新車情報 最強のポルシェSUV 新型ポルシェ カイエン ターボGT登場 全詳細!

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市販モデルのカイエンで初めての300km/h超えモデル。それはクレージーなほどパワフルで、クレージーなほど速くて、クレージーなほど高い。ポルシェ カイエン ターボGTは、911 GT3のフィーリングをSUVクラスに持ち込むことを目的としている。我々は、最も高性能なカイエンのシートにも座って感触を確かめた。以下にレポートをお届け。

➤ 市場ローンチ時期と価格
➤ エンジン
➤ シャシー
➤ 外観
➤ インテリア
➤ ディスプレイ

価格:約200,000ユーロ(約2,680万円)

「911 GT3」と「カイエン」を掛け合わせた車がどんな走りをするのか、考えたことはあるだろうか?
おそらくないだろう。
そんな疑問に答えてくれるのが、新しい最上級モデル「カイエン ターボGT」だ。
最高出力640馬力、最高速度300km/h、4人乗りの「クーペ」として限定販売されるこのモデルは、SUVに「GT3」のようなレーストラックにおける性能を発揮できるよう設計されている。
「ターボGT」はすでに現在注文可能で、価格は196,078ユーロ(約2,627万円)からとなっている。

データ:
エンジン:4リッター・ビトゥルボV8
● 最高出力: 640馬力
● 最大トルク: 850Nm
● 0-100km/h加速: 約3.3秒
● 最高時速: 300 km/h以上
● 乾燥重量: 2.2トン以上
● 価格: 196,078ユーロ(約2,627万円)より

ツインターボV8は、ターボやターボS e-ハイブリッドよりも、90馬力多くの出力を発揮し、カイエンを300km/h以上に押し上げる。

市販のカイエンの中で最もパワフルなV8

「ターボGT」の最高出力は640馬力、最大トルクは850Nmで、4リッターツインターボV8の中で最もパワフルなバージョンだ。
少なくともポルシェではそうなのだが、実は「ランボルギーニ ウルス」ではさらに10馬力以上を発生する。
「ターボS e-ハイブリッド」では、このシステム値がさらに高くなっているが、これは電動アシストによって達成されている。
つまり内燃機関だけでは550馬力しか出ないのである。
ポルシェは「カイエン ターボGT」のために、ターボチャージャーの見直し、冷却システムの改善、充電圧と噴射圧の増加、四輪駆動システムのトランスファーケースへの水冷化などを行った。
V8の排気ガスは、ポルシェがセンターマフラーを取り払った、特別なチタン製のエキゾーストシステムを通って排出され、約18kgの軽量化が図られているという。

2.2トンという良好な乾燥重量

重量といえば、バッテリーや電動モジュールを搭載していない分、全輪駆動の「ターボGT」は「ターボS e-ハイブリッド」よりも、約400kgも軽い。
だが軽いといってもまだ2.2トンもの車重があるが。
それでもポルシェは、0から100km/hまでのスプリントを約3.3秒と発表している。
ちなみに、カイエンで、300km/hを突破したのは、この「ターボGT」が初となる。

セラミックブレーキを標準装備。要望に応じて、イエローのキャリパーをポルシェエクスクルーシブのブラックに変更することも可能だ。

すべてのパフォーマンスエクストラが標準装備

ターボGTは、その走行性能にもかかわらず、主に横方向のダイナミクスを重視して設計されている。
これを確実にするために、ポルシェはこのスーパーSUVに、通常は追加料金リストにあるパフォーマンスに関連するすべてのエクストラオプション装備の数々を標準装備していて、ロールスタビリゼーション、リアアクスルステアリング、トルクベクタリングプラス、パワーステアリングプラス、セラミックブレーキなどがその例だ。
また、3室構造のエアサスペンションを見直し、ネガティブキャンバーを0.45度増加させている。
0.5インチ、ワイド化された、22インチホイールには、ピレリ製スポーツタイヤ「Pゼロコルサ(P Zero Corsa)」が装着されている。
2.2トンのSUVであっても、ラップタイムの向上が期待できそうだ。

カイエン ターボGTはクーペのみの設定。差別化のためのブラックフェンダーフレア。

カーボン製ルーフで低重心化

「カイエン ターボGT」は、SUVクーペのみの設定となる。
差別化装備として、ポルシェは22インチの専用ホイール、新しいグリルを備えたスポーティなフロントエプロン、ブラックフェンダーフレア、カーボン製サイドミラー、ルーフエッジスポイラーのサイドフラップを装着している。
また、カーボン製のルーフは重心を下げる効果がある。
アクティブリアスポイラーには、より大きなティアオフエッジが鎮座しており、トップスピード時には40kgもの追加ダウンフォースを生み出すと言われている。
また、デュアルフローエグゾーストシステムは、より大きなフィンを備えたディフューザーに組み込まれている。

アルカンターラと「ネオダイム(Neodyme)」カラーのコントラストが、カイエン ターボGTのインテリアを彩る。

アルカンターラを多用したインテリアと新しいインフォテイメント

「カイエン ターボGT」には、4人乗りの設定しかない。
しかし、実用性ではなく、スポーツ性を重視している。
それは、アルカンターラをふんだんに使用していることからもわかる。
ドアパネル、ダッシュボード、シフトレバー、グラブハンドル、シートの一部にマイクロファイバーを使用している。
ステアリングホイールには、黄色の12時マーカーとスポーツレスポンスボタン付きのドライビングダイナミクスコントロールが装備されている。
「ターボGT」のロゴ、イエローの針、特別色の「ネオダイム(Neodyme)」のアクセントが、トップモデルをさらに際立たせている。
さらに、「ターボGT」には、他のカイエンモデルにもフェイスリフト後に採用される予定の、改良型インフォテイメントシステムが搭載されている。

ターボ S e-ハイブリッドよりも16,000ユーロ(約214万円)高い

このポルシェの最もパワフルなSUVは、今すぐ注文することができる。
ただし、手に入れるためには、かなりの金額が必要となる。
現在、最も高価なカイエンは180,132ユーロ(約1,580万円)からとなっているが、「ターボGT」は最低でも196,078ユーロ(約2,627万円)からという価格設定だ。
しかし、前述の通り、これには追加装備も含まれている。

結論:
「ポルシェ カイエン ターボGT」は、すべての人を満足させられないにしても、魅力的である。
「GT3」との比較がどれほど遠大なものかは、我々は近々テストする。
しかし、ポルシェを知っていて、ドライビングダイナミクスの性能を理解している人は、「ターボGT」が驚くほどのパフォーマンスの走りをするはずだとみているだろう。
価格についてはコメントを控えさせていただこう。

Text: Moritz Doka
Photo: Porsche AG