マンハート ただでさえ厳ついBMW M3とM4がさらに過激にそしてパワフルに

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マンハートは、ニューBMW M3とM4のコンペティションを635馬力にチューンナップする。

マンハートMH3、MH4 600。BMW M3とM4がオーナーのもとに納車され始めるやいなや、チューナー、マンハート(Manhart)はボディキット、サスペンションパーツ、そして635馬力を誇るチューニングプログラムを発表した。以下にその内容をレポートする。

既報の通り、BMWのスポーティなフラッグシップモデルのペアである「M3」と「M4」は、現行モデルの世代になって、大幅に性能が飛躍した。
旧型のコンペティションバージョンが450馬力だったのに対し、新型Mのベースモデルはすでに480馬力に達している。
そして、新生コンペティツィオーネには510馬力が備わっている。
しかし、世の中には、この数字でも物足りない人が存在していることもまた明らかだ。
そこでマンハートは、特にパフォーマンスを求める人のために、M3コンペティションのチューンアップで635馬力への高出力化を実現した。
そして、M3ベースの「MH3 600」と、M4ベースの「MH4 600」という名称で、ホイールやボディキットも含めた完成車を提供している。

BMW M3、M4のベーシックバージョンよりも110馬力アップ

最高出力510馬力、最大トルク650Nmの「S58」直6は、チューンナップを施され、最高出力635馬力、最大トルク780Nmを発揮する。
「MH3 600」は、0から200km/hまでの加速が10.5秒以下(標準では12.5秒)となった。
更に、250km/hへの到達時間は、従来の21秒から17秒弱に短縮されている。
最高速度は公表されていない。
サウンド面では、マンハート社がフラップ機能付きのステンレス製リアサイレンサーを提供している。
さらに、輸出用には、スポーツダウンパイプも用意されており、オプションで200セルの触媒コンバーター付きのものと、触媒コンバーターなしのものが用意されている。
また、マンハートは、480馬力のベースモデルを、590馬力程度までパワーアップするプログラムも提供している。

典型的なマンハート流ファッション。リアディフューザーには、F1スタイルのテールライトを配置。ゴールドのアクセントはオプションだ。

カーボンパーツとゴールドフォイルで構成されたマンハートBMWのボディ

横方向のダイナミクスを向上させるために、ManhartはH&R製のスポーツスプリングを装着し、フロントで30ミリ、リアで10ミリのローダウンを実現している。
また、レーストラック用のKW V4コイルオーバーサスペンションも用意されている。
さらに、9インチと10.5×21インチのアロイホイールが装着され、フロントに255、リアに295のタイヤが装着されている。
また、ボンネット、フロントスプリッター、リアディフューザー、リアスポイラー、フラップなどの各種カーボンパーツも用意されている。
ボディワークやホイールリムには、ゴールドのデコレーションを施すことも可能だ(オプション)。

MH3 600に加えて、M4コンペティションをベースにしたMH4 600もある。その後、さらにパワーアップしたバージョンが今後デビューする予定だ。

BMW M3/M4のためのさらなるパワーアップ版

マンハートの「MH3 600」と「MH4 600」は、あくまでも第一段階に過ぎない。
今後、さらにパワフルな第2ステージが登場する予定だ。
ファーストステージは現在注文可能で、価格はリクエストに応じて明らかにされる。
「M3」の価格は82,500ユーロ(約1,110万円)から、「M4」の価格は84,000ユーロ(約1,130万円)からとなっている。
中古車市場では、先代モデルがかなり安くなっている。
メンテナンスの行き届いた「M4」は、4万ユーロ(約540万円)台から購入できる。

いつも感じるのだが、普通の「M3」や「M4」でさえ十分すぎるというか、公道上では過剰なほどの高性能を持っているのに、それをさらにチューンナップメーカーが磨き上げて超高性能なクルマを作る、というのはなかなか普通の人間には理解しにくい。
それでもある一定以上の需要があるからこそ、こういう商売が成り立っているのだろうが、それにしてもさらに高性能モデルで高価格な、人とは異なる自動車に乗りたいという気持ちを抱くのだから、マニアの熱意には感服してしまう。
ルックスもこのマンハートの場合、かなりアグレッシブで目立つものだ。そういえば昔からドイツでも、こういうかなり「派手・派手」な改造車が多く、ちょっとセンスを疑うようなものも多く存在していたことを思い出す。質実剛健という印象をつい抱くドイツ人も、デコラティブな自動車が実は大好きなのかもしれない。ぱっくり開いた昨今の「M3」と「M4」の巨大なグリルと組み合わされると、道を開けざるを得ないものすごい迫力の顔つきである。

Text: Moritz Doka
加筆: 大林晃平
Photo: MANHART Performance