初テスト アルファから路上のF1マシン登場 アルファロメオ ジュリアGTAmに初試乗 その性能と評価は?

85

イタリア人はスパイシーな料理が得意だ。

アルファロメオ ジュリアGTAm: アルファはF1マシンのテクノロジーを路上に持ち込む。
F1テクノロジーを搭載したスーパーセダン、アルファロメオ ジュリアGTAmは本当にホットだ。我々はアルファのレーシーなセダンを試乗してみた。

キミ ライコネンがチューニング!

ライコネンは、ご存知、決して笑わないフィンランド人F1ドライバーだ。
彼はF1アルファロメオレーシングでアルファカラーの車を運転している。
だから、彼に「ジュリアGTAm」を試乗してもらい、チューンナップしてもらうのは理にかなっている。
そして私たちは、そのチューンナップモデルの味見役になれたことを嬉しく思う。
「GTAm」とは、Gran Turismo Alleggerita(グランツーリズモ アレゲリータ)の略で、軽量のツーリングカーのことだ。
小さな「m」(modificatoの略)の付いてるのは、さらにスパイシーなバージョンだ。
このスパイシーなジュリアでは、ノーマルの「ジュリアQV」の過剰豪華装備の部分が取り除かれ、改良されているという印象を受ける。

カーボンを多用し、100kgの軽量化を実現したジュリアGTAm

それは、シックで上質なレザーや、大音量のエグゾーストシステムのことではない。
ここでは、すべての動きに目的があり、特にその名が示すように、軽量化に意味がある。
この特別なモデルは、「ジュリア クアドリフォリオ」よりも100kgも軽いとされている。
どうしてそんなことが可能なのだったのだろうか?
まず、プロップシャフト、ボンネット、ルーフ、シートシェル、バンパーなどに、たくさんのカーボンファイバーを使用しているからだ。
加えて、チタン製のエグゾーストシステム、センターロック式の軽量な20インチホイール、スリムなシャシースプリングなどの採用によって軽量化を実現している。
さらに、より過酷な状況へと改造されている。
リアシートは取り外され、リアウィンドウはポリカーボネート製で、さらに6点式シートベルト、ロールバー、ドアオープナーとしてのループも装備されている。
このような過激なダイエットに加えて、ジュリアにはさらなるファインチューニングが施された。

ダイエット後のスポーツセダン。カーボンをふんだんに使用したジュリアGTAmは、ジュリアQVと比べて100kgもの軽量化を実現している。

F1の風洞実験から生まれたエアロダイナミクス

エアロダイナミクスは、F1パートナーであるザウバーの風洞で開発され、ダウンフォースが増すようにチューニングされている。
フロントスポイラーは手前に引き出すことができ、モンスターリアウイングのアッパーブレードの角度も調整できるようになっている。
さらにアンダーボディには様々なフィンが取り付けられ、重厚なディフューザー、そして、そして、そして・・・。
アルファのF1ドライバーであるキミ ライコネンとアントニオ ジョビナッツィもシャシーに手を加えた。
その結果、フロントとリアで50mmのワイドなトレッドを実現し、さらにスポーティなセットアップを行い、ミシュランのカップ2専用タイヤを装着した。
そして、その実際の走りは?
乗車すると、フルバケットシートに深く腰掛け、ハーネスストラップを装着して発進する。
バックミラーを見ると、フープとフープボードが微笑んでいる。
フェラーリから移植されたツインターボV6は、アイドリング音もそそる音色を放っている。

ザウバー: アルファのF1パートナーは、シャープなジュリアのエアロダイナミクスを担当した。

サーキットで、アルファは本当にくつろいでいる

DNAメニューを「レースモード」に変更すると、「GTAm」は、すぐに、より喉を鳴らすようなビートを奏で始める。
そして、数メートル走っただけで、急激なダイエット効果を感じることができる。
6気筒エンジンはスロットルに容赦なく反応し、レッドゾーンにしつこく食い込み、V6トロンボーンは思い切り咆哮し、デュアルクラッチトランスミッションは小さな電気ショックのようにドライブトレインにギアを送り込む。
新たにチューニングされたアダプティブサスペンションはしっかりと減衰し、アクティブロックも効果的に働く。
カーブはこれまで以上に正確で高速だ。
その動きには迷いも揺らぎもない。
メカニカルグリップは、車全体がそうであるように、感覚的にシャープだ。
そして、価格は?
驚きの17万8,000ユーロ(約2,385万円)だ。

トラックツール: メカニカルなグリップはセンセーショナルで、アルファはカーブを正確に曲がることができる。

テクニカルデータ: アルファロメオ ジュリアGTAm
● エンジン: V6、ツインターボ、フロント縦置き ● 排気量: 2891cc ● 最高出力: 540PS@6500pm ● 最大トルク: 600Nm@2500rpm ● 駆動方式: 後輪駆動、8速AT ● 全長×全幅×全高: 4669×1923×1397mm • 乾燥重量: 1580kg ● 0-100km/h加速: 3.6秒 ● 0-200km/h加速: 11.9秒 ● 最高速度: 300km/h ● 平均燃費: 9.2km/ℓ ● CO2排出量: 244g/km ● 価格: 178,000ユーロ(約2,385万円)

結論:
素晴らしいことに、アルファはまた勇敢になった!
「e-モビリティ」やダウンサイジングの時代に、このようなレーシーなセダンを作るとは、「素晴らしい」の一言に尽きる。
「GTAm」はカーブファイターとハードロッカーの一体型だ。
ただ、価格だけは高すぎる。
AUTO BILDテストスコア: 2

昔からアルファロメオには、こういったレーシーなモデルが存在していた。いまさら言うまでもなくフェラーリよりもレースの歴史が長く、その戦績に輝かしいエピソードも満載のアルファロメオなのだから当たり前とはいえるが、そんな中でも今回の「ジュリアGTAm」はとびきりの性能のモデルである。
価格は確かに高い。2,000万円を軽く超える価格は、もはやスーパースポーツカー並みで、文中にも記されている通り、その部分だけはマイナスポイントとなっている。だが個人的にはこういう特別なモデルは高価でも仕方ないと思うし、嫌だったら(嫌いだったら)買うわけもないし、一般人の興味の対象にもならない性格の自動車があっても良い。限られた人にだけ理解される、辛口のセダン。たまにはそんなモデルがメーカーから発表されると嬉しいことも事実だし、それがアルファロメオというのはやはり楽しく心強い限りである。
フェラーリエンジンのDNAを持ったアルファロメオ、それだけでも存在価値はあるではないか。

Text: Guido Naumann
加筆: 大林晃平
Photo: Lena Willgalis / AUTO BILD