ガチンコ勝負 ドイツ製トップラグジュアリーサルーン対決 BMW 750i xDrive対メルセデスS500 4MATIC 果たして勝者は?

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新型Sクラスと、熟成した7シリーズの比較テスト。果たして、シュトゥットガルトはバイエルンに勝てるか? メルセデス S500 4MATIC対BMW 750i xDrive。ラグジュアリークラスの名車、メルセデスS 500対BMW 750i。誕生6年を経た7シリーズと新しいSクラス、さて勝利を獲得したのはどちらか?

バイエルン戦での勝利。
打倒バイエルンミュンヘン!
VfBシュトゥットガルトにとっては、伝統的にそれが夢であり、永遠の目標でもある。
しかし、今シーズンは残念ながらうまくいかず、シュツットガルトは王者のミュンヘンを相手に2試合とも敗北を喫した。
それが、現在のドイツのサッカー界(ブンデスリーガ)のパワーバランスというものだ。
しかし、ラグジュアリーセダンリーグでは、状況は大きく異なる。
何十年もの間、「Sクラス」対「7シリーズ」は同じ土俵で戦い、販売面では長年にわたりSクラスが勝利を挙げ続けてきた。
そして現在、メルセデスが「Sクラス」をリニューアルしたことで、ドイツ南部ダービーは新たなラウンドを迎えた。
2015年から生産されている現行の熟成した「7シリーズ」には、果たして新型「Sクラス」を倒すチャンスがあるのだろうか?

BMW 750iのエンジンは特に素晴らしい

BMWの主役はエンジンだ。BMWに搭載された4.4リッターV8は、パワーで鼓舞し、回転させ、文化を走らせる。

4.4リッターV8、530馬力の「750i」は、3.0リッター6気筒、435馬力の「S 500」とほとんど同じ価格で購入できる。
「S500」は120,059ユーロ(約1,608万円)から、「BMW 750i」は120,500ユーロ(約1,615万円)からとなっている。

BMWの530馬力のV8は、まさに夢のようなエンジンだ。
伝説的なパワー、ホットな気質、そして完璧なマナーを備えている。
もちろん、要求に応じて力強く始動し、極めて正確に回転し、豊かに鳴り響くV8バリトンで全体を支える。
このエンジンは、2.1トンの「7シリーズ」を4.0秒でスムーズに0から100km/hに到達させ、さらに13.4秒で200km/hに到達させる。
そして、点数やデータではうまく表現できない、総合的な体験も与えてくれる。

リアアクスルステアリングがSクラスの大きさを隠す

新型「Sクラス」には、後日、V8も用意されるというから、気になるところではあるが、現在のところボンネットの中には435馬力の直列6気筒のみがある。
しかし、これまた、素晴らしいパワーユニットだ。
多くのテクノロジー、追加の電動式コンプレッサー、ターボ、統合されたスタータージェネレーターを備えている。
「S500」は、0から100km/hまで5.0秒、200km/hまで18.4秒という不足のないスピードで走るが、ここでは、BMWがベンツを凌ぐ圧倒的な強さを発揮する。

それでも、「メルセデス・ベンツS500」の3.0リッターV6は、非常にスムーズにスタートし、非常にスムーズに走り、ストレート6のように簡単に回転し、素晴らしくスモーキーでハスキーなサウンドを奏でる。
すべてが非常に洗練されていて、静かで落ち着いているので、高速走行時でも車内は驚くほど静かなままで、2.1トンの重量を持つ、高い快適性を持つ「メルセデス・ベンツSクラス」のイメージと完全にマッチしている。
また、BMWと同様にセンシティブエアサスペンションが標準装備されているため、揺るぎなく安定し、穏やかに滑る。だからといって断絶した印象はなく、むしろかなり地に足がついている。
ダイレクトなステアリングといい、フィードバックといい、とにかく驚くほど扱いやすいのだ。
我々のテスト車では、10度のリアアクスルステアリング(1,547ユーロ=約20万円 日本仕様には用意されていない)が、大きな役割を果たしており、10.6メートル (日本式では 回転半径約5メートルになる) という例外的に小さい回転径の要因にもなっている。
一方、BMWの回転径は、12メートルもある(日本式では回転半径約6メートルになる)。

