二代目キャプチャーは初代を超えたか?
2020年3月5日
新型ルノー キャプチャー フルテスト 評価は…
ルノー キャプチャー (2019): テスト、サイズ、市場デビュー、パワーユニット
新型ルノー キャプチャー全情報
デビューしたての二代目ルノー キャプチャーは新型ルノー クリオのプラットフォームをベースに開発され、より大きくなった。そして最新のインフォテインメントシステムも搭載している。どことなく、ニッサンのような処理と、厚化粧になってしまったことは残念。初代の方がシンプルでルノーらしく、フランス的であったことは間違いない。
➤プレゼンテーション
➤サイズ
➤デザイン
➤インテリア
➤イクイップメント
➤コネクティビティ
➤ドライビング
➤パワーユニットと価格
プレゼンテーション:ベストセラーがフルモデルチェンジされて帰ってくる
キャプチャーは第2世代に移行する。新型ルノー クリオ用に新開発されたプラットフォーム(ルノーニッサンミツビシアライアンスが開発した新世代のCMF-Bプラットフォーム)を共有することにより、人気のコンパクトSUVは進化して生まれ変わる。ルノーにとって、キャプチャーは、ラインアップ中最も重要なモデルの1つでもある。初代は、2013年の市場投入以来、世界中で約120万台を販売してきた。キャプチャーによって、このフランスメーカーはコンパクトSUVの分野で真の先駆者となりえた。しかしその一方で、導入から6年間で、この小さなフランス車が明らかに老化したこともまた事実だ。
サイズ:VW T-Rocとほぼ同じ大きさ
新しいプラットフォームは、キャプチャーにとっての新しい次元を意味する。全体的に、コンパクトSUVはあらゆる次元で成長し続けている。全長は11cm伸びて4.23mとなった。VW T-Rocとほぼ同じ長さだ。新型キャプチャーは旧型に比してワイドになっている。高さ1.78mの新型キャプチャーは、旧型よりほぼ2インチ、ワイドになっている。ホイールベースも2cm伸びて2.63mになっている。また、新型キャプチャーは、旧型よりも広いトランクを備えている。 トランクの容量は536リットルで、初代より81リットルも広くなった。
フレッシュなデザイン: 新型ルノー キャプチャーにはC字型のテールライトが備わった。
デザイン: フレッシュなデザイン
見た目では、新型キャプチャーはルノーニッサンミツビシアライアンス(長い!!!)が開発した新世代のCMF-Bプラットフォームを使用しているためか、どことなくニッサンのあの車に似たフォルムやラインを有しており、初代とは一線を画している。フロントのエプロンの部分には、わずかに広いグリルと合体したエアインテークが備わっている。しかし、ほとんどの変更はヘッドライトに加えられている。C字型のデイタイムランニングライトを備えた、現行ルノーモデルの典型的な形状が採用されている。標準のフルLEDライトはクリオを連想させる。
キャプチャーのサイドフォルムは初代モデルに似ているものの、少し筋肉質になったように見える。サイドシルには、印象的なプラスチックバンパーが取り付けられている。リアには、両端まで伸びたスプリットテールライトを搭載している。それらもC字型に形成されており、効果的に照明できるよう設計されている。ライトはトランクリッドの両端にあり、モデル名はルノーのロゴの下に配置されている。
デジタルコックピットと大型タッチスクリーン:新型キャプチャーには新世代コネクティビティが与えられた。クラス最大の9.3インチディスプレイがでかい。スマートフォンももちろん置くだけで充電可能(コンソール下部に)。
インテリア:すべてが新しい
エクステリアが初代との類似点を有する一方で、ルノーはインテリアを完全に新しく作り直した。インテリアは基本的に新型クリオからの転用だが、コンパクトSUVにうまくフィットしている。手の届く範囲で、ソフトタッチ用のサーファイスを見つけることができる。この部分では、ルノーは間違いなく一歩前進している。一方で、残念ながら、ここで見る新型キャプチャーのオレンジ色の人工皮革の用い方は不幸なことに非常に人工的だと言わざるを得ない(白い内装もあり、そちらはまあまあ、である)。
新しいシートは、第一印象に関する限り、とても快適なものだった。我々がテストしたクルマに備わった新しい多機能ボタン付きレザー製のステアリングは手に心地よくフィットする。その背後に配備されているのがデジタルインストルメントクラスターだ。サイズは、機器に応じて7または10.2インチとなっている。メッセージは読みやすく、必要な情報をちゃんと提供してくれる。第2世代コンパクトSUVには、新しいインフォテインメントシステムが与えられている。「イージーリンク」システムは、以前の「Rリンク」インフォテイメントを継承し、アップルカープレイならびにアンドロイドオートもすでに含まれている。ディスプレーのサイズは7〜9.3インチ(17.78~23.62cm)。
また、新型キャプチャーは新型クリオからフリーフローティングセンターコンソールも取得している。これにより、ドライバーと助手席の間のエリアが快適になっている。
