速報 IAAレポート メルセデス・ベンツのショーカーその3 電動Eクラス メルセデスEQE

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メルセデスはEクラスにも電気駆動を与える。

ミュンヘンで開催されているIAA(ドイツ国際モーターショー)会場からのレポート。メルセデスEQEは、EQSからハイパースクリーンを受け継いでいる。テクノロジーとインテリアは、兄貴分のEQSをベースにしている。すべての情報とシートチェックはこちら。

➤ 市場ローンチ時期と価格
➤ 外観
➤ インテリア
➤ トランク/リア
➤ プラットフォーム/航続距離
➤ ドライブトレイン

メルセデスEQEの市場導入は2022年半ば

2030年までに、メルセデスの新車販売台数の半数に、電気駆動装置が搭載されることになっている。
そのスタートとなるのが、現在注文を受け付けているトップモデルの「EQS」だ。
1クラス下の、EQE(社内コード:V296)は、2022年半ばに発売される予定だ。
電気駆動のミッドクラスセダンは、実質的に内燃機関を搭載した「Eクラス」と同じ長さで、室内のサイズは、現在中国でのみ販売されているロングホイールベース車に匹敵する。
今回、ミュンヘンで開催されているIAA(2021年9月7日~12日)でワールドプレミアされた電動式「Eクラス」が、市場に投入されるのは2022年半ばになると思われる。
我々はすでに実際に「EQE」に乗り込み、シートチェックもおこなった。

メルセデスのEQEは、EQSの「ワン ボウ デザイン」を採用

当然のことながら、「EQE」は「EQS」の弓状のシルエットを採用している。
メルセデスはこのラインを「ワン ボウ デザイン(One Bow Design)」と呼んでいるが、これはスペースの確保に貢献するものと考えられる。
3.12mのホイールベースと合わせて、車の長さも非常に長くなっている。
「EQE」のフェンダーは、「EQS」よりもわずかにフレアしており、よりスポーティな印象を与えている。
「ダイナミックなハンドリングとゆったりとした走行性を両立させる」という、セダンのコンセプトを反映して、ずんぐりとした外観になっている。

ウイルスや細菌を寄せ付けないHEPAフィルター

これはフロントにも反映されており、典型的なメルセデスの「EQデザイン」が採用されている。
連続した帯状のライトではなく、目を細めたことを連想させるグラフィックが施されたグリム状のヘッドライトが備わっている。
ここに、追加料金で「デジタルライト」を取り付けることもできるようになっている。
また、クローズドブラックマスクにも、小さなメルセデスの星がオプションで用意されている。
更に望むなら、「AMGパッケージ」も用意されている。
スポーティなエプロンを装着した「EQE」は、「EQS」のcd値の0.2にもほぼ達している。
開かないフロントフードの下には、大型の「HEPA」フィルターが設置されており、ウイルスやバクテリアがコックピット内に侵入するのを防ぐようになっている。

ウォッシャー液用はこのフラップを開けて補充する。

リアはEQSよりも好印象

リアは丸みを帯びているが、やや高い位置にある「EQS」よりも、少し好ましい印象を受ける。
リアを特徴づけるテールランプは連続したライトストリップで、電動モーターの銅線のコイルを思わせるような巻き方で横方向に伸びている。
このライトグラフィックは、クラスの違いを示すために縦のスラットが片側少なくなっている。
ちなみに、メルセデスは、「Cクラス」、「Eクラス」、「Sクラス」のライトユニットのLEDポイント数も同様にしている。

Photo: Daimler AG
フレア状のフェンダーにより、大型のEQSに比べて、EQEはややがっしりとしたスタンスになっている。リアエンドは、より美しい外観となっている。Photo: Daimler AG

巨大なハイパースクリーンをオプション設定したメルセデスEQE

ドライバーズキャビンは、実質的に「EQS」のものを1対1で引き継いでいる。
大きさの異なる、2つの独立したスクリーンを備えた2つの基本構成に加えて、価格表の一番上には「ハイパースクリーン」が待っている。
そこには、幅141cm、面積2432平方cmのガラスパネルに、3つのスクリーンが収められている。
3つ目は助手席用で、人が座っているときだけアクティブになるように設定されている。

