【新車情報】アウディ 新型RS 3 アグレッシブなルックスで登場
2021年7月25日
アウディはついに新型RS 3を発表。それはよりアグレッシブなスタイリング、ドリフトモード、そして5気筒エンジンを搭載している。
➤ 市場ローンチ時期と価格
➤ 外観
➤ インテリア
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➤ エンジンラインナップ
アウディRS 3セダンはスポーツバックよりも2,000ユーロ(約26万円)高い
新型「A3」投入から、1年以上の時を経て、アウディはついに新型「RS 3」を発表した。
最も重要なことはすでに明らかになっている。
ボンネットの中の5気筒エンジンは健在で、馬力は変わらないものの、トルクは増加した。
それ以外、アウディは、400馬力エンジンには、大きな変更を加えていない。
アウディは、2021年8月中旬から、新型「RS 3」の最初の注文を受け始め、秋には市場に投入する予定だ。
価格もすでに発表されており、「RS 3スポーツバック」が6万ユーロ(約786万円)、セダンが6万2,000ユーロ(約812万円)からとなっている。
オプションのマトリクスLEDライトには、特別なカミングホームグラフィックが施されている
新型「RS 3」のデザインは、先代モデルよりも、大幅に意表を突いたものになっている。
フロントでは、ヘッドライトをつなぐ新しいブラックマスクと、より大きく、より角張った、シングルフレームが主な特徴だ。
その下のフロアには、成長したサイドエアインテークを備えた新しいエプロンがある。
その両方とも、新デザインのやや粗いメッシュのグリルで閉じられている。
フラットなヘッドライトは、「A3」にも採用されているものだ。
このヘッドライトには、LEDテクノロジーとダイナミックターンシグナルが標準装備されている。
マトリックスLEDテクノロジー(オプション)には、特別なカミングホームグラフィックが追加されており、そのマトリックスLEDテクノロジーを採用したライトシグネチャーは、下向きの四角い部分のLEDが、左ではフィニッシュフラッグを形成し、右ではR-S-3の文字が次々と現れるようになっている。
フロントホイールアーチ後方のニューエアインテーク
プロフィールでは、フレア状のフロントホイールアーチの後ろに新しいエアインテークを設け、コンパクトをさらにスポーツに近づけていて、このデザインは、電気自動車の「e-tron GT」にも採用されているものだ。
トレッドは33mm拡大されていて、19インチのキャストホイールの後ろには、オプションでグレー、レッド、ブルーから選べるキャリパーを備えた新しいセラミックブレーキが設置されている。
新開発のスチール製ブレーキ(キャリパーはブラックが標準、レッドはオプション)が標準となる。
さて、次はリアだ。
LEDテールライトの形状が、「A3」から変更されていることはすでに知られているが、トランクリッド下のブラックエレメントは新しいもので、ここでは、フロント同様、ハニカムグリルが装飾的に採用されている。
パーキングセンサーがほとんど目立たなくなったのも良い変化だ。
リヤエンドには、左右に1本ずつ配された楕円形のテールパイプと、新設計のディフューザーが取り付けられている。
アウディRS 3にヘッドアップディスプレイを初搭載
我々は、新型「アウディRS 3」のシートをすでに試してみた。
基本的には、「アウディA3」のインテリアを踏襲しているが、最大の変更点は、10.1インチの中央スクリーンがなくなり、ダッシュボードの中に設置されたことだ。
ここでは、ナビやスマートフォンとの連携といった通常のインフォテインメント機能に加えて、冷却水の温度や、エンジントランスミッションオイルなどの特別なパラメーターを表示することができるようになっている。
従来通り、12.3インチのデジタルコックピットには、スポーティなコンパクトカーに必要なあらゆる情報を専用ディスプレイで表示する。
Gフォース、ラップタイム、ゼロから100km/hおよび200km/hまでの加速、1/4または1/8マイルのタイムなど、スポーティなコンパクトカーに必要な情報がすべて表示されるようになっている。
また、3代目では初めてヘッドアップディスプレイを採用した。
もちろん、インテリアのスポーティ感を高めるには、特別な計器類だけでは不十分だ。
