を持つ4ドア車は、まっしぐらに(電子制御された)225km/hの壁にまで突進していく。
車は非常に静かで、200km/h以上の速度でのみ、風が真剣にピラーを駆け巡る。
聞こえてくるのは、せいぜいホイールアーチからの基本的な音だけで、そこには、20インチのタイヤが転がっていることがわかる程度だ。
BMWは、「i4 M50」のために、特別なサウンドエクスペリエンスを創造した。
例えば「スポーツモード」では、荷重変化やプッシュモードでも、アクセルペダルの動きに合わせてスピーカーから流れる音が、特にフルボディで力強く響く。
パワフルな内燃機関の存在感を醸し出している。
2基の電動モーターのパワーデリバリーは、EVとしては典型的なものであり、BMWにふさわしいものである。
全く問題なく、ダイレクトに、必要に応じて獣のように、そして右足の感覚次第では適度に優しく、きめ細やかに適応する。
その結果、BMW i4は、いつでも、どこでも、揺るぎなく、一流の道路とのつながりを実現している。
とはいえ、その仕事を完璧にこなすわけではない。
例えば、ドライビングエクスペリエンスは刺激的だが、常に人工的に感じられる。
ステアリングはもっと反応がよく、クルマは、轍を怖がらずに走り、指先でクルマを操作できるようにすべきだ。
狭い道、カーブの多いコース、でこぼこした路面などなど、どうかもっと気持ちよく張り切ってほしい。
装備: スポーツシートとそれに合わせたステアリングホイールが標準装備
BMW i4はスポーツ性と快適性を両立させるために、防音ガラス、スポーツシート、スポーツステアリングホイールなどを標準装備している。
また、電気自動車らしく、走行前に車内を暖めたり、エアコンで冷やしたりすることもできる。
残念ながら、シートヒーターやシートベンチレーション、ガラス製サンルーフ、レーザーライトなどは別料金となる。
また、MカーボンエクステリアパッケージやMパフォーマンスパーツなど、車をよりスポーティに見せるためのさまざまなオプション施策も用意されている。
約40種類のアシスタンスシステムのうち、前面衝突警告システム、交通標識認識システム、車線逸脱警告システム、パーキングビーパーに加えて、リアビューカメラも標準装備されている。
そして、追加料金を支払えば半自律走行も可能となる。
これには、アクティブクルーズコントロールやステアリングガイダンスアシスト、レーンガイダンスアシストなど、さまざまな電子制御装置が併用されている。
テクニカルデータ: BMW i4の航続距離は最長で590km
発売時には、2種類のエンジンバリエーションが用意されている。
バッテリーはどちらも同じで、グロスで83.9kWh、ネットで81.5kWhのエネルギー量を誇る。
弱めのモデルである「i4 eDrive40」は、リアアクスルに電動モーターを搭載し、250kW(340馬力)と430Nmを発揮し、ゼロから100km/hまで5.7秒で加速する。
航続距離は590kmだ。
よりパワフルな「i4 M50」の航続距離は、当然ながらやや短くなり、最大で510kmとなる。
一方、電動モーターは1軸につき1基搭載されており、全体で400kW(544ps)、795Nm(ブーストモード時)を発生する。
0から100km/hまでの到達時間は、トップモデルでは3.9秒となっている。
バッテリーへの充電は最大200kWまで可能だ。
急速充電ステーションでは、わずか10分で「eDrive40」の航続距離164km、「M50」の航続距離140kmを充電することが可能となっている。
結論:
「BMW i4 M50」は、544馬力の出力を持ちながらも、決して精密なレーシングマシンではない。
むしろ、ツーリングに適したパワフルなドライビングマシンといえるだろう。
BMWは、電動部分の開発に優れた技術を見せているものの、操作コンセプトはやや過剰と言える。
Text: Jan Horn, Peter R. Fischer, Katharina Berndt and Andreas Huber
Photo: BMW Group