長いホイールベースは、リアシートに特に顕著で、高さは1.80メートルとヘッドスペースも広く非常に快適な上、レッグスペースも十分に確保されている。後部座席のスペースはとても広く快適だ。もちろん、後部のチャイルドシート用に「Isofix」コネクションが標準装備されている。シート下部のカバーはじゃっかん厚目なので、長旅の際には不快になる可能性があるかもしれない。
イクイップメント:最大90個の取り合わせ「キャプチャーバリアント」
新しいキャプチャーは、ルノーによってより個性的に生まれ変わった。「ルノー90」と彼らが呼ぶラインアップによれば、オーダーに際して、11個すべてのボディカラー、4つの対照的なカラー、3組のイクイップメントラインナップすべてを合わせれば、新型キャプチャーには、90種類の組み合わせが可能であるとのこと。それに加えて、クロームの要素がフランス車のエクステリアを象徴付け、望めばレザーシートもオーダーできる。オプションでは、他にも、BOSE製サウンドシステムがオーダーできるようになっている。
新型キャプチャーのアシスタントシステムもアップグレードされている。とりわけ、交通渋滞アシスタント、アダプティブクルーズコントロール、交通標識認識は、新型のフランス製コンパクトSUVに進化して移行している。ルノーはこの点、他者に遅れていたことは事実なので、今回やっと追いついたといえる。
コネクティビティ:キャプチャーにイージーリンク搭載
新世代のキャプチャーは、まったく新しいインフォテインメントシステムも備えている。新しい「イージーリンク」システムは、以前の「Rリンク」インフォテイメントに代わるものであり、サービス機能も一段階充実したものとなっている。新システムは、Bosch、Google、TomTomと共同で開発され新型クリオに最初に導入されたもので、最初の3年間はインターネット接続が無料だ。「World Wide Web」では、システムは、近くのガソリンスタンドでの現在の燃料価格や交通状況などのキャプチャー情報を取り込んでくれる。アップルカープレイとアンドロイドオートもそれをベースにしている。新しいインフォテイメントは、3つの異なる構成で利用できる。最小サイズは7インチ(17.78cm)で、より大きな画面が必要な場合は、9.3インチ(23.62cm)のタッチスクリーンとナビゲーションを備えたトップバージョンが注文できる。
ドライビング:新型キャプチャーは静か
静かで、快適で、著しく改善されたコンパクトSUVは、路上でも優雅な動きを見せる。ルノーは、より効果的な防音により、2デシベルという低騒音レベルを提供する。ルノーの比率については、異常に正確な作業回路とステアリング。トップモデル、TCe 155に標準装備されている7速デュアルクラッチギアボックスは、負荷がかかると少し不快に反応し、ギアシフトのシューという音を発生させるし、シフトショックも決して少なくはない。TCe 130モデルに備わった6速MTのほうが、説得力がある。シフトのチェンジと正確さはちょうど良い。欲を言えば、無意味に長すぎるシフトレバーはもう少し短くすべきだろう。
パワーユニットと価格:発売当初はガソリンとディーゼルのみ
新型キャプチャーには、欧州市場では、3台のガソリンと2台のディーゼルモデルが用意される。エントリーモデル、TCe 100には、クリオにも採用されている、新しい1リッター3気筒エンジンが搭載されており、100psと160Nmを発揮し、5速MTによって操作される。より高いパフォーマンスを望むなら、TCe 130 GPFが選べる。130ps+240Nmエンジンは、アスファルト上でキャプチャーを強力に加速させる。パワーユニットは粒子フィルターのおかげできれいになっているはずだ。標準の6速MTの他に、オプションとして7速デュアルクラッチが用意される。トップモデルは155馬力155 GPFで、微粒子フィルターを通して排気ガスを濾過するが、7速デュアルクラッチギアボックスのみが用意される。TCe 155の最大トルクは270Nmだ。
ディーゼルを望むなら、Blue dCi 95とBlue dCi 115の2つのエンジン構成から選択できるようになっている。どちらのモデルも、1.5リッターの4気筒エンジンを搭載している。小さいバージョンは95psと240Nm、大きいバージョンは115psと260 Nmを発生する。どちらも6速MTを標準装備しており、115psエンジンには、7速デュアルクラッチトランスミッションをオプションとして選ぶことが可能だ。2020年中に、ルノーは、プラグインハイブリッドバージョンのキャプチャーを追加する計画だ。9.9 kWhのバッテリーによって、最大45キロメートルという航続距離が電気のみで可能なモデルだ。
新型キャプチャーは2020年の初めにデビュー。販売価格は274.9万円(日本市場)より。
※日本には2020年中頃以降の導入予定となる。
Texts: Andreas Huber, Malte Büttner
Photos: Group Renault