初テスト 3気筒エンジンのジャガー? プラグインハイブリッドSUV ジャガーE-PACEに初試乗&レポート
2021年7月28日
3気筒ターボと電動モーターのコンパクトSUV!
3気筒エンジンを搭載したプラグインハイブリッドジャガー、「E-PACE P300e」の実力は? 我々は、ジャガーE-PACE P300eに初試乗し、ヘッセン州の山間部を訪れた。以下にそのレポートをお届けする。
プラグインハイブリッドは、自動車工学で、最もホットな発見というわけでは決してない。
いや、今は誰もがやっていることだ。
しかし、ジャガーはプラグインハイブリッドで、これまでとは異なる方法を採用している。
プラグインのE-PACEは、3気筒ターボを搭載している
というわけで、私たちが乗っている「E-PACE」は、2018年1月から、我々の国の道も走っている、4.40mのショートコンパクトSUVで、「アウディQ3」、「BMW X1」、そして「メルセデスGLA」の属するリーグで活躍している。
ジャガーのエンジニアたちは、今回、「E-PACE」をリフレッシュした。
最初そのことを聞いた時、我々は半信半疑だった。
何しろ、58,340ユーロ(約770万円)もするプラグインハイブリッド車に、トヨタの「アイゴ」や、オペルの「コルサ」などの小型車でおなじみの、3気筒エンジンを搭載しているというのだから。
果たして、「Q3」と「X1」と「GLA」のいる、このリーグで十分な魅力を備えられているのだろうか?
明確な答えは、電動モーターの助けがあれば「イエス」というものだ。
それがこのジャガーの姿だ。
フロントには1.5リッター3気筒ターボを搭載し、最高出力200馬力、最大トルク280Nmを発揮する。
パワー不足でも文句は言えない
109馬力の電動モーターがリアアクスルを支え、309馬力のシステム合計パワーと、標高881メートルのヘッセン山脈への遠征では特に重要となる、540Nmのトルクを発揮する。
さらに、シフトパドルを使ってダイレクトにシフトすることのできる、目覚めの良い、8速オートマチックも搭載している。
その結果、1600rpmからの自発的で力強いレスポンスを実現している。
バランサーシャフトの採用により、3気筒エンジンの揺れや振動が解消され、スムーズな走りも実現している。
6.5秒で0から100km/hに到達するのは、とても楽しくて、とても刺激的だ。
太った2.2トンのSUVに、3気筒を与えた理由はもちろん、燃料を節約するためだ。
我々のテストでは、「E-PACE P300e」は、電動走行も含めて、総トータルではリッターあたり50kmという、好燃費を発揮し、CO2の排出も、43gにおさまった。
これは大変良好な数値といってよいだろう。
テクニカルデータ: ジャガーE-PACE P300e
● エンジン: 3気筒ターボ、フロント横置き+リアに電動モーター ● 排気量: 1498cc ● システム最高出力: 227kW(309PS) ● 最大トルク: 540Nm@1600~4500rpm ● 駆動方式: 後輪駆動 ● 全長×全幅×全高: 4395×1984×1648mm • 乾燥重量: 2173kg • トランク容量: 386リットル ● 最高速度: 216km/h ● 0-100km/h加速: 6.5秒 ● 燃費: 50km/ℓ ● CO2排出量: 43g/ℓ ● 価格: 58,340ユーロ(約770万円)より
結論:
ジャガーに3気筒エンジン?
新しい世界へようこそ。
6万ユーロ(約790万円)弱というのはやや高い。
しかし、この自然吸気エンジンと電動モーターの組み合わせは、新しいクルマの楽しみを与えてくれる。
AUTO BILDテストスコア: 2
ジャガーといえば6気筒、8気筒、あるいは12気筒というイメージがあるため、数年前に4気筒のモデルが出た時には驚いたものだったが、いよいよ3気筒のSUVが登場するとは世の中も変わったものである…。というのはオジサンの独り言ではあるが、とにかく今はそういう時代なのだ。
レポートを読む限り、その走行性能を心配する必要はなさそうだし、燃費も(プラグインハイブリッドシステムによる電動走行部分をおもいきり加味すればという注釈は必要なものの)良好なものだ。
変貌をとげつつある自動車の、過渡的なモデルかもしれないが、こういう方法もあるという、見本のような一台、そう考えれば納得も行く。ジャガーらしいかどうかは別として、3気筒にハイブリッドシステムという発想には、個人的に賛成したい気持ちが強い。
Text: Andreas May
加筆: 大林晃平
Photo: Jaguar Cars