この2つの高級セダンには、数世代のモデルが存在する

明らかにより現代的: デザインやインテリアの面では、2台は大きく異なっている。 Sクラスの方がより現代的に見えるのは、単に時代が違うからだ。

そして、デザインやインテリアには思想と時代が顕著に表れている。
スリムでエレガント、スイッチ類がほとんど目立たないメルセデスに比べて、「7シリーズ」は重厚であり、コントロールパネルなど、もほとんどバロック的な印象を受ける。
そしてそれはある意味、バイエルン的とも言える。
「Sクラス」の室内は広々としており、BMWよりもさらに広いスペースを確保している。
もちろん、「7シリーズ」のフロントシートとリアシートが優れていることは間違いないものの、「S500」の方が、常に一歩上の快適さを感じさせるのである。
メルセデス・ベンツのフロントのアクティブマルチコンツアーシート(2,380ユーロ=約32万円)で、今まで以上に優れたものを久しぶりに堪能した。
もちろん、室内で本当に目を引くのは、「S500」に搭載されているマルチメディアの進歩だ。
BMWでは、「7シリーズ」にふさわしくない奇妙で見にくい計器類と、ベンツの巨大な12.8インチの有機ELスクリーンに比べて、その10.25インチのタッチスクリーンはやや時代遅れに見えてしまう。
しかし、明確で論理的なメニューと繊細なグラフィックでメルセデスが対抗しているにもかかわらず、「iDrive」は長年の進化の結果として最良の使い勝手であるとも言わなければならない。

最終的には、この2台は驚くほどの接戦となった。
結果的に「メルセデス・ベンツSクラス」は「BMW7シリーズ」に勝利し、その結果はうなずけるものだった。

ブラックアウトされたエクステリアが凄味を利かせている。ビジネスマンズエクスプレス。
キドニーグリルの大きさがよくわかる。
金属プレートが貼られたフットレスト。ドライバーズカーだ。
申し分ない後席だが、若干S500の方が快適に感じる。
V8の極み。

第2位 800満点中563点: BMW 750i xDrive
素晴らしいV8をバロックセダンに搭載。
すべてが熟成されている。
最高の意味でのオールドスクール。
価格: 120,500ユーロ(約1,615万円)より

Sクラスはいつの時代もエグゼクティブサルーンだ。
新しいインフォテイメントシステムのおかげで、27個のスイッチとボタンが削減された。
Sクラスの後席は広く、そして快適だ。

第1位 800満点中571点: メルセデスS500 4MATIC
間違いなく、ラグジュアリークラスの新しいベンチマークだ。
エレガントで、非常に快適で、優れている。
今後の進化や新しいパワートレインの追加が楽しみだ。
価格: 120,059ユーロ(約1,608万円)より

結論:
とにかく素晴らしいトップサルーンだ。
どちらもまさに理想的だ。
しかし、新しい「S500」は、これぞメルセデスの典型的なモデルで、豪華で快適だ。
「7シリーズ」と比べてみると、とてもモダンな印象を受ける。
「750i」はBMWの価値観を象徴しており、ドライビングフレンドリーでエネルギッシュ、そしてV8は素晴らしい。
モデル末期となって、さらに完成されたクルマといえる。

今までずっと長年にわたって「メルセデス・ベンツSクラス」は、その販売台数において圧倒的に「BMW 7シリーズ」を抑え込み、もちろん?「アウディA8」にも勝利し、首位を独走してきた。
その理由は「メルセデス・ベンツSクラス」だからであることは明白だ。
実際に「BMW 7シリーズ」に乗ってみると、「メルセデス・ベンツSクラス」に劣る部分など見つけにくい、というか勝っている部分も多く、販売台数でこれほどの差が出る理由など本来はないはずなのだが、「Sクラス」というのは「これじゃなくっちゃダメ」というか、「Sクラス以外は眼中にありません」といったファンがいるのであって、だからこその永年首位なのである。
正直に言うなら、「Sクラス」のハードウェアがいつの時代も圧倒的に優れていて、絶対的に王者な完成度かというとそんなことはまったくなく、モデルによっては、これで「Sクラス」は本当にいいのだろうか、というモデルもいくつかあった。
今回の「Sクラス」に関しても、正直言うと、まだまだこれからの部分が多く、現時点では、熟成されたモデル末期の「BMW 7シリーズ」のほうが、自動車としての魅力を感じることも多い。今回のテストでは「Sクラス」の勝利となったが、その差はほんのわずかなものでしかない、と個人的には思う。その「7シリーズ」もフルモデルチェンジが聞こえてくるような時期となった。次期「7シリーズ」が出てきた時に、「Sクラス」は今よりもどれくらい進化し、ラインナップを充実させて待ち受けるのだろうか。
楽しみに待ちたい。

Text: Dirk Branke and Berend Sanders
加筆: 大林晃平
Photo: AUTO BILD