【新車ニュース】新型BMW 2シリーズ クーペ ワールドプレミア 3バージョンで登場 テクニカルデータを含む全ての情報!
2021年7月18日
新しい2シリーズ クーペは、伝統主義者のための良きBMWだ。
ファーストチェック:BMWは、2シリーズ クーペをリニューアルした。新世代では、直列6気筒、後輪駆動、小さなキドニーグリルを継承している。全情報とシートチェック!
➤ 価格と市場ローンチ時期
➤ サイズと外観
➤ インテリア
➤ エンジン
➤ テクニカルデータ
米国で先行発売: 欧州での発売は2022年初頭予定
新型「2シリーズ クーペ」は、伝統主義者のためのBMWだ。
なぜなら、「G42」シリーズの構成要素はクラシックなものばかりだからだ。
小さなキドニーグリル、フレームレスウィンドウ付きの2ドア、ホフマイスタークリーゼ、縦置きのエンジン(トップモデルは直列6気筒)、後輪駆動。
というか、全輪駆動の場合は、少なくとも、通常の走行状態ではリアアクスルがほとんどのパワーを得ることになるはずだ。
BMWは、2ドアの2シリーズの価格もなかなかリーズナブルに設定している。
4気筒ガソリンの「220i」は39,700ユーロ(約528万円)から、4気筒ディーゼルの「220d」は42,800ユーロ(約570万円)、トップモデルの「M240i xDrive」は56,000ユーロ(約745万円)からとなっている。
米国市場では、「2シリーズ クーペ」は2021年末から販売店に並び始める。
しかし、欧州市場では、もう少し時間がかかり、BMWファンは、2022年1月22日を市場投入日としてメモしておくことを勧める。
「2シリーズ クーペ」をベースにした、新型「M2」は、その後登場するはずだ。
その場合、おそらく「S58」エンジンによる450馬力とマニュアルトランスミッションを搭載することになるだろう。
2シリーズ クーペは、より長く、より広く、よりフラットになった
「2シリーズ クーペ」のシートメタルの下には、「3シリーズ」や「4シリーズ」もベースとしている、「CLAR」プラットフォームが採用されており、バイエルンの伝統的なベーシックデザインを実現している。
その結果、「2シリーズ クーペ」は先代よりも、全長(+10.5cm)と全幅(+5cm)は長くなり、よりフラット(全高は2.5cmのマイナス)になっている。
主要サイズ一覧(先代モデルとの差):
● 全長: 4537mm(プラス105mm)
● 全幅: 1826mm(プラス52 mm)
● 全高: 1393mm(マイナス25mm)
● ホイールベース: 2741mm(プラス51mm)
● トレッド幅(フロント): 1573mm(プラス52mm)
● トレッド幅(リア): 1587mm(プラス31mm)
新世代「2シリーズ クーペ」は視覚的にもステップアップしている。
オンデマンドのルーバー式ベンチレーションを備えたワイドなキドニーグリル、ギザギザのエアインテークを備えたスポーティなエプロン、ボンネット上のパワードーム。
そして、新型「i4」で採用された埋め込み式のドアハンドルのようなディテールが、新世代「2シリーズ クーペ」のプロフィールを完成させている。
リアには、立体的なグラフィックが施された、低い位置のテールライトとツインパイプのエグゾーストが兼ね備わっている。
そして、トップモデルの「M240i」には、台形のテールパイプが付いている。
つまり、「G42」シリーズの外観は、完成度の高い成功したものと称賛できる。
トップモデルの「M240i」は、「F87」シリーズの「M2」に迫る外観となっている。
4シリーズを強く意識したインテリア
ドアを開けてみよう。
フレームレスのサイドウィンドウ。
ここにもBMWクーペの良き伝統の世界が息づいている。
すばらしい。
「M240i」のスポーツシートの着座位置は、BMWファンにはお馴染みの低い位置のものだ。
スポーツステアリングホイールは標準装備だ。
運転席から目を離すと、「これは2シリーズ クーペだ」と静かに自分に言い聞かせなければならない。
なぜ?
