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ステランティスの電動化戦略と気になる全14ブランドの新ステートメント発表

2021年7月10日

電動化戦略を実行に移す

【ステランティスが発表した電動化戦略のトピックス】

・2025年までに電動化と関連するソフトウェア開発に300億ユーロ(約3兆9,000億円)超を投資する一方で、常に最先端を走る自動車メーカーであり続けるとともに、投資回収効率で業界平均を3割上回ることを目指す
・2030年までに、低排出車(LEV)の販売構成比率をヨーロッパで7割以上、アメリカで4割以上とすることを目指す
・ステランティスの全14ブランドで、ベスト・イン・クラスのBEV(電気自動車)を提供する
・顧客のニーズに応え、航続距離500~800kmで32km/分の急速充電が可能なBEVを提供する
・BEV専用プラットフォームを4タイプ開発し、拡張性を持った3タイプのEDM(エレクトリック・ドライブ・モジュール)と合わせて、全てのブランドとセグメントをカバーする
・ソフトウェアとハードウェアをアップグレード対応可能とすることで、プラットフォームの長寿命化を実現する
・ヨーロッパと北米の「ギガファクトリー」5拠点のサポートにより2030年までに260GWhに相当するバッテリーを調達する
・バッテリーは2種類を活用:高密度・高エネルギータイプとニッケル・コバルトフリーの新型バッテリーを2024年までに開発
・2026年に全固体バッテリー搭載車を導入

14ブランドのステートメント

ステランティスは電動化において「ワンサイズですべてを賄う」方法論は採らない。ステランティスの14のブランドにはそれぞれ際立つ個性があり、電動化にあたってはブランドのDNAをより強化してベスト・イン・クラスのブランド体験を提供する責務があるとして、ブランドごとのステートメントを以下の通り決定した。

Abarth – “Heating Up People, But Not the Planet”
Alfa Romeo – “From 2024, Alfa Becomes Alfa e-Romeo”
Chrysler – “Clean Technology for a New Generation of Families”
Citroën – “Citroën Electric: Well-Being for All!”
Dodge – “Tear Up the Streets… Not the Planet”
DS Automobiles – “The Art of Travel, Magnified”
Fiat – “It’s Only Green When It’s Green for All”
Jeep® – “Zero Emission Freedom”
Lancia – “The Most Elegant Way to Protect the Planet”
Maserati – “The Best in Performance Luxury, Electrified”
Opel/Vauxhall – “Green is the New Cool”
Peugeot – “Turning Sustainable Mobility into Quality Time”
Ram – “Built to Serve a Sustainable Planet”
Commercial Vehicles – “The Global Leader in e-Commercial Vehicles”

プラットフォームは4種類

STLAスモール:航続距離500km
STLAミディアム:航続距離700km
STLAラージ:航続距離800km
STLAフレーム:航続距離800km

パワートレーンには3タイプのEDM(エレクトリック・ドライブ・モジュール)を開発し、それぞれがモーター、ギアボックス、インバーターから構成されている。いずれのEDMもコンパクトで柔軟性が高く、拡張も容易である。また、全てのEDMがFF、FR、AWD、4xeの全てのコンフィギュレーションに対応する。

4タイプのプラットフォームと3タイプのEDMに高密度バッテリーを組み合わせることによって、ステランティスの電動車両は効率性、航続距離、充電スピードのいずれをとってもベスト・イン・クラスとなる。

ハードウェア・アップグレード用のプログラムやOTA(オーバー・ジ・エア)によるソフトウェア・アップデートによって、プラットフォームの長寿命化が可能になる。ステランティスではブランドごとの個性を際立たせるために、ソフトウェアと制御はすべて内製する。

バッテリーパックは様々な車両に適応させていく。都市部で使われる小型車向けのものに加え、ハイパフォーマンス車両やトラック向けには高密度タイプを搭載する。また、バッテリーは顧客ニーズに合わせて2タイプを2024年まで使用していく。一つは高密度タイプで、もうひとつがニッケル・コバルトフリーである。そして2026年には全固体バッテリーを搭載した製品を投入する。

ステランティスでは合弁パートナーとともに複数のキーテクノロジーを開発中、もしくは開発を完了している。それらの中にはeパワートレーン、eトランスミッション、バッテリーセルの開発と製造、デジタル・コックピット、パーソナライズド・コネクテッド・サービスが含まれる。これらのパートナーシップによって、ステランティスは自社の競争力強化だけでなく、新技術やソリューションの開発スピードの大幅な向上を行い、競争力を維持するための資本を最適に配分する。

Text:Groupe PSA Japan