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【新車情報】 VWポロGTI フェイスリフト どこがどう新しくなったのか 性能も含めて詳細にレポート

2021年7月8日

エレクトロニクスデバイスとインフォテイメントの変更を中心にポロGTIにもポロと同様のフェイスリフトが施された。視覚的にはゴルフにますます近づいているが、エンジンに変更はない。

➤ 市場ローンチ時期と価格
➤ 外観
➤ インテリア
➤ 装備
➤ エンジン

Polo GTIのベース価格は、フェイスリフトによって上昇する可能性が高い

フェイスリフトされた「VWポロ」の初公開からわずか数ヵ月後、フォルクスワーゲンは「ポロGTI」のフェイスリフトモデルを発表した。
最も重要な事実は、エンジンとパフォーマンスのデータが同じであるということだ。
実際、先代モデルの出力は、モデルチェンジの直前に一気に引き上げられていた。

その代わり、このスモールパフォーマンスカーは、ビジュアル的に「ゴルフGTI」に、ますます近づき、インテリアが変更され、最新のインフォテイメントが搭載されている。
「VWポロGTI」のフェイスリフトは、2021年の秋に発売される予定だ。
価格は上昇する可能性が高いが、それでも3万ユーロ(約400万円)以下でスタートするだろう。

LEDストライプがヘッドライトをつなぐ

「VWポロ」の標準モデルは、フェイスリフトによって、すでに兄貴分の「ゴルフ」に近づいているが、「GTI」でも同じことが起きている。
ここでもフォグランプは、サイドエアインテークのハニカムグリルに組み込まれている。
ただし、フィニッシュフラッグのデザインではなく、「ポロ」では、ここに片側2個のイルミネーションエレメントがデザインされているにとどまる。。
ボディカラーの留め具が、センターエアインテークとの間を視覚的に分けている。
ハニカムグリルの他にも、当然ながら「GTI」のインシグニア(徽章)が付いている。
フロントには、グリルのロゴと、そこにある赤いトリムストリップが、ヘッドライトにまで伸びていて、そのすぐ下には、新しいライトシグネチャーがある。
このスポーティなスモールカーのトップモデルには、グリル内のLEDストリップとマトリクスLEDテクノロジーが標準装備されている。

スポーツサスペンションにより、ポロGTIは15ミリ車高が低い

今回のフェイスリフトでも、リアエプロンに2本のクロームテールパイプを備え、そのステータスを維持している。

新しい2つのパーツからなるテールライトは、常にアニメーションするブレーキランプとダイナミックなターンシグナルを備えている。
VWロゴの下にある赤い「GTI」のレタリングに加えて、2本のクロームテールパイプと独立したエプロンによって、この車を「GTI」と認識することができるようにもなっている。
ディフューザーは、よく見ないとわからないようになっていて、手前にはボディカラーの水平方向のエレメントがあり、「ポロGTI」の下側を区切っている。
レッドのブレーキキャリパー、17インチの大径ホイールを標準装備し、写真の車両のように、18インチはオプション費用が必要となる。
そして、スポーツサスペンションにより15mmローダウンされている。

チェック柄のシートを使ったインテリア

我々は、早速、「ポロGTI」フェイスリフトのシートを試してみた。
インテリアでまず目につくのは、標準装備となったダッシュボードの赤いトリムだ。
少し遊び心がありすぎるとも言えるが、このトリムパーツにはもっと落ち着いた色も用意されている。
それ以外には、ここでは内部の視覚的な変化はそれほどではない。
シフトパドル付きのスポーツステアリングにはタッチサーフェイスが採用されているが、赤のデコラティブステッチ、ブラックのヘッドライナー、チェック柄のスポーツシートなど、「GTI」らしさは当然残っている。
座ってみた印象は、このシートは横方向のサポート性と快適性がうまく調和しているように感じた。
「ゴルフGTI」とは異なり、「ポロ」にはギアシフトスタブはなく、伝統的なギアセレクターレバーが採用されている。

標準装備のスクリーンが大きくなった新しいインフォテイメント

「GTI」専用のディスプレイを備えた10.25インチのデジタルコクピットを標準装備する一方で、インフォテイメントは新しいものになっている。
外から見ると、主に画面の周りにそれが見て取れる。
ロータリースイッチはまったく存在せず、クイックセレクトのためのタッチサーフェイスもすべて運転席側に移動している。
しかし、VWは「ポロ」のトップモデルに搭載されている大型のタッチスクリーンを有料としており、写真の車に搭載されている9.2インチの大型ディスプレイを希望する人は、追加料金リストのオプションをチェックする必要がある。
その代わり、エントリーモデルの画面も大きくなっている。
先代モデルは工場出荷時に6.5インチだったが、新型は8インチになっている。
バックグラウンドのソフトウェアも変更されており、「GTI」には「MIB3」インフォテイメントが搭載され、常にオンライン状態になっている。
スマートフォンは、Android AutoとApple Carplayを介して、常にワイヤレスでペアリングすることができるようになっている。

トップモデルであるGTIは、ステアリングホイールにボタンではなくタッチサーフェイスを採用した唯一のポロだ。

VWポロGTIフェイスリフトは、アクティブクルーズコントロールによる半自動運転が可能だ。
「スポーツポロ」のカラーバリエーションは5色で、そのうち3色はブラックルーフとの組み合わせも可能となっている。
オプションでは、パノラミックポップアップルーフ、スエードレザーレットシートカバー、300W×6スピーカーの「Beats」サウンドシステムなどが用意されている。
フェイスリフトでは、サウンドシステムがトランクのサイズを小さくすることはなくなり、アンプはスペアホイールウェル内に設置されている。

また、ダンパーの切り替えが可能な「スポーツセレクト」サスペンションも引き続き採用されている。
アシストに関しては、「ポロGTI」は、通常の「ポロ」の革新的な技術を採用しており、追加料金を支払うことで、時速210kmまでの半自動運転もさらに可能になっている。

207馬力のガソリンエンジンは健在

今回のフェイスリフトでは、エンジンには何の変化もない。
すべてが同じであり、技術データも変わらない。
2リッターTSIは207馬力の出力を前輪に送り出し、最大トルクは320Nm(1500~4500rpm)のままだ。
変速は常に7速DSGで行われ、マニュアルトランスミッションは用意されていない。
「ポロGTI」は、ゼロから100km/hまでのスプリントに6.5秒かかり、最高時速は240km/hとなっている。
つまり、「ポロGTI」は高速での走行が可能なのだ。
また、「ポロGTI」は、高速コーナリング時のアンダーステアを防ぐために、今回も電子制御式ディファレンシャルロック「XDS」を標準装備している。

結論:
視覚的には、VWポロGTIのフェイスリフトは成功していると言える。
エンジンが何も変わっていないことは、先に伝えたとおりだ。
批判はひとつだけだ。
マトリックスLEDがすでに利用可能であれば、VWは大型インフォテイメントスクリーンを直接標準装備することもできたはずだ。
それが用意されていないのは残念である。

Text: Katharina Berndt
Photo: Valkswagen AG