何も知らなければ、兄貴分の4シリーズに座っていると錯覚するかもしれないからだ。
操作は直感的で、背の高い人でもエルゴノミクスは完璧で、運転席と助手席の雰囲気は威圧感がなくスポーティだ。
後部座席については、運転免許を持っている人であれば、自ら進んでそこに座りたいとは思わないだろうから、多くを語る必要はないだろう。
2人で長距離を移動する際には、標準装備の40/20/40分割リアベンチシートを折りたたんで、390リットルのトランク容量を確保することができるようになっている。
直列6気筒エンジンを搭載したM240iクーペxDrive
しかし、ミュンヘン発のクーペにとって、実用性は伝統的に二次的な検討事項だ。
本当の意味でのインナーバリューに目を向けてみよう。
新型「M240i」には、素晴らしいことに、引き続き直列6気筒エンジンが搭載されている。
最高出力374馬力、最大トルク500Nm、全輪駆動により、確かなパフォーマンスを発揮する。
0から100km/hまで4.3秒、最高速度は250km/hだ。
しかし、エンジンの種類にかかわらず、マニュアルトランスミッションの設定はなくなった。
代わりに、優れたZF社製の8速オートマチックトランスミッションが全モデルに採用されている。
テクニカルデータ:BMW 220iクーペ
● エンジン: 4気筒ターボガソリンエンジン、フロント縦置き ● 最高出力: 184馬力 ● 最大トルク: 300Nm ● トランスミッション: 8速AT ● 駆動方式: 後輪駆動 ● 最高速度: 236km/h ● 0-100km/h加速: 7.5秒 ● 価格: 39,700ユーロ(約528万円)より
BMW 220dクーペ
● エンジン: 4気筒ディーゼル(+48ボルトシステム)、フロント縦置き ● 最高出力: 190馬力(+11馬力) ● 最大トルク: 400Nm ● トランスミッション: 8速AT ● 駆動方式: 後輪駆動 ● 最高速度: 237km/h ● 0-100km/h加速: 6.9秒 ● 価格: 42,800ユーロ(約570万円)より
BMW M240iクーペxDrive
● エンジン: 直列6気筒ターボガソリンエンジン、フロント縦置き ● 最高出力: 374HP ● 最大トルク: 500Nm ● トランスミッション: 8速AT ● 駆動方式: 全輪駆動 ● 最高速度: 250km/h(自主規制) ● 0-100km/h加速: 4.3秒 ● 価格: 56,000ユーロ(約745万円)より
結論:
2シリーズ クーペは、2ドアBMWの隠れたスターであり、「02」のDNAを今に伝えるモデルだ。
コンパクトで力強く、BMWの伝統を重んじる。
それは、真のバイエルン製の車に期待されるものだ。
この「2シリーズ クーペ」を見たときに、ひさしぶりにBMWの小型2ドアクーペらしい自動車だと嬉しくなった。
というのも、どうもこのところのBMWは、M3やM4、X7、X6などなど、迫力満点でかなり脂ぎった車種が続いていたこともあり、そんなクルマから見ると、この「2シリーズ クーペ」は一服の清涼剤のように、すっきりさっぱり好もしい。
ステーキと焼肉とジンギスカンが続いた後の、せいろ蕎麦というか、とにかくこういうBMWが登場したことによって、なんだか安心してしまう。特に個人的にはキドニーグリルの控えめな感じが、昨今の大型化の一途をたどっていたキドニーグリルの氾濫を見慣れた目には実に心地よい大きさである。
若干惜しいのがトランクリッドの形状とテールランプの処理、そしてCピラーの太さ(ここがもう少し繊細だったら……)ではあるが、それでも十分に納得いくレベルには収まっている。
できればMT(残念ながら現時点では設定がなさそうだ)で、さらっと普通のエンジンのモデルを乗ってみたら、きっと往年のBMWの軽快な魅力を感じられるだろう、そんな気にさせられるBMWのコンパクトなモデルの登場である。
日本市場への投入が待ち遠しい1台だ。
Text: Peter R. Fischer
加筆:大林晃平
Photo: BMW Group