やるか、やめるか、ジャーマンアウトバーン 自動車愛好家の理想郷? スピードリミットなしのドライビングプレジャー
2020年3月9日
ドイツは、本当に、本当に速く車を運転してみたい人たちの楽園だ。以下、制限速度のないアウトバーンで運転するための最も重要なルールの一部を説明する。
スピードマニアたちは近隣諸国からだけではなく、米国や中国からもやってくる。ドイツを訪れれば、ほとんどどこでも運転の楽しさを「妨害」するような厄介な速度制限なしに高速運転のスリルを楽しむことができる。たとえば、他のヨーロッパ諸国では、通常、100〜140 km/hに速度は制限されている。しかしドイツのほとんどすべてのアウトバーンで、最終決定権を持つのはあなただ。
もちろん、アフガニスタン、ブータン、ハイチ、レバノン、モーリタニア、ミャンマー、北朝鮮、ソマリアなど、速度制限のない国々もある。しかし、それらの国ではほとんどの場合、高速道路の速度よりもインフラの面で大きな危険が待ち構えている。道路税10日間分の10ユーロ(約1,250円)さえ払えば、あなたも思う存分アウトバーンを楽しむことができる。
ドイツに着いたら、あなたは早速、自分のあなたの選んだスポーツカーの運転席に滑り込む? その気持ちもわかるが、まあそう焦らないで。まず、適切なレンタカーの予約など、いくつかの準備をする必要がある。もちろん、ドイツのレンタカー会社は目的のために必要な「ツール」を提供してくれる。ほとんどのレンタカー屋さんが、ジャガーFタイプ、BMW M5、VWゴルフGTI、またはポルシェ911カレラをレンタルしている。 しかしいくつかの決まりがある。ドライバーの最低年齢は27歳で、クレジットカードを二枚提示する必要がある。初心者ドライバーも対象外だ。少なくとも3年間ライセンスを取得している必要がある。
(通常は穏やかな)ハリウッドスターのトム ハンクスも、ドイツのアウトバーンの“スピードリミット”なしに魅了された一人だ。彼は「レイトショー」のホストであるデイビッド レターマンに、『クラウド アトラス』の制作中に、運転手(元レーサー)付きのVW T5で、ドレスデンからベルリンまで120マイル(約193km)のアウトバーンの旅を、
「17分、時速125マイル(200km/h)のように感じた」
と語った。
ハンクスは非常な感銘を受けたと言う。「ポリスは後ろにはいない」と言いながら、彼はカメラに向かって叫んだ。「あとはただアクセルを踏んでかっ飛ばすだけだぜ、ベイビー!」、と。
ご興味のある方はYouTube動画をどうぞ。
トム ハンクスはドイツでの映画撮影時、スタジオへの行き帰りに借りたクルマの運転を雇った元レーサーに任せていたらしい。その元レーサーとの痛快なアウトバーンでの体験を興奮気味に語る。
https://youtu.be/B3h2Rw1mHew
世界中からのドイツを訪れたスピード狂が、トータルで8,000マイル(訳12,880km)を超える素晴らしいアウトバーンを満喫できる。約65のアウトバーン区間には速度制限がまったくない。しかし、速度制限なしで運転することは、まったく無制限のロードレースの資格を得るということにはつながらない。ところどころに「推奨速度」や自主規制の時速80マイル(約129km/h)といったものも設けられている。
アウトバーンで運転するための最も重要なルールは次のとおりだ。
1.後ろにぴったりくっついて走ることは厳しく禁止されている。
ヘッドライトを点滅させて、目の前を走る車に道を譲らせることは、強要と見なされ、厳しい罰則と罰金か、場合によっては最大3年の刑に処せられる。また、免許を失う可能性もある。
2. 右側から追い越さないように!
また、アウトバーンで、前を行くより遅い車を追い越すために左車線に入る場合でも、はるかに速い車が後ろから来ているかもしれないことを想定する必要がある。
3. 緊急レーンでは絶対に停止しない!
もちろん、車が故障した場合や、車内の誰かが病気になった場合など、緊急事態である場合を除く。ガス欠も緊急事態とみなされる。
常に覚えておくこと: 緊急レーンで車から降りるときは、反射ベスト(通常は車のトランク内に付属)を着用する。乗客はガードレールの安全な側に立たせる。ハザードランプをつけて、警告三角板を設置し、すぐに助けを呼ぶ。決して電話をかけるためだけのために緊急レーンにクルマを停めないように!
4. アウトバーンでUターンを行うと、命にかかわる危険性があるため、いかなる状況下でも禁止されている。
自分ばかりか、他の何百人ものドライバーを危険にさらすUターンを行うと、たとえ命が助かっても、その罰則は極めて厳しいものとなる。
5. 三車線のアウトバーンの左側車線での悪質な運転は、「右側走行違反」に当たる。
法律は、常に右側車線を走行するよう求めている。常に左側の車線、つまり「追い越し車線」に留まり続けることは、アウトバーンの「右側走行違反」となる。
6. アウトバーンを出るときは、経験則として出口ランプの200〜300ヤード(182.88~274.32m)手前でシグナル(ウィンカー)を点滅させることが求められる。
ただし、この規則が求められることはほとんどといってない。
Text: autobild.de
Photos: Werk