まるで映画かアニメの世界 楽しくて楽しいマイクロカー イセッタ物語
2021年5月23日

なんとも可愛くて、かわいくて、キュートで、愛らしい。日に日にデカくなる一方の現代の自動車からは想像もつかないマイクロカーの世界。イセッタ。イタリア製イソ イセッタの作ったマイクロカーをBMWがライセンス生産したのは、遠い、遠い昔の話。65年以上も前の50年代半ばの物語だ。フォトギャラリーで、素敵で、楽しげで、平和なメルヘンの時代の絵や写真を理屈抜きで楽しんでください。
【イセッタ物語】

大林晃平: 子どもたちもお母さんも、なんとも幸せそう。こういうクルマで送り迎えされたら、非行に走ることもないだろう。どことなく冷蔵庫を思わせるドアだが、その開発には、なんと本当に冷蔵庫が関係していたのである(次の項を参照のこと)。

大林晃平: 開発当初には、「2台のスクーターの真ん中に冷蔵庫を置いてデザインした」と言われる(本当のハナシ)。確かにそういわれてみれば、そうとも言えるクルマである。左が4輪、右が3輪。グラスエリアやキャビン形状だけでなく、ワイパーのパーク位置や、ミラーの取り付け部分までかなり異なっていることに注目(それほどちゃんと配慮された設計なのである)。

大林晃平: それにしても急坂だ。単気筒エンジンには辛すぎる…。と余計な心配をしてしまうが、なんとイセッタはミッレミリアにも出場し、「フィアット トッポリーノ」に勝ったこともある! やるときゃ、やるクルマなのだ。

Photo: Uli Sonntag


大林晃平: 小さな車の中では、このゴッゴモビルも有名。ドイツのメーカーで、農機具などを作っていたが、自動車を熱望する人のために、このゴッゴモビルを作りあげた。ちなみにゴッゴモビルには写真の「TSクーペ」の他に、「Tセダン」と「TLバン」の3種類があり、1960年代半ばまで作られた。
Photo: Markus Heimbach

「イセッタ」は最大13馬力(!)を発揮し、キャビンスクーターは、ゴッゴモビル(Goggomobil)や「メッサーシュミット」の重大な競争相手となった。
大林晃平: 「メッサーシュミット」には3輪と4輪があり、これは前車。数年前にレプリカも登場するほどの人気者。映画「アダムスファミリー」でもモップ(という名前の登場人物、というかおばけ)が乗っていた。キャノピーをがばっと開けて乗り込むというところまで「メッサーシュミット」らしい、飛行機譲りの設計だ。
Photo: RM Auctions

大林晃平: なんとキャンピングトレーラーをひっぱる! 無理させてエンジンが焦げちゃわないか心配だが、なんとも楽しそうな夏旅行のスナップである。ちなみにこれはBMWイセッタ(エンブレムで判別できる)。

大林晃平: 4輪モデルでかなり自動車ライクになった姿。仲睦まじい様子で出かけた二人にピッタリ。

大林晃平: ちゃんと後ろにドアがついたモデル、ではあるが真夏は灼熱地獄だろう(ちなみにヒーターはオプションで用意されていたという)。いかしたツートンカラーが素敵。

大林晃平: 特殊なリンケージでドアと一緒にスイングするステアリングホイールシステムにご注目。メーターパネルももちろんドアについている。前面衝突にはくれぐれもお気をつけて。

Photo: Uli Sonntag

大林晃平: ドイツの切手になるほどの人気者! イタリアにおける「チンクエチェント」や、フランスでの「2CV」のような、愛されるべき存在なのだろう。「イセッタ」は最終的に16万台以上が生産された。

大林晃平: これは3輪のモデル。生産された16万台のうち、21世紀の現在に何台が生き残っているか気になるところだが、今生息している車たちは、これからもずっと生き延びてほしいと願う。
Text: Lars Busemann
Photo: Werk