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これもまごうかたなきポルシェ、なのだろうか? ポルシェ タイカン ターボ

2020年3月5日

ポルシェ初のEV初試乗

電動ポルシェ初テスト
800ボルトの電動アスリートは何を可能にするのか?

電動のポルシェに興味はありますか?

まずはこのけたはずれのモデルを哲学的に考えてみよう。果たしてこれは依然ポルシェだろうか? タイカンのようなスポーツクーペは鳴り響くかわりにハミングするように疾走するのだろうか? 625馬力というパワーとエコ的な側面とは関連性があるのだろうか? 確かに、異なる世界観が衝突するとき、それらは難しい質問となる。
しかし、一方でタイカン ターボを単なる新しい自動車と見なすこともできる。イデオロギーからの完全なる解放、これが今回の我々の試みだ。つまり他のクルマと同じように単純にテストする。したがって、このクルマは何ができるのか、どういうものを我々にもたらしてくれるかを素直な気持ちでテストしたい。そして我々の期待はとてつもなく大きく膨らんでいる。このクルマが我々に「ワオ!」って何度も叫ばしてくれることを。

エレクトリックポルシェは日常生活にも対応する

日常生活に使用するにはなにも問題はない。4人が楽に収まり、フロントにはスポーティなアームチェアが備わっている一方、リアには移動も可能な十分なスペースさえある。しかし残念ながら、後方への視界は壊滅的だ。カメラも助けにはなっていない。ただし、多数のタッチスクリーンやセレクターレバーのような異形のコントロール機器類は、すぐに慣れる。
セレクターをドライブ入れてスタート。するととてもエレガントなマナーで動き出す。ポルシェは本当に滑らかに走り出した。道路の凹凸を吸収しているのを乗客は気づかないほどに、アダプティブサスペンションが優れて機能する。
そしてもちろん静かだ。ステアリングの右に備わったドライビングモードのスイッチを間違ってスポーツに設定されていない限りは。昨今の自動車の流行にならいフェイクのエンジン音も備わっているが、意外なほどにそれはうまくフィットし、軽快な軽快感をコックピットにもたらす。

タイカン ターボの加速は超過激だ

さあ、それでは真のスリルを味わおう。2つの動作によってすべてが起こる。適切なペダルとステアリング操作という2つの動作だ。そしてそれはガソリン車でも電気自動車でも変わりはない。
そしてその瞬間我々はタイカンがスポーツカーであることを実感する。解き放たれた矢のように加速し、静止状態から100km/hまでを3.2秒で駆け抜ける。タイカン ターボは基本走行は、四輪駆動だ。4輪を電気で、それぞれコントロールし駆動するのである。
コーナリング性能? そうそう! それがもちろんタイカン ターボの命題だ。強力で有能なステアリングリセットおよび適切なステアリング角度により、ポルシェは正確に曲がる。強固なスタビライザーのサポートにより、オーバーステアも横揺れもなく、1トン近く軽いケイマン並みの優れたコーナリング性能を発揮する。

アクセルペダルを床まで思い切り踏めば、タイカンは3.2秒で0km/hから100km/hに到達する。それは異次元の加速と言っても良い

そして価格は? 心の準備はできてますか?

そして、それがテイカンの唯一の本当の欠陥だ。手に入れようとするならかなりの覚悟がいるし、相当な痛みを財布に伴う。152,136ユーロ(約1,900万円)という基本価格に加えて、パーキング用リアビューカメラ(必須!)、アクティブスタビライザー(優れたコーナリング用)、リアアクスルステアリング(これから楽しめるようになる!)などで、さらに20,000ユーロ(約250万円)ほどが追加で必要となる。さらにオプションは他のポルシェのように無数に用意されており、まさに天井知らずである。

結論:

ポルシェはポルシェだ。ポルシェ以外のなにものでもない。EVだからといってそのスタンスが変わることは決してありえない。タイカンはスーパーファーストで、敏捷性の非常に高く、豪華で、技術的にもトップレベルだ。ただし、ウォールボックス(高速専用高速充電器)充電器を使用した場合にのみ、高速充電が可能であり、通常の充電器では気が遠くなるほどの時間が充電に必要であるということは知っておくべきだ。
AUTO BILDテストスコア: 2

もし自分のガレージでこのヘッドライトを照らしたいなら、最低152,136ユーロ(約1,900万円)を投じる必要がある。もちろん数々のオプションが用意され、あっという間に2万ユーロ(約250万円)、うかうかしていると4万ユーロ(約500万円)くらいは高くなってしまうのでご注意を。

Texts: Jan Horn, Mirko Menke
Photos: Christoph Börries / AUTO BILD