インストルメントパネルはカーボン製で、運転席と助手席には横方向のサポート性に優れたRSスポーツシートが採用されている。
12時の位置に配置されたスポーツステアリングホイールは、底面が平らになっており、新しいシフトパドルを装着し、右スポークにはRS専用のドライビングモードを設定する「RSモード」ボタンが新たに装備されていて、手に馴染む。
RSデザインパッケージプラスがアウディRS 3の外観をさらにシャープにする
写真の車両は、「RSデザインパッケージプラス」を採用したインテリアが特に大きな特徴となっている。
ベルトエッジ、シートショルダー、エアアウトレットのバーをスポーティなレッドにし、さらにレッドのデコレーションステッチを施している。
また、これらのパーツは赤ではなく、要望に応じて緑もチョイスすることができる。
これらのアクセントにより、一目見ただけで、誰もが「A3」のホットなモデルであることがわかるはずだ。
後部座席は対照的だ。
前方の雰囲気に圧倒され、すぐにでもレース場に行きたくなる一方で、リアシートと空間も非常に快適なものだ。
RS 3は、アウディとして初めてドリフトモードを搭載している
「RS 3」にはプレミアがついている。
それは、スポーツアウディとして初めて、いわゆるトルクスプリッタリングを採用したことで、このリアアクスルトランスミッションは、VWの「ゴルフ8 R」や「ティグアンR」ですでにおなじみのものだ。
これは、リアアクスルのパワーを、2つの後輪に個別に分配するもので、1つのホイールにつき最大1750Nmを発揮する。
この技術は、アンダーステアやオーバーステアを過去のものにするだけでなく、新しいドライビングモード「RSトルクリア」に隠された、専用のドリフトモードを実現するための完璧な前提条件でもある。
試作車での最初の走行では、車はほとんど難なくドリフト体制に入る。
2つ目の新しいドライビングプログラムは「RSパフォーマンスモード」と呼ばれ、レーストラックのために特別に開発されたものだ。
RSスポーツサスペンション(A3より25mm低い)、専用チューニングのプログレッシブステアリング、走行モードに合わせて最適なサウンドを奏でるフラップ式エグゾーストを標準装備している。
RSスポーツエグゾーストシステムはオプションで、「RS 3」に初めて採用されたセミスリックもオプションで用意されている。
アウディRS 3の5気筒エンジンは、トルクが向上した
さて、次はエンジンの話だ。
ボンネットの下には、従来通りの5気筒、2.5リッターのTFSIが残っている。
しかし、駆動部に手が加えられたことで、トルクが20Nm増え、合計500Nmになっている。
これにより、先代モデルも持っていた400馬力が、より早く、より長く得られるようになった。
シフトは再び7速DSGが担当し、アウディらしく、最もスポーティな「A3」は、もちろん今もクワトロ(全輪駆動)だ。
トルクの増加により、「RS 3」はゼロから100km/hまでの加速が、コンマ3秒速くなり、3.8秒になった。
最高速度に関しては、3つのバリエーションがある。
「RS 3」は250km/hに制限されているが、オプションで最高速度を280km/hまで上げることができるようになっている。
ここまでは、よくある話だ。
そして、ここからが革新的な部分である。
オプションのセラミックブレーキを併用することで、最高速度は、さらに290km/hまで向上させることができるようになっている。
結論:
アウディは、新世代「RS 3」を、「羊の皮をかぶったオオカミ」ではなく、「狼の皮をかぶったオオカミ」に変えた。
よりアグレッシブな外観は、「RS 3」によく似合っており、技術的にも、アウディは、運転することがさらに楽しくなるように設計している。
もちろん、これで、もう数馬力上乗せされていればと欲張ることも理解できるが、今のままで十分以上であることは言うまでもない。
ハイブリッドシステム、EV、燃料電池といったニュースが蔓延するこの時代に、さらに高性能なマイナーチェンジを施されたモデルも登場する。ここしばらくはこういった混沌とした時間が続くことだろう。
考え方を変えれば、ここ数年はものすごく面白く、自由になんでも選択できる最後の時間ともいえる。今一番好きな自動車を購入し、2049年(!)まで乗り続ける、そんな選択もあるのではないだろうか。そんな中、あなたが選ぶ一台はなんだろうか?
Text: Katharina Berndt
加筆: 大林晃平
Photo: AUDI AG