伝説のクロスカントリービークル トヨタ ランドクルーザーJ7 37年ぶりにフェイスリフトか? 最新情報

1200
- Advertisement -

トヨタ ランドクルーザーJ7ほど、伝説的な、耐久性とタフさを備えたクルマはほとんど存在しない。オーストラリアでは、このオフローダーは37年経った今でも新車として販売されているが、今回フェイスリフトが施されることになりそうだ。最新情報!

「トヨタ ランドクルーザーJ7」は、事実上、破壊できない車だ。
ジェレミー クラークソンがカルト番組「トップギア」で見事に証明しただけではない。
中近東やオーストラリアでは、今でも新車として販売されている。
南半球の国では、今でも、毎年約1万台の新しい「ランドクルーザー70」が、ディーラーから世の中の路上に出荷されている。

今回取り沙汰されているのは、このシリーズには特別なモデルが登場するという噂だ。
オーストラリアの自動車ポータルサイト、「motoring.com」が報じたところによれば、旧い「ランドクルーザー」は近い将来、フェイスリフトを受けて、再び改良されるとのことだ。

ランドクルーザーのアップデートでは、おそらく最も必要な安全装備のアップデートのみが行われるだろう

次期フェイスリフトについては、現在まだあまり情報はない。
2020年には、6.1インチのスクリーンを備えたインフォテインメントシステムと、より多くのUSBポートがすでに導入されている。
2022年11月から、オーストラリアの新車は、より厳しい側面衝突保護規制に適合しなければならないため、今回のフェイスリフトは、おそらく安全面にフォーカスした、より実質的なものになると想定される。
これを実現するために、「ランドクルーザー」には2つのオプションが考えられる。
1つ目は、ラダーフレームを強化し、エアバッグを追加するなど、安全性を向上させるオプションだ。
2016年には、シングルキャブバージョンに、すでにこれらの機能が搭載されており、その後、他のボディも追随することになるだろう。

トヨタ ランドクルーザーJ7のオールドスクールなV8ディーゼル

このV8は、2007年から、ランドクルーザーJ7に搭載されており、200馬力を発揮する。

2つ目のオプションは、小型商用車から中型商用車への分類変更で、これにより、「ランドクルーザーJ7」は、厳しい衝突規制を回避することができるようになる。
しかし、その場合、許容積載量は、3トンから3.5トンに増加しなければならない。
最終的に、トヨタがどちらのフェイスリフトモデルを選択するかはまだわからない。
しかし、どちらのモデルにも、4.5リッターV8ディーゼルエンジンは、引き続き、搭載されるだろう。
最高出力205馬力、最大トルク430Nmを発揮し、排出ガス規制の「ユーロ5」に適合しているパワーユニットだ。
オーストラリアで、より厳しい「ユーロ6」が導入されるのは2027年なので、それまではV8が残り続けると思われる。

600台のランドクルーザーのアニバーサリーモデルに化粧直しを施した

ブラックファブリックシート、レザーステアリングホイール、ウッドルックアプリケーションが特徴的なスペシャルモデル。センターコンソールのプレートが誇らしげである(写真は現行販売モデル、マイナーチェンジモデルではない)。

今回のフェイスリフトに先立ち、トヨタは「ランドクルーザーJ7」の特別仕様車を発売する。
1951年に、「BJ」として発売された、「ランドクルーザー」が、70周年を迎えたことを記念した600台限定のモデルだ。
この特別モデルは、最上級グレードである「GXL」トリムをベースに、主に化粧直しに限定している。

3色の新色に加え、グリル、ホイール、ヘッドライトベゼル、フェンダー、フロントエプロンがブラックに塗装され、一部のロゴはアニバーサリーエディションを示すものとなっている。
少なくとも、フォグランプとデイタイムランニングライトはすでにLED技術を採用したものになっている。

「トヨタ ランドクルーザーJ7」の特別仕様車は、49,000ユーロ(約646万円)弱という価格だ。
インテリアでは、ブラッククロスのシート、レザーのステアリングホイールとギアシフト、ウッドルックのトリムパーツ、ブラックとシルバーのアクセントが雰囲気を高めている。
また、特別モデルでは、USBポートが2つ追加され、カップホルダーも2つ装備されている。
ボンネットの中のV8ディーゼルに変わりはなく、130リットルの燃料タンクや、5速マニュアルトランスミッションにも変更はない。
また、エアインテークも高くなっている。
ギアリダクションや、前後軸のリミテッドスリップデフも搭載されている。
牽引能力は3.5トンだ。
スペシャルエディションには、シングルキャブとダブルキャブ、そしてステーションワゴンが用意されており、2021年9月に販売開始され、価格は、約48,600ユーロ(約640万円)相当からスタートする。
欧州では、「ランドクルーザーJ7」は輸入代理店か中古車でのみ、販売されている。

日本でも先日、「ランドクルーザー300」がフルモデルチェンジされ、あまりの大人気のため、今現在に注文しても、納車は最低でも2年後、いやいや4年後(!)という声さえもあるほどだ。というか、そもそも一見さんにはオーダーさえ受け付けてもらえない、そんな状況らしい。
それは「ランドクルーザー300」の話で、今回の話は「J7」の話題、ということでぜんぜん違う話に思われるかもしれないが、実はどちらも「ランドクルーザー」ならではの話であることに変わりはない。
「ランドクルーザー」の一番の魅力、それはもう信頼性である。一にも二にも信頼性、それがすべて。アラブの砂漠も、ツンドラ地帯も、白いボディにUNと書かれたクルマから、原型をとどめないようなトラックに改装されたクルマまで、とにかく世界中の悪路で壊れることなく走り続けるクルマ、それが「ランドクルーザー」であり、これ以上のクルマはおそらく、ない。
だから今回の「J7」も、一番大切なのは、悪路で壊れずに走破し続ける性能であり、そういう意味では最新のエレクトロニクスデバイス満載の話題とは全く違う。ヘビーユーザーからしてみたら、「命に関わるから、下手に変えてくれるな。このままでいい」という要求の世界なのである。
プラグインハイブリッドもEVも不向きな土壌、そういう世界が、まだまだ地球上には存在している。完全なカーボンニュートラルなど不可能な地域も世界にはまだまだ多い、ということを忘れてはならない……。そんなことを痛感させてくれる「ランドクルーザー」のモデルチェンジである。

Text: Moritz Doka
加筆: 大林晃平
Photo: Toyota