メルセデスは、巨大なハイパースクリーンをEQEに追加料金で取り付ける。助手席のスクリーンでは動画を再生することができる。Photo: Daimler AG

今回のハイライトのひとつは、初めて、助手席で動画が再生できるようになったことだ。
ただし、ドライバーがスクリーンを見ると、すぐにスクリーンは解除されるようになっている。
これは、デジタルコックピット内のアイトラッキングセンサーによってモニターされており、この機能は「EQS」にも搭載されている。
「EQE」には、最新世代の「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザーエキスペリエンス)」インフォテイメントシステムが採用されている。
このシステムは学習機能を備えており、かなり高性能なボイスコントロールシステムを装備している。

コックピット内のスペースは広く、動きの自由度も十分にある。背の高い人でもルーフに頭がつくことはないが、車両フロアにバッテリーが搭載されているため、シートの位置が「メルセデスEクラス」よりも高くなり、それが着座位置や空間の感覚に若干の影響を与えている。

トランクの容量は430〜770リッター

リアへ移動してみると、2列目のスペースは非常に大きく、「メルセデスEQE」は、「Eクラス」よりも約8cm広いレッグルームを提供している。
これは、ほぼフラットなフロアと相まって、快適なスペース感をもたらしている。

EQEのリアシートはとても快適だ。ただ、背の高い人には横のルーフバーが少し邪魔になる。

ヘッドルームは?

メルセデスは、ルーフラインをクーペのように傾斜させるための仕掛けを考え出した。
パノラマルーフをさらに後退させ、後ろのガラスの真下に座るようにしたので、頭上のスペースが広くなっている。
しかし、ルーフバーが少し邪魔になるので、この方法は限られた範囲でしか使えない。
さらに、大きなガラス製ルーフを採用したことで、トランクリッドのヒンジがリアウィンドウの上ではなく、下になっている。
430~770リットルという、収納容積は相当なものだが、アクセス性はやや損なわれている。

600kmを超える航続距離を実現するEQE

「EQE」は、兄貴分の「EQS」と同じく、「EV2」プラットフォームを採用している。
当面、バッテリーは1個のみで、正味容量は90.6kWhとなる。
これにより、600kmを超える航続距離を実現する。
400ボルトの技術により、「EQE」は最大200kWで充電することができる。
メルセデスはまだ充電時間を発表していないが、約15分で300km分の電力を充電できる「EQS」と同等の時間になると思われる。

発売時のパワーユニットは2種類

市場投入時のパワーユニットのバリエーションは2種類だ。
1つ目は、210kW(286馬力)の出力を持ち、リアアクスルにモーターを搭載した「EQE 350」だ。
2つ目のエンジンの詳細はまだ決まっていない。
しかし、このプラットフォームには、フロントアクスルに第2のエンジンを搭載するスペースがあることから、全輪駆動で、よりパワーのあるモデルになると思われる。
また、「EQE」にはエアサスペンションがオプションで用意されている。
リアアクスルのステアリングは追加料金が必要となる。
ここでは、4.5度と10度の2つのオプションが用意されている。
「EQE」は、レベル3の自律走行が可能だと噂されているが、メルセデスはこの件については、質問しても何も答えてくれなかった。

Photo: Daimler AG

価格はおそらく7万〜7万5,000ユーロ程度

「メルセデスEQE」の発売は、2022年半ば以降になる見込みだ。
価格はまだ決まっていないが、「EQE」は、7万ユーロ(約924万円)から7万5千ユーロ(約990万円)の間でスタートすると推定される。
市場投入時には、豊富な標準装備を備えた「エディション1」が限定発売される予定だ。

結論:
「EQE」が少しだけ手頃な価格となるたかもしれないことから、 ダイムラーの電動セダンの世界に入るには最適かもしれない。もちろん、多くの機能は追加料金が必要だ。
しかし、基本的には、大型の「EQS」にも搭載されているほとんどの機能が提供される。
「EQS」の初テストでは、テスターに、グレード1の革新的なドライビングエクスペリエンスをもたらした。果たして「EQE」にも同様のことができるかどうか、興味津々だ。

Text: Georg Kacher, Michael Gebhardt and Moritz Doka