初テスト A3のトップモデル&ドリフトマシン 次期型アウディRS3に試乗 その性能と評価は?

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アウディRS3(2021): 初試乗、加速、トップスピード、馬力、5気筒エンジン他、全情報とドライビングインプレッション

アウディは今年、RS3をリローンチする。我々は、そのRS3の試乗会で、ファーストインプレッションを得ることができた。以下にフルレポートをお届けする

正直、2020年4月に新型「A3」が発表されて以来、我々はずっと「RS」の登場を待ち望んでいた。
このモデルにはスポーツバックとセダンの2種類が用意されている。
アウディは、カモフラージュフィルムを少しだけ剥がして、最初のディテールを見せてくれた。
当然のことながら、このコンパクトスポーツカーには、「A3」や「S3」でおなじみの新しいヘッドライトと大きなグリルが採用されている。
また、サイドのエアインテークも先代より大きくなっている。
しかし、新しいディテールは「RS」バージョンだけが持っている、かなり粗いメッシュのハニカムグリルだ。

このグリルは非常に美しいのでリアエプロンにも直接取り付けられているが、今回は、パーキングセンサーを隠すためにカモフラージュされていた。
楕円形の2本のテールパイプは再びエプロンの下に配置され、その間には当然ディフューザーが設けられている。
新しいテールランプは、他の「A3」モデルでもおなじみのものだ。
一方で、サイドには新しい特徴がある。
前輪の後ろには、新しいベントが見られる。
さらに、マスキングされたプロトタイプは、パワートレインのヒントを与えてくれる。
またボディに記された、1-2-4-5-3という数字は、2.5リッター5気筒エンジンの点火順である。
アウディは新型「RS3」に5気筒TFSIを搭載している。
ダウンサイジングは当面中止し、代わりにエンジンを改良した。

アウディは、スポーツバックに加えて、セダンとしてのRS3を引き続き提供する。

RS3のエンジン性能は変わらない

予想に反して、エンジニアはパワー面では何も変えず、先代と同じく400馬力を発揮する。
しかし、最大出力は5600rpmから7000rpmの間で、より長く発揮されるようになっている。
また、トルクも少し向上している。
エントリーレベルの「RS」では、20Nmが追加され、合計500Nmとなっている。
これらにより、7速DSGを搭載したコンパクトスポーツカーは、0~100km/hの加速タイムが3.8秒となり、現行モデルよりもコンマ3秒も速くなっている。
さらに言えば、最強のライバルである「メルセデスAMG A45 S」が3.9秒で、21馬力上回っていることと比べても、コンマ1秒速いのだ。
また、最高速度の面でも「メルセデスAMG A45S」よりもアウディが勝っている。
セラミックブレーキと「RSダイナミクスパッケージ」を併用することで、最高速度は290km/hにまで引き上げることができるようになっているが、その速度よりもメルセデスの方が20km/h低い。

RS3でドリフトをする? それはすでにプロトタイプで非常にうまくいっている。しかし、まだハンドルを握らせてもらってはいない。

アウディのスポーツカーに初めてドリフトモードを搭載

新型「RS3」は、AMGがすでに搭載している機能、すなわちドリフトモードをアウディとして初めて搭載した。
これを可能にしたのは、同じグループの新型「ゴルフR」や「ティグアンR」にも採用されている新しいリアアクスルギアボックスで、リアアクスルの駆動力を均等に配分してくれる。
リアアクスルの駆動力を、走行モードや走行状況に応じて、ホイール間で個別に配分する。
アウディでは、このシステムを「トルクスプリッター」と呼んでいるが、他の場所では「トルクベクタリング」とも呼ばれる技術だ。
このシステムは、すべてのパワーを1つのホイールに集中させることで、コントロールされたドリフトを可能にする。
レースドライバー兼開発ドライバーのフランク スティップラーが、プロトタイプで直接デモンストレーションをしてくれたが、残念ながら、現状では、我々はまだ運転することができない。
彼が新しいドライビングモード「RSトルクリア」を設定すると、クルマはハンドリングコースの適切なカーブを通過したり、(ドライの)円形コースで周回を重ねたりする。
スティップラーによれば、ドリフトを維持するためには、時々、わずかな修正が必要なだけだという。

ドライビングモードの違いで、全輪駆動のキャラクターが変わる。

レーストラックではリアヘビーなアウディRS3

レーストラックでは、このシステムはもうひとつの役割を果たしている。
全輪駆動車である「RS3」は、限界域ではアンダーステアになりがちだが、この技術はリアアクスルに多くの荷重を送ることでこれを緩和できるようになっている。
もちろん、逆にオーバーステアも吸収することができる。
さらに、公道以外での走行を想定したドライビングモード「RSパフォーマンス」も用意されている。
このモードは、今回オプション設定されたセミスリックタイヤ用に開発されたものだ。
一方、専用にチューニングされたスポーツサスペンションやプログレッシブステアリングは、もちろん純正ローダウンと同様に標準装備されている。
「A3」に比べてグランドクリアランスが25mm低くなったことで、重心もさらに道路に向かって沈み込んでいる。

新しいRS3は、今秋、ミュンヘンで開催される、「IAA(ドイツモーターショー)」に出展される可能性があるが、ディーラーに並ぶのは早くても冬になるだろう。

特定のインテリアを持つRS3

インテリアについても少し触れておこう。
このクルマはプロトタイプのため、素材はまだ最終的なものではないが、デザインは予想通り「A3」のものがベースとなっている。
つまり、インフォテインメントスクリーンがダッシュボードの上にあるのではなく、ダッシュボードと一体化しているのだ。
丸い吹き出し口は、より伝統的なデザインに変わり、もちろん、RSではスポーツシートに座る。

残念ながら、現時点で、アウディは「RS3」の正式な発表時期を明らかにしていない。
しかし、遅くとも秋には、ミュンヘンで開催されるIAA(ドイツモーターショー)までに準備が整い、出展され、2021年末には最初の「RS3」がディーラーのショールームに並ぶことになるだろうと推測される。
価格的には、新世代は6万ユーロ(約800万円)をやや下回る価格になると想定される。

結論:
アウディがダウンサイジングに反対し、5気筒を採用したことは、とても素晴らしいことだ。
パフォーマンスの面では、「RS3」は「メルセデスAMG」のライバルモデルを上回っている。
ドライビングプレジャーの面では、新しいドリフトモードのおかげで、少なくともAMGと同等のパフォーマンスを発揮するはずだ。

Text: Katharina Berndt
Photo: Audi AG